日本郵船株式会社

  • ESG
  • SDGs
  • 再生可能エネルギー
  • ゼロエミッション
  • DX

業種:運輸・倉庫/海運 本社:東京都

~私たちの使命、それは物流を止めないこと~
グローバルな総合物流企業として、「海・陸・空」の全輸送モードを網羅した多彩な輸送サービスを世界中で展開しています。

サステナビリティ活動の事例

activity 01

業界に先駆けて掲げたゼロエミッション「NYKスーパーエコシップ2050」

日本郵船は、株式会社MTI*1、Elomatic社と共同で、未来のコンセプトシップ「NYKスーパーエコシップ2050」を打ち出しました。船体の軽量化や燃料電池を利用した電気推進により、約70%のエネルギー量を削減するとともに、燃料に再生可能エネルギー由来の水素を使用することでCO2排出ゼロ=ゼロエミッションを実現するものです。
これは、実現すべき将来に向けて長期的な要素技術の動向を検討し、取り組むべき技術のロードマップを示す、いわば未来への航路図です。日本郵船は2009年に「NYKスーパーエコシップ2030」を発表し、CO2排出を69%削減する未来構想を打ち出しました。そこで提示された新技術や仕組みは、すでにいくつかの船に導入され実用化が進んでいます。そして2018年、日本郵船はより長期的な視点に立ち、さらに進化したコンセプトシップ、「NYKスーパーエコシップ2050」を発表しました。日本郵船は未来実現に向けたチャレンジをし、さらなる進化を目指しています。

  1. 日本郵船株式会社の技術研究開発を担う戦略的子会社

未来のコンセプトシップ「NYKスーパーエコシップ2050」

activity 02

脱炭素に向けたエネルギー分野への挑戦

エネルギーは暮らしに必要不可欠ですが、すべての産業で脱炭素が問題となっています。今後はサスティナブルな社会に向けて、環境負荷の低いエネルギーの導入が急務です。日本郵船は、長年蓄積してきた知見や技術力および、グローバルなネットワークを活用し、低炭素・脱炭素推進だけでなく、将来の脱炭素社会に向けたバリューチェーン構築に向けて動き始めています。
近年、高効率化の観点から海上に設置する洋上風力発電が着目されていますが、日本では技術的知見・実績が乏しいため、日本に根差したグループの海上や船舶に関するノウハウを集結・欧州パートナーと協業することにより、日本の洋上風力発電をけん引しています。
また、燃焼してもCO2を排出しない「カーボンフリー(脱炭素)」のアンモニア燃料の研究や、エネルギーに変換したときにCO2を排出しない水素燃料を用いた水素燃料電池船の開発や、水素燃料の供給を伴う実証運航の日本での初試験を予定しています。世界初の国際間サプライチェーン実証の開始など、水素社会の実現に貢献していきます。

船舶の燃料転換ロードマップ

サステナビリティ活動におけるビジョン

当グループは、2018年3月に発表した中期経営計画にて、ESG*2の経営戦略への統合を明示しました。これからも社会や産業から必要とされる「Sustainable Solution Provider」を目指し、グループ社員一人ひとりが「経済性(Economy)のモノサシ」に「ESGのモノサシ」を加えることからはじめています。「ESGのモノサシ」で徹底的に考え抜いたうえで、当グループが社会から必要とされる存在であり続けるために必要だと判断すれば、長期的な視点で、経営資源(ヒト・モノ・カネ・データ)を重点的に投入します。その結果、当社グループの企業価値が向上し、事業基盤のさらなる強化が図れると考えています。
当社グループが取り組むESG課題を抽出し、具体的な目標を掲げ、より一層の行動を促すために社長をトップとするESG経営推進体制を整え、ESG経営推進委員会を設置。全社方針や目標の設定とともに、各本部が策定するアクションプランの進捗確認など、ESGに関わる幅広いテーマの討議・審議を行い、経営会議や取締役会へ報告しています。
これからも社会から必要とされる企業グループであり続けるために社内変革を推進していきます。

  1. :持続可能な世界の実現と企業の長期的成長に重要な環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの観点。

ESG経営が目指すもの(https://www.nyk.com/esg/concept/goals/

サステナビリティな人

LNGグループ 関屋景(けい)
タンカーグループ 栗原雄介
グループ経営推進グループ 小笠原崇

フェアトレード製品の海上輸送をSNSで発信。
関わる人の温もりが伝わる「想いの物流」

イノベーションをリードする人材育成のため、日本郵船が社内に創設した「NYKデジタルアカデミー」。2020年10月~21年3月の第3期アカデミーから生まれたのが「想いの物流」プロジェクトです。
プロジェクトのメンバーは、LNGの分野や新規事業開発に長く携わってきた関屋景さん、タンカーグループの海上職として、入社以来の多くを船上で過ごしてきた栗原雄介さん、現在は管理部門で、国内のグループ会社との橋渡し役を務める小笠原崇さんの3名。部署もキャリアも異なる3名の社員が、アカデミーの演習プログラムを通じて出会い、プロジェクトをスタートさせました。その取り組みの第一歩が、フェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」とのコラボ。フェアトレードのチョコレートが、スイスから東京まで約22,000km、約1ヶ月をかけて船で輸送されてくる様子をSNSやオンラインイベントで発信しました。
「『チームが一番夢中になれるテーマに取り組もう』と、3人で熱く議論してたどり着いたテーマです。スタートにあたっては、日常業務では接点のない国際協力NGOジョイセフや学識者を含め、社内外でさまざまなヒアリングを重ねました」(関屋さん)
「『物流』には、生産者の想い、船員の想い、たくさんの人の想いが込められています。だけど複雑化・効率化するサプライチェーンの中で、私たち自身もそれを忘れがち。そこにある『人の想い』が伝われば、モノを作った人・運んだ人・売る人・消費する人、みんなの心に温かいものが宿るはず。『子ども達の世代のためにも、温かい世界を目指していきたいね』と三人で語り合ったのが出発点です」(栗原さん)
「SNSでの発信では、フェアトレードの生産の部分だけでなく、安全運航や輸送における環境配慮、物流に関わる人の労働環境や日常の姿などを、船上から届く写真とレポートで可視化しました。消費者に届くモノの背景にあるストーリーや、物流に関わる人の想いを伝えられたら」(小笠原さん)
チームの3名はそれぞれの業務の傍ら、次なるアクションを準備中。「想いの物流」プロジェクトの航海は、まだ始まったばかりです。

※本ページ内の掲載内容は2022年6月1日時点のものです。

日本郵船株式会社

  • ESG
  • SDGs
  • 再生可能エネルギー
  • ゼロエミッション
  • DX

業種:運輸・倉庫/海運 本社:東京都

~私たちの使命、それは物流を止めないこと~
グローバルな総合物流企業として、「海・陸・空」の全輸送モードを網羅した多彩な輸送サービスを世界中で展開しています。