第2章
知っておくべき金融ビジネスのポイント
⑤ファンドとは?
辞書には「基金・資金」と書かれていますが、金融業界では一般に「投資のために集めた資金」や「運用を目的とする一定規模以上の資金」を意味します。たとえば、自社資金100億円を10億円ずつ対象別に分けて運用するとき、その一つひとつがファンドとなります。
また、多くの人から資金を集めて運用する場合、不特定多数を対象にオープンに募る形式を「公募」と言い、限られた人からだけ集める形式を「私募」と言います。公募型ファンドの代表は「投資信託」で、証券会社や銀行で誰でも買うことができます。私募型にはいろいろなものがありますが、最近は「ヘッジファンド」が広く知られるようになりました。
ヘッジファンドは伝統的な投資手法にとらわれることなく、独自の理論と高度な手法によって高いリターンを目指す投資商品の総称です。そのほか、集めた資金を経営に行き詰まった企業などに出資し、経営への影響力を確保して再建を進め、業績が良くなったときに株式を売却して利益を稼ぐ「投資ファンド」も、機関投資家などから注目されています。