株式会社大林組
- ウェルビーイング
- SDGs
- カーボンニュートラル
- スマートシティ
- DX
業種:メーカー/建設 本社:東京都
総合建設会社として国内外に事業展開するとともに、人間尊重企業として、社会への貢献、地球環境への配慮、さらに社員の個性も重視
activity 01
新しい時代の、森林と共に生きる街「LOOP50」の提案
森林と共に生きる街「LOOP50」は、日本の豊かな森林資源を最大限に有効利用し、持続可能性と魅力ある暮らしを両立する中山間地域の街を提案するものです。森の成長量に合わせて木を活用し、植栽→伐採→活用、の循環を適切に行うことで、豊かな森林を保ったまま木の恩恵を受け続けることができ、林業家の活躍の場を広げます。
建物は50年かけて成長した木を使って毎年1区画を増築。同時に50年が経過し住居としての役目を終えた1区画は解体し、街のエネルギー源として活用されます。
生活者15,000人を対象とした「LOOP50」は、森林資源を効率的に活用するために住宅や公共施設などを1ヵ所に集約。純粋木造の高さ120mのループ状の居住建物(ループ棟)とスパン100mのドーム型のエネルギーセンターで構成されています。毎年ループ棟の3ヵ所あるスリット(開口部)のどこかで常に増築・解体が行われ、建物の新陳代謝が図られます。
コミュニティの皆で森を大切にし、皆でその恩恵を受けるという、森林のそばに集まって住むからこそできるこの環境は、どこにいても仕事ができるようになってきた昨今では、ありえない話ではありません。新しい時代の、森林と向き合う方法のひとつの提案です。
森林資源によるエネルギー循環と木と共にあるコミュニティを
activity 02
注目の次世代エネルギー「水素」をつくる、とどける ―
グリーンエネルギー事業
大林組は、水素が未来社会の重要なエネルギー源の一つになると考えています。お客様の水素関連施設で取り組んだ安全性検証を皮切りに、施設の設計・施工を通じて水素関連技術の知見を深めてきました。そして、今、蓄積したノウハウや経験を活かし、国内外で自ら水素を製造するとともに、利用するまでを想定したサプライチェーンの構築に向けて実証事業を進めています。
大分県玖珠郡九重町では、2021年3月に地元の地熱発電開発会社協力のもと、既存の地熱発電施設に水素製造プラントを併設。CO2フリーな地熱電力で「グリーン水素」を製造し、試験供給を開始しました。地元の水素ステーション、企業の工場内FCVフォークリフトの燃料などに利用されています。また、大分県で開催された自動車レースでは、トヨタ自動車株式会社のレース車である「水素エンジンカローラ」の燃料にも採用されました。
ニュージーランドのタウポでは、地元企業と合弁会社を設立し、地熱由来のグリーン水素を製造しています。2021年12月には、燃料電池車向けに試験供給を開始しました。将来的には日本を含む海外への輸出事業に発展させることもめざしています。
大林組は、これらの取り組みを通じてグリーン水素の利活用を促進し、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
国内初、地熱でグリーン水素を製造、供給へ [大分県玖珠郡九重町]
大林組は、これまでも再生可能エネルギー事業の推進など環境に配慮した社会づくりに取り組んできました。それをより発展させ、さまざまな社会動向や大林グループを取り巻く事業環境の変化を捉え、経営基盤としてのESG*1や社会課題であるSDGsの達成への貢献を取り込み、大林グループ一体で「地球・社会・人」と自らのサステナビリティを同時に追求するため、2019年6月に「Obayashi Sustainability Vision 2050」を策定しました。
これまでは建設事業を中心とした取り組みにより、「低炭素・循環・自然共生」社会の実現をめざしてきましたが、本ビジョンでは、すべての人を幸福にする価値ある空間・サービスを提供する事業への深化・拡大を推進します。また、大林グループだけにとどまらず、サプライチェーン全体での共創により、「環境・社会・経済」の統合的向上をめざします。
そして2040~2050年の目標を「脱炭素」「価値ある空間・サービスの提供」「サステナブル・サプライチェーンの共創」と定め、アクションプラン、KPIを設定し取り組んでいます。
- 持続可能な世界の実現と企業の長期的成長に重要な環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの観点。
「Obayashi Sustainability Vision 2050」概要
株式会社大林組
ビジネスイノベーション推進室 担当課長
中村奈美
農業における「循環」に取り組み、人のあるべき姿を取り戻す
ビジネスイノベーション推進室で農業の事業化検証をしています。
大林組は、循環型農業を目指す未来構想「COMPACT AGRICULTURE」に取り組んでおり、これは、農業がもともと持っていた物質の循環機能を人工的に再現する、究極の地産地消を実現しようという構想です。具体的には、全自動の食糧生産工場と人間の生活エリアを共存させ、農作物の栽培に必要なあらゆる物質を循環させることを目指しています。
現在はインドネシアにある植物工場で、亜熱帯地域では栽培が難しいトマトなどの果菜類の栽培技術を確立し、事業化に向けた検証を行っています。
私はシンプルに「循環」というのが本来あるべき姿だと思っています。どの国でも自国内で生産され自国内で消費することができれば合理的なのではないでしょうか。どうすれば循環社会を実現することができるのか。私はそのキーポイントは生産と消費のつながりにあると考えていて、もっと勉強が必要な領域ですがチャレンジしていきたいと思っています。
※本ページ内の掲載内容は2022年6月1日時点のものです。