選考辞退のマナー完全ガイド!辞退メール&電話連絡のポイントを紹介【例文つき】

就活ノウハウ

公開日:2023.12.05

こんにちは。キャリアコンサルタント&公認心理師の濱野です。就職活動が進むにつれて就活生を悩ませることのひとつに「企業への選考辞退」の連絡がありますね。「どのような言葉で企業に辞退の意思を伝えたらいいのか?」「タイミングは?」「連絡方法は?」など、様々な疑問がわいてくるのではないでしょうか。

本記事では、選考辞退時の連絡方法や注意点、そして実際の伝え方について、例もまじえてご紹介します。

選考辞退をする場合は必ず企業に連絡を入れよう

就活の過程では、「他の企業から内定をいただいた」「キャリアプランの方向性が変わった」など、様々な理由から「この企業の選考を辞退したいな」と考える場面があるかと思います。

選考辞退をする場合、企業に必ず辞退の旨を伝える必要があります。間違っても、一方的に選考を受けることを辞めてしまうような失礼な対応をしてはいけません。

企業はあなたに期待し、たくさんの時間とリソースを費やして選考をしてくださっているのです。そんな企業に対して、誠実に対応をしたいものですよね。

なお、面接等の無断欠席や不適切な辞退理由の提示は、あなたの今後のキャリアにも悪影響を及ぼす可能性があります。企業や採用担当者にはネットワークがあり、思わぬところでつながっていることも多いからです。自分自身のキャリアのためにも、適切なマナーや方法に則って企業に選考辞退の意思を伝えていきましょう。

選考辞退を伝える際のポイントは「簡潔に、素直に」

選考を辞退する際には、ただ「辞退します」とだけ伝えるのではなく、辞退の理由も併せて伝えたほうがより誠実だと思います。

辞退理由については、例えば「他の企業から内定をいただいたため、就職活動を終了することにしました」「就職活動を進めるうちに、自身のキャリアビジョンが変容したためです」などのように、簡潔かつ率直にお伝えすればOKです。

【ポイント】
・自分のために時間を割いてくれた企業への感謝を伝えましょう
・あくまで簡潔に。長々とした説明は不要。
・他の企業との比較をした理由は避け、ポジティブな言葉遣いで伝えることを心がける。

選考辞退の理由のNGワードとは?

辞退の理由として、「会社の雰囲気が自分とは合わない」「待遇が悪い」「説明会等での社員の態度が気に入らなかった」などのような、あまりにも生々しく攻撃的な表現は避けましょう。また、「他社の選考を優先したいから」というような、その企業の評価を低く見ているような表現も不適切です。

【やってはいけないこと】
・その企業に対する不満や不信感などをあらわにする。
・軽蔑的な態度や言葉遣いで対応する。
・感情的になり、非論理的な理由を述べる。

選考辞退の連絡方法はメールか電話。うまく使い分けよう

辞退の連絡方法としては、主にメールと電話があります。一般的に、選考の最終段階や正式な選考結果(内々定・内定)を待っている場合、具体的な理由を詳しく伝えたい場合は、電話が適しています。

一方、面接前や書類選考など選考の初期段階での辞退は、メールでの連絡でもよいでしょう。「直接伝えなければ失礼だ」というわけではなく、選考の進行状況に合わせて、適切な連絡方法を選択しましょう。

【ポイント】
・辞退連絡に関して企業からの指定やガイドラインがあれば、それに従いましょう。
・前日までに連絡できる場合はメールが適しており、面接当日の場合は電話での連絡が望ましいです。
・当日に電話して担当者につながらない場合は、伝言を依頼して、メールにその旨も記載して送るようにしましょう。
・電話連絡の場合は、お昼休みや就業時間外に電話しないようタイミングを考慮しましょう。

選考辞退の連絡を「メール」でする場合の例

件名:選考辞退のご連絡 「大学名」「氏名(フルネーム)」

〇〇株式会社 人事部御中

拝啓
貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

〇〇大学 〇〇学部の〇〇△△と申します。

この度は〇次選考通過のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
実は、就職活動を進めるうちに自身のキャリアビジョンが変容して参りました。
慎重に考えた結果、私のキャリアビジョンとの合致を図るため、
貴社の選考を辞退させていただきたく存じます。

大変申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
これまで本当に、どうもありがとうございました。
貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

敬具

〇〇大学 〇〇学部 氏名(フルネーム)

【ポイント】
・メールの件名はわかりやすく、内容が一目で理解できるように。大学名・氏名も記載する。
・冒頭でお礼を述べ、感謝の意を示す。
・本文は簡潔に、冗長な表現は避ける。
・結びの挨拶で再度の感謝を伝える。
・送信前には必ず内容のチェックを行う。
・返信が来た場合は、確認とお礼の返信を忘れずに。

選考辞退の連絡を「電話」でする場合の例

電話の場合、採用担当者の携帯電話に直接連絡をする場合と、人事部の固定電話に連絡をする場合の2つのパターンが考えられます。いずれの場合も、最初にしっかり挨拶をして、大学名と氏名を名乗りましょう。

採用担当者の携帯電話に直接連絡した際に相手が名乗らなかった場合は、挨拶と名前を伝えたあとに「○○株式会社、△△様のお電話でお間違いないでしょうか?」と確認することを忘れないでください。

また人事部の固定電話に連絡をする場合は、直接担当者が電話を取るとは限りません。挨拶と名前を伝えた後に「恐れ入りますが、採用担当の△△様をお願いいたします。」と取り次ぎを依頼しましょう。

実際の例を参考にしてみましょう。

【採用担当者の携帯電話に直接連絡する場合の例】

こんにちは、〇〇大学〇〇学部の☆☆と申します。〇〇株式会社、△△様のお電話でよろしいでしょうか? 

(はい、そうです)

今後の就職活動に関してご連絡があり、お電話させていただきました。今、お時間よろしいでしょうか?

(はい、どんなご用件でしょうか?)

この度は〇次選考通過のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
実は最近、就職活動を進めるうちにキャリアビジョンがだんだん変化してきたことに気づきました。
改めて今後の就職活動について慎重に考えた結果、新たなキャリアビジョンとの合致を図るため、
貴社の選考を辞退させていただきたく、ご連絡差し上げた次第です。

これまで大変お世話になっておきながらこのようなご連絡になってしまいましたこと本当に申し訳ございません。 ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

(はい、わかりました)

これまで本当にありがとうございました。それでは失礼いたします。

【ポイント】
・通話する前に、伝える内容の要点をメモしておこう。
・通話の際には大学名、自分の名前と目的を冒頭に明確に伝えましょう。
・電話の最後には感謝の意を述べましょう。
・電話をかける時間帯も考慮しよう(昼休み、早朝、18時以降などは避ける)

まとめ

選考を辞退する際には、企業に対して感謝の気持ちを持ちながら、礼儀やマナーを守った対応をすることが大切です。連絡をする際には、連絡方法や内容を注意深く吟味し、企業に対し誠実な態度で臨みましょう。辞退の気持ちを固めた際にはなるべく早めに連絡することも企業側への誠意を表します。

企業の採用担当者は、これからの社会を担う若い人材を応援している方が多いですから、適切なマナーで辞退をお伝えすれば理解してもらえるはずです。

就活は社会人としての自身の未来を決める大切なステップです。辞退を伝える際にも、社会人として恥ずかしくない、誠実な対応を心がけていきましょう。

PROFILE

濱野 裕貴子
キャリアコンサルタント・公認心理師・ワークショップデザイナー
大学卒業後、教育系出版社に入社。通信教育の先生方のマネジメントを中心に、キャリアインタビューや機関誌の編集などに携わる。業務を通じて感じた「同じ仕事をしているにも関わらず働く理由や価値観の違いが出るのはなぜか」という問題意識から、「キャリア」に興味を持つように。14年間の勤務後独立し、以後、大学ではキャリアカウンセラーや非常勤講師、企業では研修講師として、学生や若手社会人のキャリア支援に当たってきた。演劇や落語、お笑いなどのパフォーミングアーツに触れることが大好きで、身体表現を使った自己理解のワークショップなども手掛けている。筑波大学人間総合科学研究科生涯発達専攻カウンセリングコース博士前期課程修了(カウンセリング修士)。

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