『ES(エントリーシート)』とは、
企業独自の履歴書のようなもの。
ほとんどの企業がESによる書類選考を行っており、
毎年数多くの就活生が苦労します。
最近ではインターン・キャリア選考でも
ESの提出を求める企業が増えてきており、
早期から対策しておく必要があります。
Q.就職活動で大変だったこと(複数回答可)
※キャリタス就活学生モニター調査(2023年10月)
最近ではインターン・キャリア選考でもESの提出を求める企業が増えてきており、早期から対策しておく必要があります。
就活生の多くが苦労するES。インターネット上の情報や書籍から書き方のコツやポイントを調べて、自分の学生生活に置き換えたアピール方法を考えるものの、なかなか上手く書けないことが多いようです。
そこで今回は就活生から寄せられたESについての疑問・悩みにお答えします!
ESの基本
- ✔ 数値化できるものは数字で表現しよう。
- ✔ 略字、話し言葉は使わない。誤字脱字にも注意しよう。
- 手書きの場合…
- ✔ 字の丁寧さ、文字の大きさ、行の傾き、行間字間 に注意しよう。
- ✔ スペース全体を使って、文字数制限の9割以上は埋めよう。
よく出題されるテーマ
自己PR
学生時代に力を入れたこと
(ガクチカ)志望動機
自己PR・ガクチカ 基本の構成
①結論 ②状況・目的 ③問題点
④具体的行動 ⑤結果
ストーリー調にした上で
『あなたらしさ』をアピールしよう!
※ポイント:自己PRとガクチカの違いは?
ー自己PR:あなたが企業にとってどのように貢献できる人物なのか
ーガクチカ:あなたが課題に対してどうやって取り組んでいく人物なのか(どのように成長するのか)
※ガクチカとは…「学生時代(学生生活)で力を入れたこと・がんばったこと」の略です。
志望動機 基本の構成
① 社会人になってどんなことがやりたいか?(目標、夢など)
② なぜ①のような想いを抱くようになったのか?(自身の経験から伝える)
③ その中でなぜその企業なのか?
④ その企業であなたの強みを活かしてどのようなことに挑戦したいのか?
実際に先輩が書いたESを使って、
「読まれるES」を見ていきましょう!
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〜Aさん(文系 サービス志望)〜
授業はサボりがちで、単位も足りていない。
また部活やサークルなどには一切所属しておらず、
休日は専らネットサーフィンかゲーム。
唯一やっていることといえば、もうじき1年になるコンビニでのアルバイトのみ。
〜Bさん (文系 マスコミ志望)〜
単位はギリギリ足りているが、必須以外の授業は出たり、出なかったり。所属しているテニスサークルは、テニスを楽しむサークルというよりも懇親会がメイン。居酒屋でのアルバイトは2年になり、趣味はカラオケやメイク、ファッションなど。どちらかというと遊びに一生懸命で、なんとなくの学生生活を送ってきてしまった。
〜Cさん (理系 メーカー志望)〜
授業態度は真面目で、成績も比較的優秀。アニメ研究会に所属しており、バイトは短期、単発でたまに。好きなことにはとことん打ち込めるが、それ以外は基本的に無関心。勉学には相応の自信があるが、大学院で何がやりたいこともないため就活を開始。
〜Dさん(理系 金融志望)〜
成績は比較的優秀で、留学経験もあり英語が得意。さまざまなスポーツに励んできており、主将も経験している。家庭教師のアルバイトをこなすかたわら、フットサルサークルとダンスサークルを掛け持ちしている。経験豊富であるが故に自慢気で多少「上から」。
ESは、書こうと思ってすぐに書き始められるものではありません。自己PRや志望動機を的確かつ端的に伝えるためには、十分に自己分析や企業研究をしておく必要があります。つまりとても時間のかかる作業なのです。
企業エントリーがスタートすると、イチから作業している時間はありません。比較的時間に余裕のある今のうちにしっかり準備しておきましょう。
そしてせっかく書いたESも、読まれないことには意味がありません。見た目、内容双方に気を配りつつ、読み手の立場になって、読まれるES作りを心がけてください。
キャリタス就活なら先輩が参加したインターンシップ・キャリアや本選考の体験談、ESなどのクチコミが見られるので、今のうちからチェックし、書類選考に備えましょう。
『ES(エントリーシート)』とは、
企業独自の履歴書のようなもの。
ほとんどの企業がESによる書類選考を行っており、
毎年数多くの就活生が苦労します。
最近ではインターン・キャリア選考でも
ESの提出を求める企業が増えてきており、
早期から対策しておく必要があります。
Q.就職活動で大変だったこと(複数回答可)
※キャリタス就活学生モニター調査(2023年10月)
最近ではインターン・キャリア選考でもESの提出を求める企業が増えてきており、早期から対策しておく必要があります。
就活生の多くが苦労するES。インターネット上の情報や書籍から書き方のコツやポイントを調べて、自分の学生生活に置き換えたアピール方法を考えるものの、なかなか上手く書けないことが多いようです。
そこで今回は就活生から寄せられたESについての疑問・悩みにお答えします!
ESの基本
- ✔ 数値化できるものは数字で表現しよう。
- ✔ 略字、話し言葉は使わない。誤字脱字にも注意しよう。
- 手書きの場合…
- ✔ 字の丁寧さ、文字の大きさ、行の傾き、行間字間 に注意しよう。
- ✔ スペース全体を使って、文字数制限の9割以上は埋めよう。
よく出題されるテーマ
自己PR
学生時代に力を入れたこと
(ガクチカ)志望動機
自己PR・ガクチカ 基本の構成
①結論 ②状況・目的 ③問題点
④具体的行動 ⑤結果
ストーリー調にした上で
『あなたらしさ』をアピールしよう!
※ポイント:自己PRとガクチカの違いは?
ー自己PR:あなたが企業にとってどのように貢献できる人物なのか
ーガクチカ:あなたが課題に対してどうやって取り組んでいく人物なのか(どのように成長するのか)
※ガクチカとは…「学生時代(学生生活)で力を入れたこと・がんばったこと」の略です。
志望動機 基本の構成
① 社会人になってどんなことがやりたいか?(目標、夢など)
② なぜ①のような想いを抱くようになったのか?(自身の経験から伝える)
③ その中でなぜその企業なのか?
④ その企業であなたの強みを活かしてどのようなことに挑戦したいのか?
実際に先輩が書いたESを使って、
「読まれるES」を見ていきましょう!
〜Aさん(文系 サービス志望)〜
授業はサボりがちで、単位も足りていない。
また部活やサークルなどには一切所属しておらず、
休日は専らネットサーフィンかゲーム。
唯一やっていることといえば、もうじき1年になるコンビニでのアルバイトのみ。
■字が乱雑&文字数が足りていない
誠意が全く伝わりません。適当に書いた感が否めません。ゆっくり丁寧に書くことを意識してください。また“制限字数の9割以上”は書くようにしましょう。手書きの場合は、内容と同じぐらい見た目が重要ですよ。
■結論から伝えられていない
ESの基本は、結論から伝えることです。一文目が感想文のようになってしまっているので、Aさんが本当に伝えたい強みや長所は何かをもう一度考えて、しっかり明記するようにしましょう。
■内容が抽象的で何を伝えたいのか不明瞭。構成を見直しましょう
最後まで読んでも、結局Aさんの強みが何なのかがわかりません。「自己PR・ガクチカ 基本の構成」で紹介した構成を見直して、基本に忠実に書くことを心がけましょう。
【自己PR】と【学生時代にがんばったこと】は、ストーリー調にするのがおすすめです。
今の内容では、ただ経験が羅列されているだけで、Aさんらしさが伝わりません。
『どんな問題』があって、それを『どのように乗り越えたか』、結果『どういった効果があったか』を明記できると、良くなりますよ。例えばコンビニでのアルバイトにおける問題として、一般的には下記が挙げられます。
・売上が上がらない ・スタッフの人手不足 ・やる気のないスタッフがいる
・万引きが多い ・接客が悪い ・スタッフ間の繋がりが弱いことによるミスの多発
他にもあるかと思いますが、アルバイトに取り組む中でどんな問題が発生したのかを一度整理すると、書きやすくなるでしょう。
■見た目が良くない
まず自己PR同様、字が雑です。さらに全体的に右上に偏っている、句読点がない、改行がない、余白が多いなどの理由から見た目が良くありません。書き終わったら、必ず第三者に見てもらうとよいでしょう。
■志望動機の構成を見直しましょう
そもそもの構成に問題があるので、一度整理する必要がありそうです。
上記で紹介した「志望動機 基本の構成」の4ステップを参考にして、改めて考えてみましょう。
■「品質を大事にしている」部分が不明瞭
『なぜAさんが品質を大事にしているのか』と『企業側が品質を大事にしている根拠』の2点が欠けています。前者については、一般論(=誰でも伝えられる話)になってしまっているため、自身の経験で、品質管理を徹底するに至った理由を明記した方が良いでしょう。後者については、「経営理念がそうだから」では非常に弱いです。セミナーやインターンシップなどで実際の話を聞いて、品質を大事にしていると感じた部分を明記しましょう。
■自己PRが曖昧なので、最後の締りも悪い
「コミュニケーション能力を活かして御社の品質を守っていきたい」とありますが、コミュニケーション能力と品質管理がどのように結びつくのかが不明瞭です。品質管理の業務理解も乏しいと思われてしまうので、適当に最後を結ぶのではなく、Aさんの強みと品質管理の業務をもう一度整理することをおすすめします。
〜Aさん(文系 サービス志望)〜
授業はサボりがちで、単位も足りていない。
また部活やサークルなどには一切所属しておらず、
休日は専らネットサーフィンかゲーム。
唯一やっていることといえば、もうじき1年になるコンビニでのアルバイトのみ。
①自己PR
企業に提出できるレベルになりましたね。
まず大きく変わったのは「字の丁寧さ」です。人事担当者は第一印象でも判断するため、字が汚いだけで読んでもらえない可能性があります。その点が今回はしっかり改善されているので、大きな進歩だと思います。ただしまだ字の大きさのばらつき等が見られるので、もう少し丁寧に書くことをおすすめします。
内容に関しても非常に分かりやすく、Aさんの素直さや明るさが見て取れます。しかし積極性という点では若干弱い印象は否めません。「大きな声や笑顔」は接客の基本なので、それを当たり前に徹底することも重要ですが、さらにそのもう一歩先として何か取り組んだことがあれば、読み手に対して積極性をPRできるので、他にどんな取り組みをしたか再度考えてみましょう。
②志望動機
こちらも字の丁寧さの改善により、一気に読みやすくなりましたね。
今後は「人に評価されている」ことを念頭に置いて、書類だけでなく面接やグループディスカッションでも気を抜かないようにして下さい。内容面ですが、実体験を元に書かれているので説得力があり、伝わりやすいと思います。①で書いた自己PRとも整合性があり、「常に現場目線で、お客様のことを考えて働きたい」との想いがひしひしと伝わってきます。
ただし1点指摘すると「他者とどのように関わるのかが①②を通して見えない」ことになります。今後総合職として働く場合は、店長やアルバイトの方をマネジメントしなければならないと思いますが、その部分でAさんに適性があるかが見えにくいので、①もしくは②で他者と一緒に取り組んだ経験等が書けるとさらに一貫性が出て良くなりますよ。
〜Bさん (文系 マスコミ志望)〜
単位はギリギリ足りているが、必須以外の授業は出たり、出なかったり。所属しているテニスサークルは、テニスを楽しむサークルというよりも懇親会がメイン。居酒屋でのアルバイトは2年になり、趣味はカラオケやメイク、ファッションなど。どちらかというと遊びに一生懸命で、なんとなくの学生生活を送ってきてしまった。
■見た目のバランスがおかしい
文字数もやや少ないように感じますが、それ以上に文字の大きさがマチマチ、傾いている行がある、余白が多いなどの理由から全体的に見にくい印象を受けます。
一度下書きをしてみるとよいでしょう。
■強みがあまりに抽象的で曖昧かつ証明できていない
「コミュニケーション能力」はあまりに広義な言葉なので、読み手によって捉え方が変わってきます。重要なのは、「コミュニケーション能力」の中でも何をアピールしたいのかです。相手の話を聞く力なのか、自分の考えを伝える力なのか、もう一度整理してみましょう。ちなみに「笑顔」や「挨拶」は強みではなく、基本です。Bさんのコミュニケーション能力を証明するエピソードがないか、振り返ってみてください。
■全体を通して事実が淡々と描かれているのみで、人柄が見えない
単なる経験を羅列するのみだと、ただの自慢に聞こえてしまいます。
それを防ぐために、【1:ストーリー調】、【2:自分の想い】、この2点を意識してください。
まず【1:ストーリー調】について、上記に記載した「自己PR・ガクチカ 基本の構成」の5段階が基本で、特に③問題点、④具体的行動が重要です。アルバイトに取り組む中で何か課題や問題点はありませんでしたか?
他のアルバイトがすぐに辞めてしまう、売り上げが上がらない、クレームが多いなど、熱心に取り組んだのであれば、必ずそういったマイナスの出来事があったはずなので、その事実とどう改善に動いたのかをしっかり明記しましょう。次に【2:自分の想い】について、『問題について何を思ったか?』、『何を考え改善に動いたのか?』
などを盛り込むと、Bさんらしさが伝わると思います。
■ネガティブな表現、話の流れは避ける
「テレビ、インターネットなど嘘の情報が多く」とありますが、マスコミ志望者のはずなのに、業界に対してネガティブな印象を持っているように見えます。
仮にテレビ局にこのESを送ったら、人事担当者は“この子はテレビが好きなんだな”と思う人よりも、“嫌いなんだな”と思う人の方が多いはずです。
例えば、【テレビは嘘が多い⇒自分は嘘が嫌い⇒入社して本当の情報を発信したい】よりも
【嘘が嫌い⇒本当の情報を発信したい⇒その方法としてテレビが最適】という流れの方が好印象なのは間違いないでしょう。またこういう書き方をすると物事を一方的に見てしまい、冷静にさまざまな意見を聞く力がない印象を与えてしまう恐れがあるので控えましょう。
■志望動機の正しい構成を身につけよう
上記で紹介した「志望動機 基本の構成」の4ステップを参考にしてください。
今回は特に③その中でなぜその企業なのか?が書かれていないので、自分の考えをしっかりと考えて盛り込みましょう。
■経験談があまりに抽象的かつ不明瞭
「友達に嘘をつかれてすごく悲しい想いをしました。」というエピソードは、学生にしては幼く、プライベートすぎるのと同時に、抽象的で何も伝わってきません。例えば、『誤った情報によって、自分自身が取り組んでいるアルバイトやサークルで支障があった経験』のような表現に変えることをおすすめします。
■やはり強みが曖昧
自己PRと一貫性を持たせるという意味では評価できますが、やはり強み自体が曖昧なので、どのようにそれを活かせるのかが読み手に全く伝わりません。また志望動機に自身の強みを添える場合は、どのように活かすことができるのかを具体的に明記できた方がよいでしょう。そのためにはより一層の企業研究が必須です。
〜Bさん (文系 マスコミ志望)〜
単位はギリギリ足りているが、必須以外の授業は出たり、出なかったり。所属しているテニスサークルは、テニスを楽しむサークルというよりも懇親会がメイン。居酒屋でのアルバイトは2年になり、趣味はカラオケやメイク、ファッションなど。どちらかというと遊びに一生懸命で、なんとなくの学生生活を送ってきてしまった。
①自己PR
ナンバリングをしたことで、ひと目で何をしたのかがわかりますね。字体としても非常に丁寧な印象を受けるので、人となりが想像しやすいと思います。内容面でも書類段階では特に問題ありませんので面接に進んだ際にしっかりと答えられるように準備をしておきましょう。
その中で最も気になるのが、「なぜスタッフやお客様のことを考えたときに、ありがとうカードや接客選手権開催に繋がったのか」という点です。元々売上が下がっていた原因としてお客様からのクレームと書いてありますが、なぜクレームとなってしまうほどの接客をスタッフがしていたのかという根本的な原因を考えなければ、具体的行動2点には繋がらないはずなので、その部分をしっかり見直すことをおすすめします。
②志望動機
こちらも字体が見やすいので、本気でこの企業を志望している感じが伝わりますね。いくら強い志望動機があったところで、字の丁寧さや見やすさで判断されてしまうところもあるので、引き続きこのクオリティを維持したまま書いてくださいね。
内容面ではBさんの経験は伝わりやすいのですが、「なぜその企業なのか」が弱い印象を受けます。字数の関係で難しい部分はあるのですが、テレビとラジオ双方を扱っている企業は他にもありますので、例えばBさんが目指すメディアの方向性とその会社が合致している等、付け加えられるとさらに良くなると思いますよ。
〜Cさん (理系 メーカー志望)〜
授業態度は真面目で、成績も比較的優秀。アニメ研究会に所属しており、バイトは短期、単発でたまに。好きなことにはとことん打ち込めるが、それ以外は基本的に無関心。勉学には相応の自信があるが、大学院で何がやりたいこともないため就活を開始。
■一文目にはPRしたいことを結論から
一文目に「大学の研究」とありますが、自己PRは“その人がPRしたい姿勢や性格”などを聞いているので、それをダイレクトに明記しましょう。もちろん「大学の研究」などの『経験』を伝えることが、間違いというわけではありませんが、文章の最後に「継続する努力する力」とあるように、Cさん自身の姿勢や性格などをまずは伝えて、それが最も発揮された経験として大学の研究を伝える流れがいいと思いますよ。
(表現として、正しくは「継続して努力する力」ですね。)
■強みが証明できていない
「継続して努力する力」をPRするとき、今の文章では抽象的で読み手にそれが伝わりません。「土日も含めて毎日~」の部分が継続する部分に当たるのかもしれませんが、より伝わりやすくするためには、“具体的にどんな苦労があって、それをどのように乗り越えたのか”を書けるとよいでしょう。
■できれば個人プレーより組織での行動を明記
企業で働くということは、組織で働くことがメインとなります。故に周囲とどのように関わるのかという点は、人事担当者にとっても重要な指標ですので、できれば登場人物に自分以外の人間が複数名いた方が評価としては高いですね。特に理系の方は研究や制作活動などを一人でもくもくと取り組んでいるイメージを持つ人も多く、 企業担当者としては、多くの人が関わる組織の中でも活躍できるかどうかを知りたいので、それをカバーできる経験があると理想です。
■ファン目線はNG
就活生に多い間違いとして、『ファン目線』で書いてしまうことが挙げられます。実際の仕事は楽しいことだけでなく大変なことも多いので、人事担当者からすると『実際の仕事を知ったら嫌になるんだろうな』と疑われてしまいます。もちろん業界や企業を見る“きっかけ”として、好きや嫌いの判断軸を持つことは全く問題ありませんが、 『好きだから』という理由だけで志望動機を伝えると、評価としてはあまり良くないので、十分気をつけましょう。
修正に際してのアドバイスとして、まずは上記で紹介した「志望動機 基本の構成」の4ステップをもとに書いてみましょう。
① 社会人になってどんなことがやりたいか?(目標、夢など)
② なぜ①のような想いを抱くようになったのか?(自身の経験から伝える)
③ その中でなぜその企業なのか?
④ その企業であなたの強みを活かしてどのようなことに挑戦したいのか?
現在の内容だと、①②については触れられていませんが、ここを伝えることはとても大事です。
③はESレベルではどうしても他の就活生と似てくるので、④で自分ならではの強みを明記することで、あなたならではの志望動機になるので良くなりますよ。
〜Cさん (理系 メーカー志望)〜
授業態度は真面目で、成績も比較的優秀。アニメ研究会に所属しており、バイトは短期、単発でたまに。好きなことにはとことん打ち込めるが、それ以外は基本的に無関心。勉学には相応の自信があるが、大学院で何がやりたいこともないため就活を開始。
①自己PR
強みが非常に伝わってくる良い文章になりましたね。字も達筆ですし、Cさんらしさが伝わる内容だと思います。ただし「個人」での話が中心になっているので、できれば最後の部分にある「リーダーとして周りをまとめた経験」をフォーカスして書いた方が、評価として良くなる可能性があります。リーダーとしてまとめる中での苦労や困難をどのように乗り越えたのかという点は興味をそそる内容になると思うので、一度検討してみて下さい。
②志望動機
こちらは内容として非常に分かりやすいですね。健康に関わりたいという強い思いが、Cさんの経験から伝わってきます。ただし書類としては問題ないのですが、どうしても気になるのが「医療にダイレクトに関わる業界にはいかないのか」という点です。自己PR内の研究内容からも医療(製薬業界等)に興味があることが非常に伝わるので、だからこそなぜ食品なのかが気になる点です。(現状の内容でもお父様の介護が起因していると書かれてはいますが、さらに突っ込まれたときの場合)曲がった見方をすると、「医療関係が第一志望だけど、近い業界だから食品業界をとりあえず受けているだけではないのか」と疑われてしまうので、面接の際はなぜ食品業界なのかをしっかり答えられるように準備しておきましょう。
〜Dさん(理系 金融志望)〜
成績は比較的優秀で、留学経験もあり英語が得意。さまざまなスポーツに励んできており、主将も経験している。家庭教師のアルバイトをこなすかたわら、フットサルサークルとダンスサークルを掛け持ちしている。経験豊富であるが故に自慢気で多少「上から」。
■文字数オーバー&バランスが悪い
文字数は必ずカウントしてください。100文字程度オーバーしています。故に前半と後半で文字の大きさ、字間などが異なり、見た目が良くありません。400文字以内の場合は、360~400文字が理想ですね。
■経験が多すぎて、何を伝えたいのかが不明瞭
バレーボール部、バスケットボール部、サッカー部、フットサルサークル、ダンスサークル、カナダ留学と一つの設問にこれだけの経験を盛り込むのは、あまりお勧めできません。単なる自慢と思われてしまうので、大学または高校の経験の中で自信のある内容を一つまたは二つに絞り、その経験を具体的に述べることをおすすめします。
■評価が分かれやすいPR内容は避けるべき
「多くのスポーツに従事していた」ということが文頭に書かれておりますが、これは読み手にとっては『様々なことに挑戦している』と好評価を受ける可能性もある一方で、『一つのことに専念して取り組むことができない』と低評価を受けてしまう可能性もあります。読み手によって評価が分かれやすい内容はできる限り避けたほうがよいので、自身のどんな強みや長所をPRしたいのか、再度整理してみましょう。
■説得力がない
例えば食事会を開いただけで本当に退部率は下がり、チームを全国大会まで導けるでしょうか。退部の一番の要因が何で、その解決策としてなぜ食事会という手法を採ったのか、さらにその際部員たちをどうフォローし、全国大会に出場するまでの実力とマインドを養ったのか、それらを記載することで、説得力のあるエピソードに仕上げましょう。
■責任転嫁している節がある
表現の問題もあるかとは思いますが、今の文章では全国大会に負けたのはチームメイトのせい、意図がうまく伝わらないのは生徒のせい、にしているように受け取れるので注意が必要です。
■結論から伝えられていない
聞かれている質問には、結論から的確に答えましょう。 最初の一文が聞きたいこととずれていると、以降の文章を読んでもらえない可能性があります。
■志望動機の構成を再度見直しましょう。
どの企業でも書ける内容になっているので、志望度が全く伝わりません。
再度構成を見直す必要があるので、上記で紹介した「志望動機 基本の構成」の4ステップを参考にして整理してみましょう。
■上から目線になっている
「正当に評価してもらえる企業で働きたい」とありますが、これだと今まで正当に評価されていなかったという意味に思われる可能性があります。もしそれが事実であっても、『この学生は周りが正当に評価してくれないと不満に思っており、自分はしっかりできていると勘違いしているのではないか』と疑われてしまうので、表現に注意しましょう。例えば「若くても新しいことにどんどんチャレンジさせてくれる企業で働きたい」とポジティブな表現に変えるだけでも印象は違いますよね。
■敢えてネガティブなことは書く必要はない
「専門知識やビジネス会話が無い」とありますが、そのようなことは当たり前なので、敢えて伝える必要はありません。これも表現の仕方一つで印象が変わるので、例えば「自分の吸収力を活かしてどんな仕事にも積極的に挑戦し、専門知識の習得はもちろんのこと、多くの経験を積むことで貴社やお客様に貢献できるように努めたい」のようになると良いですね。
〜Dさん(理系 金融志望)〜
成績は比較的優秀で、留学経験もあり英語が得意。さまざまなスポーツに励んできており、主将も経験している。家庭教師のアルバイトをこなすかたわら、フットサルサークルとダンスサークルを掛け持ちしている。経験豊富であるが故に自慢気で多少「上から」。
①自己PR
非常にリーダーシップのある方だなという印象を受けますね。なかなかここまでの経験をされている方は少ないので、企業にとっても欲しい人材と思われるでしょう。経験が強いからこそ、面接でも様々な話に盛り上がることと思います。ただし具体的行動が抽象的です。Dさんとお会いしたことがないからこそ、「徹底的に議論」すると言っても本当にそれだけで対立が収まるのかが疑問です。まだお会いしたことがない方に見てもらう書類の段階では、できる限り具体的に明記することをおすすめします。
②志望動機
成長意欲があり、厳しい環境でも乗り越えていける方という印象を自己PRと合わせて伝わってくる内容ですね。またナンバリングをしているので、ひと目でなぜその会社を志望したのかがわかる内容で読みやすいと思います。
ただし内容面で指摘すると、金融業界やその企業で具体的にどんな仕事に取り組みたいのかが書かれていないので、「グローバル×専門性」というだけで選んだ印象を受けます。もちろんそれも重要な要素ではありますが、金融業界またはその企業でどんなことに取り組みたいのかを少しでも盛り込めると、より説得力があって良い内容になりますよ。
読まれるESを書くコツは、一言でいえば、『読み手の立場になって、どういったESなら読みたくなるか、面接で会ってみたくなるか』を意識して書くということで、そんなに難しいことでもありません。
今のうちから、書類選考で落ちてしまうことのないよう、しっかり準備しましょう。
キャリタス就活なら先輩が参加したインターンシップ・キャリアや本選考の体験談、ESなどのクチコミが見られるので、今のうちからチェックし、書類選考に備えましょう。