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「経済ビジネス誌&ニュース雑誌」の読み方!
就活生ならどこを見るべき?

就活生が読むべきものとして新聞と並んでよく取り上げられるのが「経済誌」です。代表的なものは週刊誌が多く、ビジネスマンや経営者向けに社会情勢や財界ニュース、マネー情報などが掲載されています。ここでは就活中の経済誌の読み方、そして代表的ないくつかの経済誌の特徴をご紹介します。

「切り口」を学ぶ

雑誌は新聞とは言論のスタイルが違います。
事実をできるだけ早くそのままに伝達する新聞と比べ、雑誌記事は独自の「切り口」と「掘り下げ」が重視されます。もちろん新聞記事にも切り口やそれぞれの論調がありますが、どちらかと言えば「素材に近い情報」と言えます。

雑誌記事は言わば「料理」です。いくつもの食材を加工し、組み合わせ、さらに料理人独自の味付けがなされます。雑誌記事を読むときは情報を知るというだけでなく、記者がその情報をどのように加工して「読み物」としているかに注目しましょう。

経済誌を初めて買ってみるときは、やはりメインの特集を見て選びましょう。テーマが深く掘り下げられ、各誌の特徴がよく出る部分です。

財界の著名人、専門家の談から学ぶ

大特集に加え有名経済誌を読むならぜひ目を通したいのが、財界の重要人物や識者の談話。「ここでしか読めない」というものが多くあります。

実は、インタビューや取材記事というのは簡単にできるものではありません。取材先にアポイントメントを取り、インタビューをし、事実の裏を取り、原稿を製作し……1ページの記事を作るには膨大な工程がかかります。

名のある経済誌は業界に深く食い込む記者を抱え、また財界取材のノウハウや人脈も豊富。新興の媒体と比べると、多忙を極める企業トップの独占インタビューや、誰でもが名前を知っているような識者のコラムなど、言わば「レア」な言論が豊富に揃えられています。

経済ビジネス誌はコスパがいい!

インターネットが発達し、たくさん情報が無料で手に入るようになった現代においても、プロの記者が足と手腕で集めた情報、そしてそれを独自の切り口で練り込んだ記事というのはそうそう転がっているわけではありません(もちろんインターネット媒体にもそういった記事もありますが)。時間も手間もかかった言論を一挙に読めるという意味では、経済ビジネス誌はかなり「コスパがいい」と言えます。

ぜひ読もう!「書評」

もう一つ、就活生の皆さんにオススメしたいのは「書評」のページです。おおむね雑誌の後ろのほうに設けられています。

世に書籍は星の数ほどあり、読書をしたくても「結局のところ何を読めばいいのか」と迷ってしまうことも。そんなときはぜひ、経済誌の書評ページに目を通しましょう。新刊書の紹介や、短い論評が載っているので、これからビジネスマンの耳目を集めるであろう本を探すことができます。
それでは、ここから代表的ないくつかの経済誌をご紹介します。

教養系も強い! 硬派なザ・経済誌

『週刊東洋経済』

『会社四季報』の発行で培われた取材力・分析力を基盤とする、東洋経済新報社の老舗経済誌。大きな経済の流れや政治、行政にも切り込んでいく硬派な一誌です。ほかの経済誌と比べて、少し俯瞰的でアカデミック寄りの印象があり、実践的なビジネスや金融だけでなく、皆さんが大学で学ぶ「経済学」の色が感じられる記事も多いかもしれません。特集には、業界研究や社会情勢などに加え、歴史や宗教などの教養系も多く見られます。とは言え、その論調や文章自体が難しいわけではなく、基礎の教養を身につけるという意味ではとてもおすすめの一誌です。

ビジネスマン必携! 本屋さんでは見つけにくい?

『日経ビジネス』

ビジネスマン最前線!的な一冊。横書きの記事にシャープな写真やデザインと、インテリジェントでちょっとハイブロウな印象です。ビジネスマンが知っておくべきニュースや情報が満遍なく配置されていて、ビジネスシーンのスピード感や潮流がよく感じられます。記事は比較的難しいかもしれません。本屋さんではちょっと手に入りづらいというのも特徴。基本は定期購読などの直送ですが、都心の駅売店や、ビジネス書に強い書店で入手できることもあります。

読みやすい!身近な特集やマネー情報も豊富

『週刊ダイヤモンド』

こちらも老舗の『週刊ダイヤモンド』は、ほかの経済誌と比べてグラフィカルな誌面構成。図表やイラスト、チャートなどが多く、経済誌初心者でもかなり読みやすい印象です。経済データや社会問題など、ともすれば「読みづらい」素材をたくさんの人に見せる・読ませる技術は、就活生にとって一つ学べるところではないでしょうか。また、『週刊ダイヤモンド』は経済誌というだけでなく「ニッポンのお父さんたちの興味全般を詰め込んだ総合情報誌」的な一面も感じられます。子どもの受験・就活や、実家の介護や相続問題、老後についてなど、ビジネスマンたちが抱える「仕事以外」のお悩みに関する特集も多く組まれます。

安定感抜群の老舗経済誌

『週刊エコノミスト』

毎日新聞出版社の発行する経済誌。編集方針は「学理を論じて空疎に失せず、現実に即して卑近に流れず」。時流に流されない言論を旨とする『週刊エコノミスト』の誌面には、淡々とした独自の雰囲気があります。特集は業界研究や金融ネタが多めで、どちらかと言えば硬派な印象です。テキストで読ませる記事が多く、誌面は新聞に似ており「読む」ことが好きな人にオススメです。

社長さんたちの人生にトコトン寄り添う

『PRESIDENT』

上記の『ダイヤモンド』と共通点も多く、経済ビジネス誌の中では「総合誌」の色合いの強い一誌。
誌名の通り、経営者や上級管理職向けの構成で、マネジメントのノウハウなどもよく特集されます。経営や組織の意思決定という重責を負いながら、一面では一家の長として子どもを育て、家庭を運営し、趣味までこなすというエグゼクティブの人生全体をフォローするような一誌です。誌面には写真やイラストが多用され、またテレビでおなじみの著名人の執筆も多く、経済誌の中ではかなり読みやすい雑誌となっています。

世界の視点を知る。

Newsweek日本版

国際ニュース週刊誌。英語の本国版以外に世界各国、さまざまな言語で発行されています。「今、世界で何が起こっているか」を発信しており、外国人記者の記事が翻訳されて掲載されています。これらの記事には日本の記者の視点とはかなり違うものも多くあり、新鮮な面白さがあります。また、日本版オリジナル記事も拡充が図られていて、アジア情勢についても深く掘り下げられています。グローバルな仕事を志す人は、ぜひ一度目を通しましょう。

実践英語の勉強に!

『TIME』

『TIME』が他の雑誌と違うところと言えば、まず「英語」で書かれているという部分。アメリカで創刊された世界初の週刊ニュース誌。日本で出回っているのはほとんどがそのアジア版です。世界で最も影響力のある100人を選出する「TIME 100」や、その年を象徴する人物を取り上げる「Person of the Year」などの特集号は、世界中の話題となります。報道写真も見応えあり。英語と社会情勢を同時に学ぶことができるのもうれしいところ。英文のアーティクル(記事)には一定の書式というものがありますので、その形式に慣れるという意味でもぜひ一冊読み通してみてはいかがでしょうか?

経済ビジネス誌は定期購読しなければいけない?

経済誌に特徴的なのが「定期購読」が多いことです。書店も減っている現在では手に入りづらい場合もありますので、誌面構成や論調がしっくりくる、あるいは執筆陣に魅力を感じる場合は定期購読について調べてみてはいかがでしょうか?「学割」制度が設けられている場合もあります。

ただ、経済ビジネス誌の読者層に多いのは40〜60代男性。介護や子育て、相続など、特集によっては、就活生が知っても……という内容の場合もあります。特に決まった一誌がない場合は、本屋さんやネットで各誌の特集を比べて、気になるものを手に取るところから始めてもいいのではないでしょうか?