電気設備工事ってどんな仕事?
スイッチ一つで、私たちの暮らしを明るく照らしてくれる電気。社会インフラとしてはもちろん、近年では太陽光・風力発電など、再生可能エネルギーとしても注目を集めています。しかし、私たちが日々使う電気がどこからきて、どのように設置・管理されているのかは意外と知られていません。電気は発電所でつくられた後、いくつもの変電所を経由して次第に電圧を下げ、配電線を通して私たちの街に運ばれます。そうして住宅やオフィスビル、商業施設、鉄道など、人々が生活を営むあらゆる場所に供給されます。この仕組みを維持するために電気設備工事業界は必要不可欠な存在で、電気という社会の最重要インフラを支えています。あなたも人々の暮らしを支えながら未来に明るい光を灯す、電気設備工事の仕事に挑戦してみませんか。
主な電気設備工事の種類
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内線工事
- 電柱から建物に届いた電気を、コンセントやスイッチを通じて使用できるようにします。照明をはじめとする電化製品の提案や施工なども行います。
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情報通信工事
- 電話やインターネット、防犯カメラ、火災報知器など、建物の通信インフラやネットワーク環境を構築します。快適で安全な環境づくりに不可欠な工事です。
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鉄道電気工事
- 電車や駅に電気を送るための架線や変電設備の設置・保守・修理を行います。線路上の信号や列車制御システムを設置し、鉄道の安全・安定輸送を支えます。
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送電線工事
- 発電所や変電所から、電柱へ電気を送る工事です。電柱や変圧器の新設・吊り替え、電線の張り替え・補修などを行います。
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プラント工事
- 工場・生産設備の電気配線や電気機器などの設計・設置やメンテナンスを行います。設備の制御のための計装工事や発電所から電気を受け取る受変電設備、照明など電気に関わるすべてに対応します。
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太陽光・風力発電工事
- 太陽光パネルや風力タービンなど、再生可能エネルギー設備の建設・設置作業を行います。土地調査や基礎工事、電気設備の取り付けなどを通じて、クリーンで持続可能な電力の創出に貢献します。
電気設備工事の
ココが魅力
一言で「電気設備工事業界」と言っても、その仕事は多岐にわたります。工事の種類によって必要な知識・スキルは異なり、国家資格が必要な仕事です。実務や資格の勉強を通じて確かな実力を身につけることで、その道のスペシャリストを目指すことができます。
自然災害が多い日本において、電気は災害時にも頼れるインフラです。水やガスに比べて復旧が早く、被災地の暮らしに一早く安心を届けることができます。万が一、電線の切断により停電が起きた場合は、電気設備工事会社の出番です。非常時の復旧作業を通じて、日本で暮らす人たちの安心・安全を守る仕事でもあります。
地球温暖化の防止や環境保全への意識が高まる中、電気設備工事業界でもCO2削減や省エネを目的とした設備工事の需要が高まっています。太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーの普及を通して持続可能な社会の実現に貢献できることも、この仕事の大きな魅力です。
電気設備工事の
仕事の流れ
「電気設備工事」と聞いて、現場で働く職人の姿を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、電気設備工事の仕事は、現場施工だけではありません。受注から竣工まで、さまざまな分野のスペシャリストが協力し、一つのプロジェクトにチームワークで取り組んでいます。
- 営業
- クライアントに自社の実績や強みをアピールし、民間工事や公共工事の受注活動を行います。
- 企画提案
- クライアントの希望をヒアリングし、自社の技術力を活かした提案を行います。
- 設計
- 決められた予算内で、CADなどを用いて設計図を作成します。
- 積算・見積
- 設計図をもとに、材料費や人件費、運搬費など、工事全体のコストを算出。見積書を作成します。
- 契約
- 見積金額をクライアントに提出。合意が得られたら契約書を交わします。
- 施工
- 現場の技術者が、施工図をもとに工事を開始。
進捗に合わせて職人や資材の手配を行いながら、安全かつ滞りなく工事を進めていきます。 - 検査
- 配管・配線、器具付けなど、工程ごとに進捗状況を確認。
設計図通りに施工が行われているか検査します。 - 竣工・引き渡し
- クライアントによる竣工引き渡し検査が行われます。
無事、合格したらクライアントに機器の取り扱いを説明し、物件を引き渡します。 - アフターサービス・
メンテナンス - 引き渡し後も電気設備に故障や問題がないか、定期的なメンテナンスを実施。
長期的なサポートにより、建物の管理・維持に貢献します。
- 施工管理
- 直接的には施工に携わらず、現場の管理業務を行います。具体的には、施工計画や施工図の作成、工程管理、品質管理、安全管理などに携わります。また、クライアントや設計者と打ち合わせをする機会も多く、クライアントの要望を引き出すコミュニケーション能力や提案力が求められます。
- 現場施工
- 専門的な知識・スキルを活かし、さまざまな現場で実際に工事を行います。他の職人と相談・協力しながら作業を進める場面も多く、周囲と協力しながら柔軟に対応する力が求められます。自身の担当領域はもちろん、建物全体の工事方法や工程についてもしっかりと把握しておく必要があります。
資格を取得し
プロフェッショナルを目指す
プロフェッショナルを目指す
電気工事の仕事には、さまざまな資格が求められます。資格取得を通し、確かな知識とスキルを身につけることで、自ら活躍の幅を広げていきましょう。
- 第二種電気工事士
- 一般住宅などの電気工事に従事するために必要な知識と技能を測ります。
- 第一種電気工事士
- マンションやビルなど、大きな建物の電気工事に必要な資格。電気工事の実務経験と学科試験により取得できます。
- 認定電気工事従事者
- 第二種電気工事士が、大きな建物でのコンセントの設置や照明の工事などの簡易工事を行う際に必要となります。
- 2級電気工事施工管理技士
- 1級が主任技術者・監理技術者として大規模な現場を取り仕切れるのに対し、2級は主任技術者として小〜中規模の現場責任者を務めることができます。
- 1級電気工事施工管理技士
- 施工計画の作成をはじめ、現場における工程・品質・原価・安全などの施工管理を行います。現場において施工技術の指導的な役割を担います。
- 第三種電気主任技術者
- 電気設備の工事や保守・運営の監督を務めるために必要な資格。
- 消防設備士
消防設備士甲種第4類・乙種第7類 - 自動火災報知設備の工事と整備・点検が甲種第4類で、漏電火災警報器の整備・点検が乙種第7類でできます。
- 電気通信の工事担任者
- 電話工事の監督責任者を務める際に必要となる資格。
- 電気通信主任技術者
- 電気通信ネットワークの監督責任者として、工事や維持、運用を行うための資格。電気通信ネットワークの高い知識が求められます。
- 電気取扱者
(低圧、高圧・特別高圧) - 感電などの労働災害を防止するための特別教育。規定時間の講習を受けることで取得できます。
- 職長・安全衛生責任者
- 現場で指揮・監督を行う「職長」になるために必要な資格。また、「安全衛生責任者」として現場の安全を管理します。
- 高所作業車運転者
- 高所での工事や点検といった、高所作業用の車両を運転する際に必要な資格。
- エネルギー管理士
- 工場などにおける燃料や電気などのエネルギー使用料の監視や改善を行うための資格。
- 特殊電気工事資格者
- 非常用発電装置やネオン工事といった、特殊な電気工事を行う際に必要な資格。
- 玉掛作業者
- クレーンなどに荷物を掛け外しする際に必要な資格。
- 車両系建設機械運転者
- パワーショベルやブルドーザーなど、3トン以上の建設機械を運転・操作するために必要な資格。地中に電線管を埋める際などに活躍します。
- クレーン・デリック運転者
- 建築現場で釣り上げ荷重が5トン以上の各種クレーンやデリックを運転する際に必要な資格。
- アーク溶接作業者
- アーク(火花)を発生させ、その熱を利用して溶接するアーク溶接作業に必要な資格。
- 研削といし取替試運転作業者
- 金属などを切断するために使用するグラインダーの刃を交換するための資格。
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