インターンシップ・仕事研究参加への対策PART2 エントリーシートの書き方
インターンシップ・仕事研究公開日:2023.03.01

※この記事は2023年3月1日時点の内容です。
三省合意のインターンシップ等の区分はこちら
キャリタス就活におけるインターンシップ等の区分はこちら
PART2
選考を通過するエントリーシート(ES)の書き方

株式会社採用と育成研究社 代表
みなさん、こんにちは。採用と育成研究社の小宮健実です。
今回は、インターンシップ・仕事研究の選考に参加する皆さんに、エントリーシートの対策についてお話しします。
エントリーシートは、今後就職活動でも作成することがあると思います。対策の基本は変わらないので、その際にもきっと参考になると思います。
また、エントリーシートは通常の作文と違い、「相手が知りたいこと」に応じるように書くことが大切です。そうしたスキルは、生涯にわたって役に立つと思います。ぜひこの記事を読んで、コツをつかんでください。
エントリーシートの課題は企業によって異なる

エントリーシートとは書類選考に用いる書類のことで、履歴書に近いものから、小作文を書かせるものまで、その形式は企業によって様々です。 また、エントリーシートにどんな内容を書かせるのかも、全く異なっています。
そこで今回は、その中でも多くの企業で課題になる「志望動機」と「学生生活で力を入れて取り組んでいること」を書く際に大切なことをアドバイスしたいと思います。
ちなみにどんな課題であっても、誤字や脱字、(指定文字数に対して)極端に少ない文字数しか書かないなどといったことは避けなくてはいけません。
そうしたことに気を付けた上で、作文とエントリーシートの違いについて意識をしながら文章をつくる必要があります。
作文とエントリーシートの違いとは?

作文とエントリーシートの大きな違い、それは「読み手が何に注目しているか」です。
作文の場合には、文章がうまいか下手かが評価の対象になるでしょう。エントリーシートの場合には、文法的に間違っていなければ、文章のうまさはそれほど問題ではありません。企業は、作家になれる人を選んでいるわけではないからです。
では、より注目していることは何かというと、「あなたがどんな人か」ということになります。それをもう少し具体的に言うと、例えば以下のようなことになります。
- ・あなたの興味:どうして自社に興味を持ったのか?
- ・あなたの普段の行動:普段どんなことに取り組んでいるのか?
- ・あなたの意欲:インターンシップ・仕事研究で何を得たいと思っているのか?
エントリーシートでは、これらのことを伝えることを意識しましょう。
志望動機について
「志望動機」を書く時によくある思い違い

志望動機を書く時によくある思い違いは、「自分のこと」ではなく「相手のこと」ばかり書いてしまうことです。
例えば、このような例です。
御社はグローバルにビジネスを展開しており、サイトで紹介されていた〇〇プロジェクトは環境問題にイノベーションを起こしていると知り感銘を受けました。インターンシップ・仕事研究ではグループワークをすると紹介されていたので、そちらにもとても興味を持ち志望いたしました。
このような書き方をした場合、読み手である企業の人事は、あなたがどういう点に興味を持ったかということ以上の情報を得ることはできません。必ずしもそれが悪いわけではありませんが、志望動機も自分をPRするための情報です。そのためには、もっと自分の情報を相手に伝えたほうがいいでしょう。
では、どのように書けば良いでしょうか。以下にポイントをお伝えします。
「御社は」ではなく、「私は」で書き始める

志望動機でもっと自分のことを伝えるには、「御社は」ではなく、「私は」で書き始める意識が重要です。
私は、学生生活で……なことをしています。それは……が大切だと考えているからです(普段の行動)。
御社は、……なことに力を入れていると知りました。そこで私は、御社で……について知りたいと思いました(興味)。
そのことを今後の私の……に生かしたいと思っています(意欲)。
このような理由で、私は御社のインターンシップを志望いたしました。
学生生活で最も力を入れている事について

学生生活で最も力を入れている事の書き方
自分の普段の行動、興味、意欲を伝えるように書くのは、「最も力を入れて取り組んでいること」を書く際も同様です。学業やアルバイト、サークル活動やボランティアなど、学生生活のどの取り組みについて書くにしても、まず以下のような構成で整理すると、自分の行動、興味、意欲を網羅することができます。
1:取り組んでいる場の説明
- ・目的
- ・関わっているメンバーのこと、人数
- ・期間
- ・自分の役割
- ・自分が興味を持った理由(→興味)
2:自分がしていることの具体的な内容(→行動)
- ・どんな点が難しいか
- ・工夫していること
- ・どれくらい継続して粘り強く取り組んでいるか
3:成果~今後
- ・自分の行動の結果どうなったか
- ・今後どうしたいか(→意欲)
「最も力を入れている事」を書く時によくある思い違い
大変でしたがどうにか頑張って……
頑張ったら、どうにか達成できました……
「何をした」という具体的な行動を書かずに、「頑張っています」とただ書いたのでは、結局あなたがどういう行動を普段取っているのか相手は分かりません。むしろ、自分のPRのために言葉を強調しているだけで、実は普段あまり行動していないのではないかと思われてしまいます。
エントリーシートでは字数の問題で十分に書けないこともありますが、できる限り説明に努めてください。もしも面接がある場合には、その時具体的なことが聞かれると思って準備をしておくことが大切です。

PROFILE
小宮健実
株式会社採用と育成研究社 代表
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー
1993年日本アイ・ビー・エム株式会社入社。人事にて採用チームリーダーを務めるかたわら、社外においても採用理論・採用手法について多くの講演を行う。さらに大学をはじめとした教育機関の講師としても活躍。2005年首都大学東京チーフ学修カウンセラーに転身。大学生のキャリア形成を支援する一方で、企業人事担当者向け採用戦略講座の講師を継続するなど多方面で活躍。2008年3月首都大学東京を退職し、同年4月「採用と育成研究社」を設立、企業と大学双方に身を置いた経験を生かし、企業の採用活動・社員育成に関するコンサルティングを実施。現在も多数のプロジェクトを手がけている。