夏のインターンシップ・キャリアの総仕上げには“振り返り”が大切!今後に生かすためのワークシート活用術

インターンシップ・キャリア

公開日:2023.08.01

こんにちは!キャリアコンサルタント・公認心理師の濱野です。この夏休み、多くの皆さんが夏のインターンシップ・キャリアに臨んでいらっしゃるでしょう。夏のインターンシップ・キャリアの後に必ずしてほしいのが、「振り返り」。この記事では、「振り返り」がなぜ重要なのか、効果的な「振り返り」の方法、「振り返り」の結果を今後にどう生かしていくのかなどについてお伝えしていきます!

「振り返り」ってどうして大切なの?

春先から自己分析や業界研究を進め、興味のある企業を選んでエントリーして、ようやく手にしたインターンシップ・キャリアの機会。この夏、念願の企業で実りある素晴らしい体験をなさっている方も多いことと思います。

そんな皆さんに、私が声を大にしてお伝えしたいことがあります。それは、「絶対に『体験しっぱなし』にしないで!」ということ。インターンシップ・キャリアに参加した後には、必ず「振り返り」をしていただきたいのです。

皆さんは、「PDCAサイクル」をご存じでしょうか。ビジネスでよく用いられる、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返して業務を継続的に改善していく管理方法のことです。

実は、夏のインターンシップ・キャリアもこの「PDCAサイクル」に当てはめて考えることができます。順を追ってみていきましょう。

皆さんが春先から取り組んできた「自己分析・業界研究、志望企業へのエントリー、参加する企業の決定」はPlan(計画)。夏休みに取り組む「企業でインターンシップ・キャリア」はDo(実行)。現在、多くの皆さんがこのあたりまで到達していることと思います。

参加し終えて、「ああ、いい体験ができたな~」とこのままフェードアウトしないでくださいね。この先のCheck(評価)、すなわち「振り返り」が非常に重要なのですから。

Check(評価)とは、「実施したことや得られた成果が、計画・目標に沿っているかどうかを評価すること」を指します。

これをインターンシップ・キャリアに当てはめれば、終了後に「どんな学びを得られたか、自分の課題は何か」などを丁寧に考察すること。この工程を十分に行ってこそ、「今後どのように就職活動の準備を進めていけばよいかを考える」、すなわちAction(改善)へとつなげることができるのです。

「振り返り」をしっかり行うことで、インターンシップ・キャリアから学び得たことや自分の課題を整理し、それらを今後のキャリアにどう生かしていくのかを考えることができるようになります。また、自分自身のスキルや興味、価値観をより明確に認識できるようにもなるのです。

「振り返り」によって体験の価値がさらに高まり、この先につながるヒントを得ることにもつながっていくわけですね。

「振り返りシート」を使うと効果的!

では、「振り返り」はどんなふうに行っていけばよいのでしょうか。ここでは、効果的な方法として「振り返りシート」の活用をお勧めしたいと思います。

「振り返りシート」とは、以下のようなものです。

ご覧の通り、「PDCAサイクル」を軸として組み立てられていることがポイントです。

では、早速書いてみましょう!

まず、インターンシップ・キャリアに参加する前に考えていた目標を思い出してみましょう。具体的には、「なぜこの企業でインターンシップ・キャリアをしようと思ったか」、「どんなことを学び得ようと考えたか」、「この企業についてどんなことを確認しようと考えたか」などです。これらの問いに対する答えを、「振り返りシート」の「Plan(計画)」の欄に書き込みましょう。

次に、実際にインターンシップ・キャリアでどのような体験をしたかを「Do(実行)」の欄にまとめます。具体的には、「実際にどのような体験をしたか(事実)」に加え、「新たに学び得たことはどんなことか」、「自分について新たに発見したことはどんなことか」、「この企業について新たに知ったことはどんなことか」などについても振り返ってみます。

次がいよいよ、「Check(評価)」です。「Planに照らして、達成状況はどうだったか」を自己評価します。「自分の新たな課題として見えたのはどんなことか」、「この企業へのイメージはどのように変化したか」、「この企業についてさらに知りたいことはどんなことか」、「『働くこと』についての認識はどう変わったか」などについても丁寧に振り返っておきましょう。

そして最後が、「Action(改善)」。インターンシップ・キャリアでの体験や学びを、今後の就職活動準備にどう生かしていくのかをまとめます。具体的には、「(Checkで見えた)自分の課題をクリアするために取り組むこと」、「秋冬のインターンシップ・キャリアで体験したいこと」、「そのために向こう1カ月間で準備すること」といったことについて考えておくとよいでしょう。

このようにして作成したシートは、他者との対話の中で深めていくとさらに内容が充実していきますよ。例えばお友達同士でフィードバックしあったり、キャリアセンターの職員の方に見せながら話してみたり。客観的な意見はとても貴重ですので、ぜひやってみてくださいね。

なお、オンラインでのインターンシップ・キャリアを体験された方の中には、「振り返りシート」の設問すべてに答えることが難しい、と感じる方がいらっしゃるかもしれません。その場合は、体験内容を踏まえて設問を取捨選択して、振り返りを行っていただければと思います。

\「振り返りシート」のダウンロードはこちら/

秋冬のインターンシップに向けて準備を始めよう!

「振り返りシート」の「Action(改善)」では、「夏のインターンシップ・キャリアでの学びや課題などを、今後の就職活動準備にどう生かしていくのか」についてまとめましたね。でも、せっかく考えたことを実践に移さなければ意味がありません。

実践のための絶好の機会が、秋冬のインターンシップ・キャリアです。「夏に参加したから、秋冬はもういいや」と考えるのはもったいない!積極的に参加していきましょう。

秋冬のインターンシップ・キャリアでは、夏に参加した企業の競合を選んで参加してみるのもよい方法だと思います。競合他社の取り組み事例やビジネスモデル等を知ることで、夏に参加した企業との比較検討をすることができるようになります。

また、これまであまり興味がなかった、あるいは知らなかった業界の企業を選んで参加してみることもおすすめです。視野が広がり、新たな進路の選択肢が増える可能性も大ですよ。

いずれにしても、ポイントは「PDCAサイクル」を意識して臨むこと。ここでも「振り返りシート」を使うとよいですね。事前に「Plan(計画)」の欄をしっかりまとめておけば、目的意識を明確に持ってインターンシップ・キャリアに参加することができます。また、参加後の振り返りもスムーズにできることでしょう。ぜひ活用してくださいね。

キャリタス就活では、秋冬のインターンシップ・キャリアの情報を提供していきます。こちらも参考にして、ぜひたくさんの企業と出会っていただきたいと思います。

「振り返り」を習慣化しよう!

今回は、インターンシップ・キャリアを振り返ることの重要性についてお伝えしました。

「振り返り」を行うことによって、自分自身のスキルや興味、価値観への理解を深めることができますね。これにより、企業と自分自身との相性を判断することが容易になりますし、本選考に向けたエントリーシートの内容にも厚みが出せるようになるはずです。

この先、就職活動の準備がさらに進んでいくわけですが、そのプロセスの中にぜひ、「振り返り」を組み込んでいってくださいね。

さらに…。「PDCAサイクル」を意識しながら定期的に「振り返り」を行うことは、生涯にわたって続く「キャリア」を考える上でも、とてもとても大切なこと。学生のうちから「振り返り」の習慣を身につけておけば、あなたが社会人になってからも大いに役立つことでしょう。

\10月~2月に開催する秋冬のインターンシップ・キャリアをチェック!/

PROFILE

濱野 裕貴子
キャリアコンサルタント・公認心理師・ワークショップデザイナー
大学卒業後、教育系出版社に入社。通信教育の先生方のマネジメントを中心に、キャリアインタビューや機関誌の編集などに携わる。業務を通じて感じた「同じ仕事をしているにも関わらず働く理由や価値観の違いが出るのはなぜか」という問題意識から、「キャリア」に興味を持つように。14年間の勤務後独立し、以後、大学ではキャリアカウンセラーや非常勤講師、企業では研修講師として、学生や若手社会人のキャリア支援に当たってきた。演劇や落語、お笑いなどのパフォーミングアーツに触れることが大好きで、身体表現を使った自己理解のワークショップなども手掛けている。筑波大学人間総合科学研究科生涯発達専攻カウンセリングコース博士前期課程修了(カウンセリング修士)。

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