【地元&U・Iターンの就活】エリア限定職(採用)って?
就活ノウハウ公開日:2023.04.03
エリア限定職(採用)って?
エリア限定職とは、文字通り勤務地を一定のエリアに限定した職種のことです。「地域限定職」「エリア総合職」「特定総合職」「特定職」「準総合職」など企業によって名称はさまざまですが、原則として転居を伴う転勤がなく、自宅から通える範囲で勤務できる雇用形態のことを指します。意欲があっても事情により転勤を望まない人材の活用や、地域に密着した営業力強化を目的として、全国展開している大手企業を中心に導入される例が増えてきました。働く人の意識の多様化やワークライフバランスの充実を後押しする機運が高まっていることもあって、エリア限定職での採用が増えています。また柔軟な働き方を認め、優秀な人材の確保と定着を目指しています。地元就職を希望する学生にとっては、ぜひ押さえておきたい職種といえるでしょう。ただし、事前にエリア限定職で担当する職域の範囲や給与・昇給・賞与などの待遇面で、全国転勤がある場合との違いをしっかり調べておくことが不可欠です。
システムはさまざま
ひとことでエリア限定職といっても、企業によって働き方や勤務地域の範囲などは異なります。事前に確認しておきたいポイントを紹介します。
POINT1:職域
一般職・総合職のコース別採用の中間に据えるケースが目立ちます。しかし、企業によっては一般職に近い条件に設定するところもあれば、総合職に準じた条件で募集しているところもあり、入社後にする仕事の範囲はまちまちです。呼称に惑わされることなく、どのような働き方が求められているのかを確認しておくことが大切です。
POINT2:給与
通常の一般職・総合職とは別に設定されているケースがほとんどです。特に総合職でエリア限定採用を行っている場合は、通常の総合職に比べて低く設定していたり、昇進を限定しているケースもあります。条件面でどんな点が総合職と違うのかを把握する必要があるでしょう。
POINT3:勤務エリア
地域で設定されていることもあれば、支社や営業拠点単位の場合もあります。中には「関西」「東海・北陸」など、実際には転居を伴うような広い地域をエリア限定職と呼んでいる企業もあるので注意が必要。
地元就職を希望する学生にとってエリア限定職採用は魅力的な制度ですが、まずはじっくりと中身を検討することが大切です。自分の希望している職種や働き方と一致しているか?待遇面は満足できるか?支障なく通勤が可能か?などのポイントを採用情報や説明会などで事前にチェックしておきましょう。
導入が多い業界は?
エリア限定職自体は決して新しい制度ではありませんが、ここ数年で導入する業界が増えています。特に目立つのは銀行業界を筆頭に、証券会社、保険会社などの金融業界。そのほか、小売・サービス業や建設業、メーカーなどでも採用するケースが増えています。
確認しておきたい転換制度とは
エリア限定職を導入している企業の中には、通常の総合職への転換制度を設けているところがあります。エリア限定職で入社したものの、やはりキャリアアップを目指したいという社員に門戸を開くことで、モチベーションアップや優秀な人材の確保につなげるのが主な狙いです。また逆に、結婚や介護などの理由で転居できないケースのために総合職からエリア限定職への転換が可能な企業もあります。エリア限定職を希望する場合は、待遇などの制度面を考慮した上で、入社後のキャリアプランを計画しましょう。加えて、柔軟な働き方が可能であるのかなど、これらの転換制度の有無や実際の運用状況を確認しておくことも必要です。
疑問や不安を解消【Q&A】
Q1:そもそも、Uターン就職、Iターン就職って何ですか?
Uターン就職とは、生まれ育った場所と違う地域の大学へ進学し、また地元へ戻って就職することを指します。Iターン就職は、地元の大学に進学した後、地元以外の地域で就職をすること。そのほか、進学の際に出身地から都会に出た後、出身地の近隣地域に戻ることをJターン就職ともいいます。いずれも生活の基盤を移すことになりますから、日々の暮らし方、お金の使い方、家族のあり方など“ライフスタイル”そのものを考えることが就職活動の軸となります。
Q2:地元に戻るか、このまま今住んでいるところで就職するか悩んでいます。地元は慣れ親しんだ土地ですし、家族もいて安心して暮らせると思うのですが、地方都市なので希望する就職先が見つかるか不安です。
「自分は何がやりたいのか」「どんな暮らしをしたいのか」をじっくり考えてください。結論はそう簡単には出ないでしょう。労力はかかりますが、見つかるまでは両方で就職活動をしてみては? 活動を続けていく間に、自分の重視するポイントが明確になると思いますよ。
Q3:ある地方都市で就職したいと考えていますが、現在住んでいる場所からかなり離れています。活動費用がとてもかかりそうで今から心配です。
最近はオンラインに対応する企業が増えてきましたが、実際に足を運ぶ場合は、夜行バスや学割、往復割引などをうまく活用すると節約が可能です。また、会社説明会や合同企業説明会、OB・OG訪問などを集中的に行うなど、スケジュールをうまく調整して効率よく活動する努力も必要です。そのために、キャリタス就活でしっかり情報収集をしましょう。
Q4:Uターン就職を考えています。でも、地元企業の情報が入ってきません。どうやって集めたらいいのでしょうか?
ぜひ、キャリタス就活を活用してください。検索機能を利用して、どんどん情報収集をしてみましょう。また、地元の友人に情報提供してもらう、地元新聞の就職情報、商工会議所のサイト、学生職業センターに問い合わせるなどいろいろな方法があるので試してみてください。
Q5:地元でずっと生活をしている就活生のほうが地元企業就職に有利なのでは…と考えてしまうのですが。
個人に対する営業活動をするような場合など一部業界を除いて、地元学生が有利になることはありません。企業は仕事ができるかどうかという視点で合否を判断します。きちんと、自己PR、志望動機を説明できれば大丈夫です。
Q6:できれば地元でずっと働きたいんです! 何かいい方法ってあるでしょうか?
勤務地を一定のエリアに限定したエリア限定職か、地元にしか勤務地のない会社への就職になります。ただ、エリア限定職とはいっても、勤務するエリアの範囲は企業によってかなり異なります。エリア範囲については個々の企業に確認するのがいいでしょう。また、勤務地が地元にしかない企業でも、業種によっては事業規模拡大のために地域外への進出もないとはいえません。