株式会社小学館

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業種:情報(通信・マスコミ)/出版 本社:東京都

出版、映像、Web/アプリ、ゲーム、リアルイベントetc...小学館なら、「面白い」ことはなんでもできます

サステナビリティ活動の事例

activity 01

山田緑地×パルパーク・プロジェクト

「パルパーク・プロジェクト」とは、小学館が発行する月刊アウトドア雑誌『BE-PAL』誌上で2016年に生まれた、理想の公園づくりプロジェクト。1981年の創刊以来、地域の魅力や自然環境を守る大切さを発信してきた『BE-PAL』では、「公園からニッポンを変えよう!」を合言葉に、子どもたちの自由な遊びと学びにつながる公園づくりのアイデアを、誌面で展開してきました。

パルパーク・プロジェクトの事例第1号が、『BE-PAL』と北九州市が包括連携協定を結び、企画・整備・運営を進めている「山田緑地」です。山田緑地はかつて豊かな里山でしたが、戦前・戦中は日本陸軍、戦後は米軍が接収。1995年に北九州市所管の公園として開放されるまで、長らく一般の立ち入りができなかった、広大な山林と緑地です。

山田緑地の大きな特徴は、その歴史的な経緯から植林がされておらず、樹木の種類が非常に多い点です。里山の暮らしに活用されていた「有用植物」が豊富な環境であり、豊かな生態系が育まれています。動植物の観察に木登り、森の植物素材を用いた遊具づくりなど、子どもたちが自然の中で存分に遊び・学べる環境があります。

「山田緑地×パルパーク・プロジェクト」は、コンセプトの実践・運営に携わるスタッフを、地元で育成する仕組みづくりにもこだわっています。『BE-PAL』によるワークショップなどを通じてアウトドアスキルを学んだ地元の方々が、子どもたちの先生役や、イベント企画者・管理者として継続的に公園に関わっています。雑誌から生まれた企画が、地方創生にサステナブルな動きを生んでいます。

東京ドーム約30個分の広大な山田緑地。焚き火場づくりの様子
画像引用元:https://www.bepal.net/archives/56830

activity 02

小学館の地方創生・SDGsプロジェクト「ロコ・ラボ」

小学館が、1922年の創業以来磨き上げてきた 企画力・編集力・コンテンツ制作力を活かして、 企画の立案から実施までをお手伝いすることを目的とした 「地方創生企画ご相談窓口」が「ロコ・ラボ」です。 日本各地の「素敵なもの」を魅力あふれるコンテンツとして展開していくことで、地域の活性化に貢献。またSDGsの達成に向けた各種取り組みのプロデュース業務を行っています。

具体的には、雑誌や書籍・WEBサイトなどを制作する編集者の視点で 地域ならではの価値や魅力、可能性を掘り起こした企画を立案・プロデュースします。形態は、雑誌やWEB媒体でのタイアップ記事制作・掲載、オリジナル小冊子などのカスタム出版、動画制作、コラボ商品開発、イベント実施などさまざまです。

これまでの事例は多岐に渡っています。例を挙げると、『ドラえもん』を通じて、子ども向けにSDGsをやさしく伝える解説本の出版。また女性ファッション誌『CanCam』の人気専属モデルをフィーチャーした、「ネクストとうほくアクション」のコンテンツ制作など。小学館が持つさまざまな媒体や財産を活用したプロジェクトを展開しています。

詳しくはこちら
小学館の地方創生・SDGsプロジェクト「ロコ・ラボ」

ドラえもんによる児童書籍
『SDGsでつくるわたしたちの未来』

サステナビリティ活動におけるビジョン

出版物やメディアを通じてさまざまなサステナビリティ活動を進めています。各媒体の編集者たちが企画して、SDGsに関する自身のアイデアや思いを形にできる、総合出版社の小学館らしい取り組みと自負しています。一例を紹介します。

・ファッション誌『CanCam』
2020年秋より、雑誌の専属モデル/女優を起用した連載「トラウデン直美と考える私たちと『SDGs』」をスタートしています。
・ファッション誌『Oggi』&美容誌『美的』
チャリティキット購入で自動的に100円の苗木代が寄付される「美森プロジェクト」を、フランスのビューティーケアブランドとのコラボ企画で進めています。
・ライフスタイル誌『DIME』
2021年5月より、SDGs関連特設ページを展開。さまざまな企業や自治体のサステナブル取り組み事例を紹介しています。
・アウトドア誌『BE-PAL』
「SDGsの考え方のベースには、自分たちが愛する自然がある」という立場から、「ぼくらにできるSDGs」という大特集を展開しています。

そのほか『ムズカシそうなSDGsのことがひと目でやさしくわかる本』など、SDGs関連書籍を各種出版しています。

小学館の雑誌『美的』『Oggi』による「美森プロジェクト」

サステナビリティな人

2016年に「パルパーク・プロジェクト」を企画立案・スタートしたのは、当時の『BE-PAL』編集長である大澤竜二さんです。

「『日本の公園は禁止事項が多すぎる』という問題意識があり、『子どもたちがもっと自由に遊べる、理想の公園をつくりたい!』という雑誌連載を始めました。それが『パルパーク・プロジェクト」です。記事を見てアプローチしてくださったのが、福岡県の北九州市です。北九州市は、もともと市民の暮らしやすい街づくり・公園づくりに注力している自治体。『公園の市民利用促進』という見地から、山田緑地の活用についてご相談をいただきました」(大澤さん)

大澤さんは山田緑地を現地視察して、ひと目で「理想的な環境」だと感じたそうです。

「豊富な樹種が育む、豊かな生態系。水脈が流れ、高低差のある地形。それでいて市街地からも近く、管理状態が良好。素晴らしい点は数多くありましたが、山田緑地は原自然ではなく、もともと人の手によって維持されていた自然=里山なのが面白いところです。緑地内に自生する有用植物で道具を作り、間伐材で遊び場を作り、木を薪にして火を起こし、焚き火を中心に人の輪ができる。さまざまな『人の営み』から森林維持サイクルを体感でき、子どもの学びと遊びをさまざまな方向に展開できる場所が山田緑地だと思いました」

こうして『BE-PAL』と北九州市が手を取り合い、公園づくりがスタート。大澤さんは、雑誌編集を通じて知り合ったさまざまな職種の方に協力を依頼して、土地の特徴を活かした公園コンセプトと、詳細な設計図を立案しました。中でも「焚き火ゾーン」は、パルパークの大きな特徴です。

「多くの公園では焚き火禁止ですが、木と同じく、火も人間の営みに欠かせないもの。『危ないから』と子どもを遠ざけるだけじゃなく、火との付き合い方を安心して学べる『火育』の場が必要だと思いました。焚き火の体験は、エネルギーや人類の進化など、さまざまな学びにつながります」

大澤さんと『BE-PAL』編集部は、パルパーク・プロジェクトと並行して、総延長230㎞の「山陰海岸ジオパークトレイル」や、宮崎県えびの市でのキャンプイベントなども展開しています。雑誌を起点として、「自分たちが楽しいと思うこと」を軸に、地方創生や自然学習につながるさまざまな機会を創出してきました。

「今後やってみたいことは、障がいのある人とそうでない人が、一緒にアウトドアを楽しめるような場所づくり。どんな人も自然を感じながら遊べる空間が、社会には必要だと思います。編集者たちのアイデアや、出版物のパワーを使って、いろんなやり方で社会課題解決に取り組んでいけるのが小学館や出版社の仕事。面白い本・面白い雑誌をつくるのはもちろんですが、その先にあるものを形にしたい。本づくりを起点とした幅広いクリエイティブで、世の中に必要とされる仕事に挑戦できるのが、編集という仕事の面白さだと思います」

【第二ブランドメディア局 チーフプロデューサー/大澤 竜二】
もともと自然が大好きで、学生時代はロッククライマーでもあった大澤竜二さん。
小学館では『小学一年生』編集部などを経て、のべ約20年間『BE-PAL』に関わっています。

※本ページ内の掲載内容は2023年5月24日時点のものです。

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