教えて、先輩たちの体験談!人気企業内定者パネルディスカッション──文系編

体験談・インタビュー

公開日:2023.05.16

2023年3月15日、国内の大手人気企業から内定を得た23年卒・文系の先輩によるパネルディスカッションがオンラインで開催されました。どんなインターンシップ等を経験したか、ガクチカは何だったか、内定につながった秘訣って? みんなが知りたい、就活準備の極意を存分に語ってくれました。

【パネリスト】
<ネコさん>
国立大学 内定先:国内大手電器メーカー
<アライグマさん>
国立大学 内定先:国内大手人材会社
ハムスターさん>
明治大学 内定先:国内大手鉄道会社
<レッサーパンダさん>
国立大学 内定先:国内大手電力会社

どんな学生生活でしたか?

私たちの世代は大学1年生までコロナ禍前で、私は国際交流サークルで活動していました。そのあとはオンラインで国際交流の場に参加したり、東京オリンピックのボランティアなどにも取り組んだり。就活を始めたのは大学3年生の5月、ゴールデンウィークあたりからです。就活専用のツイッターアカウントを作って、情報収集に努めていました。

学生時代は、剣道の部活と経済学部のマーケティングゼミ、その2つをがんばっていました。あとはアルバイトしたり遊んだり、一般的な学生生活でしたね。

学生時代、バスケットボールのサークルで副代表をやっていました。3年生の夏に引退してからは、IT系のベンチャーで長期インターンを続けた経験があります。志望業界は移動を支える鉄道関係に絞っていきました。この中で唯一の私立大ですので、そこから見た就活の風景を伝えられるのではと思っています。

ガクチカとしても使ったんですが、アルバイトは飲食店や塾講師がメインでした。地方大学でしたが今はオンラインを活用した就活ができますので、東京など大都市圏でなくても就活で不利になることはないと思います。

インターンシップ・キャリアはどのように活用を?

3年生の夏、100社くらいに申し込みました。業界を絞れていなかったということもあり、手当たり次第に。20社以上のインターンシップ等に参加して、その中でリクルーターさんと会ったりしながら秋頃には10社程度に絞り込んでいきました。

私はインターンシップ等を探し始めたのは3年生の5月で、参加したのは30社ほど。志望業界の理解や絞り込み、自分の適性があるか確かめるために活用しました。

インターンシップ等は30社ほどに申し込んで、そのうち夏に5社、秋に5社くらいを経験しました。インターンシップ等で知り合った人とは同じところを受けることも多いので、情報交換にも役立てた面もあります。

自分が消費者としてサービスを受けているような会社を中心に、20社ほど参加して、本選考に臨みました。実際にどういう業務内容なのか、自分のイメージとのギャップを埋めるのに活用した部分が多かったです。キャリア教育のように気軽に参加できるものも活用して、いろいろな業界の研究を進めていきました。

キャリア教育でも、選考の大変さと内容の充実度は比例してますので、チェックしてみるといいと思います。

インターンシップ・キャリアの選考はどう攻略した?

基本的に選考があって、エントリーシートを出すことから始まります。そのあとオンライン面接やWebテスト、録画面接もありました。就活サポート団体で先輩につなげてもらい、自分のどの部分を切り取るとエントリーシートや面接で話せるエピソードができるか、一緒に考えました。それから、エントリーシートはとにかく出してみることが大切です。徐々に改善して完成度を高めていきました。

落選したエントリーシートを、友だちや先輩、親に見せて添削してもらいました。大学のキャリアセンターもよく利用しました。自分のイメージする文章は人から見ると意味が伝わらなかったりして、ブラッシュアップしていくことができます。

私の場合、面接にはAI面接とケース面接の2種類ありました。AI面接は効率化できるので増えていると思います。どんな感じか掴むために数多く受けておくのがおすすめです。ケース面接はコンサルや商社などでよくある方式で、例えば「売上を向上させるには」というテーマに対して「こうやると売上が何パーセント上がるので期待値はこうなる」と数字を含めて話します。ちょっと特別なタイプですから、参考書などで早めに勉強しておくのがいいですね。

印象に残ったインターンシップ・キャリアは?

コンサル業や証券会社の投資銀行部門の人たちは、知力も体力もお化けのようでした。面接ではこちらをはるかに先回りした質問が来るし、仕事でもいつ寝ているんだという働き方をしていて。まるで知的体育会、という感じでした。

私も総合コンサル系でほぼ連日徹夜のようなところを経験しました。それがとても楽しいという人もいるし、ちょっと無理という人もいるし、自分に合う業界を知るきっかけとしては良かったと思います。

短期間だけれど給料が出るインターンシップ等に参加できたのはラッキーでした。膨大に来るメールの中から見つけたんですが、やはりメールは無視せずちゃんとチェックすべきですね。あと、インターンシップ等で落ちてしまっても本選考で申し込んで内定までもらえた企業もあります。

グループディスカッションのあと、友だちにはその後のステップへの案内が来たのに自分には無く、かなり落ち込みました。でも別の時はグループディスカッションがうまくいって会社見学への案内をいただき、早期選考ルートに乗れたのは嬉しかったですね。インターンシップ等で優秀と思われれば、次の声がかかることは十分考えられます。

就活で企業を見きわめるポイントは?

勤務地はどこかということですね。家族ができた時に「どこそこへ転勤」と言われたらどうするか。人生設計を考えた上で、自分の拠点をどこに置くかを決めて企業を選んでおいた方がいいと思います。

まず、「人」です。一緒に働く人の重要性をインターンシップ等で感じました。その企業の人は自分に合うか、というところを見ていました。それから、「将来性」。今は力を持っている企業でも、激しい変化の時代の中で、これからどうなるかを意識していました。

「就社」ではなく「就職」という考えで企業を見ていました。総合職で入った場合、思っていたのと違う部署に配属される「部署ガチャ」も起こります。部署別採用をやっているなど、自分がそこで何をやれるのかということが大事ですね。

少しでも興味を持った企業の有価証券報告書を読んでいました。事業内容を詳しく見ればだいたいのことは掴めます。それから、日経新聞なども読むこと。その業界の流れや事情を踏まえた上で面接に臨むと、結構な強みになります。

アピール力の高いガクチカって?

例えばバイト先の売上を何%上げました、というエピソードを話す時、「それに際してこの人は何をしたか」を面接官は見ていますから、そこを深堀ることが大切です。あとはストックを多めに用意しておくこと。海外支社が多い企業なら国際関係サークルの話、人材系ならボランティアサークルの話など、相手の業界に合わせて使い分けられます。私は5、6個は用意していました。

私は学業、部活、アルバイトで、3つぐらいのストックでした。

私も同じくそれぞれの分野で1つずつです。内容よりも伝え方が大事かなとも思います。

エピソードの強さより、自分がどれだけ深く関わり、どうアプローチしたか。そして回りをこれだけ巻き込んで、という話を面接官は聞きたいのだと思います。そこにビジネスの視点を入れ込めれば完璧ですね。日常の些細なアルバイトであっても、チカラを入れたことを深めていけば説得力の高いガクチカになります。

効果的な面接ノウハウは?

オンラインでも対面でも、笑顔が重要です。一緒に働きたい人を採るわけですから、いい笑顔の人がいい。そしてオンラインでは顔や胸ぐらいまでしか写りませんから、表情の変化やリアクションを少しオーバーにするといいと思います。対面の時は、自然体であることと、会話のキャッチボールを意識していました。あと、いい姿勢は自信があると見られるので、鏡の前でチェックしてみてください。

面接の時の目線は大事です。対面では質問をした面接官だけでなく、他の方ともしっかり目を合わせることを意識していました。オンラインの場合はカメラ目線。例えば「弊社は第何志望ですか?」と質問が来た時はカメラをしっかり見て「御社が第一志望です!」と本気であることを伝えました。

質問に対して、長くても15秒から20秒以内で端的に答えを言うこと。そのどれかに対して「より詳しく」と言われたら、待ってましたという感じで話します。あれもこれもではなく、えさを撒いて、たくさんある引き出しから1個だけ取り出すイメージですね。

オンラインの場合、Wordでカンニングシートのようなものを作ってモニターに広げておきました。過去の質問が分かればその回答、ガクチカのエピソードや、その企業の強みなどをメモしたものです。この質問が来たらこの答え、というように。気を付けるのは、棒読みしないこと。いかにも不自然に見えますから。

面接で聞かれた難しい質問は?

「競合他社さんとの経営戦略面の違いを論理的に説明して」という質問です。業界分析はしていましたが、「あなたが経営者だったら」とも言われてどうしようかなと。競合をちょっとディスってしまったりして。しかもそれは最終面接で人事のトップに聞かれたんでめちゃくちゃ緊張しました。

「小学校3年の時になぜ学級委員をやろうと思ったか」です。今部活のキャプテンをやっているということからさかのぼられて、ついに小3の時のことまで聞かれました。行動原理は幼少期からの積み重ねで形成されることが多いらしいので、昔のことを思い出してどういう行動をしてきたかを話せるようにしておくといいかもしれません。

「御社が第一志望です」と言った後、「もし弊社に採用されなかった場合はどこが第一志望ですか」と聞かれました。自分の中でその企業の志望順位は決めてあるんですが、正直すぎると内定辞退されるのではと思われるし、どんなあんばいで答えたらいいか困りました。

最後の内定を出すフェーズで、「今何があったらうちに入るか」という質問をされ、すごく戸惑いました。そこで「今ここで内定をいただければ」と答えて内定をいただいたんですが、覚悟を持ってしっかりした姿勢を見せることが大事かなと思います。

参加者から寄せられた質問に答えます

Q:志望業界以外ではどれくらいの業界を見ていましたか。

3業界くらいから絞っていきました。でも絞る時期が早すぎたと思います。金融がわかりやすいからそこばかり受けて、内定が出た頃に「あれ、これでいいのかな」と疑問に思ってしまい引き返したんです。

Q:SPI対策はどうすればいいでしょうか。

時間内で解くのが難しいのですが、インターンシップ・キャリア選考を何十社も受けているうちにできるようになりますから、大丈夫です。

市販のSPI対策本を読んでいました。早期選考などにたくさん参加し、実際にSPIを解く機会を増やすのも有りだと思います。

Q:就活の第一歩は何から踏み出せばいいでしょうか。

就職情報サイトや興味のある業界・企業のホームページから取りあえずエントリーすれば、エントリーシートやガクチカなどやることが自然に増えてきます。何となくでもいいので、まずそこからだと思います。

Q:自己分析はどのくらいまでやればいいのですか。

就活の9割を占めるくらい力を入れてやっていました。大学3年生の5月ぐらいから大学4年生の6月、最終面接あたりまで。Wordで50~60枚を超えています。そのくらいやれば、面接で答えを飾る必要がなくなります。全部自分の素で答えられますから。    

「メモの魔力」という本に自分を知るための「自己分析1000問」という付録があり、とにかく自己分析の質問に答えていくというものです。自分のこういうことを知らなかったとか、アップデートしていくことができます。Excel形式でネットからダウンロードできますからおすすめです。

Q:OBOG訪問はどれくらいやりましたか。

本選考エントリーしたうちの4社くらいです。    

2、3社程度です。

企業から会ってみませんかということは2、3社ありましたが、自分からはやっていません。    

10社くらいです。でも、何社やればいいという正解はないと思います。 

Q:ガクチカで大学時代以外の経験を話したことはありますか。

私は仮面浪人をしていて、その時代のことをガクチカとして話したことがあります。人生での一番の挑戦だったということで。高校以前の話はそれと別項目で出すなど、棲み分けを図った方がいいでしょうね。    


いかがでしたか? 大手企業内定と言っても、先輩たちはそれぞれ違ったアプローチや就活対策をしていました。しかし、さまざまな機会で自分の軸ややりたいことを再確認して絞り込んでいったことがわかると思います。この体験談は、きっとあなたの就活準備にも役立つはず。ぜひ参考にして、取り入れてみてください。

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PROFILE

鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を活かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。

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