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注目記事2017.3.1

自動車業界、再編なぜ進む? 強みの市場・技術を補完

協力:日本経済新聞 電子版

最近、自動車メーカー同士の提携や業界再編がらみのニュースが多いわね。どうしてなのかな。これから自動車業界はどうなるの?

最近の自動車業界の動きについて、吉田美里さん(28)と杉本優子さん(59)が中山淳史編集委員の話を聞いた。


昨年は自動車メーカー同士の提携や、資本参加の動きが相次ぎましたね。



「2016年10月、日産自動車が三菱自動車に34%出資し、日産のカルロス・ゴーン社長が三菱自の会長を兼務しました。その直前には、トヨタ自動車とスズキが環境や安全、自動運転の技術開発などで提携すると発表しました。トヨタは同年8月にダイハツ工業の完全子会社化にも踏み切りました」

「トヨタはすでにマツダと富士重工業の2社とも提携しています。この結果、国内の乗用車メーカーはトヨタを中心とする連合と、フランスのルノーと提携する日産・三菱自のグループ、そしてホンダの3つの陣営に集約されることになりました」


どんな背景があるのですか。



「一つは、拡大する新興国の自動車市場を取り込もうという狙いです。日産が三菱自への出資を決めた直接のきっかけは、三菱自の燃費データ不正が発覚して経営難に陥ったことですが、三菱自は東南アジア市場で強いため、日産にとっては多少のリスクを負っても自陣営に取り込むメリットがありました」

「トヨタは世界有数の自動車メーカーですが、新興国でよく売れる低価格の小型車にはあまり強くありません。そこで、軽自動車を中心に小型車を専門とするダイハツを完全子会社化し、低価格車の開発を強化しようとしています。スズキは国内の軽自動車市場でダイハツの最大のライバルですが、インドで大きなシェアを持っており、トヨタにとって提携するメリットがあったのです」

「燃費のよいエコカーの技術が転換期にあることも挙げられます。トヨタはハイブリッド車をエコカーの中心にしてきましたが、世界的に今後もハイブリッド車が主流になるとは限りません。電気自動車や燃料電池車、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの高効率化も含めて、あらゆる技術開発をしなければならない状況です。巨額の研究開発費もかかります。世界各国で環境規制も厳しくなり、技術的に追いつけないメーカーも出始めています」

「そこで、得意分野の異なる他社と提携することで技術開発を効率化しようとしているのです。世界の大手メーカーに比べて規模で劣り研究開発費も少ないスズキにとっては、トヨタとの提携は大きなメリットがあります」


海外企業の動きはどうですか。



「国内の業界再編の動きから距離を置いてきたホンダも、米ゼネラル・モーターズ(GM)と燃料電池車の基幹技術の共同開発に乗り出しています。トヨタもドイツのBMWと燃料電池車の共同開発に乗り出しています」

「欧米の自動車メーカーの再編はすでにあらかた終わっていますが、最近目立つのが米グーグルや米アップルなどIT(情報技術)企業や半導体関連企業と自動車メーカーの提携の動きです。車がインターネットにつながる『コネクテッドカー』の技術や、自動運転技術の重要性が高まっているからです」

「20世紀までの世界の自動車メーカーの再編は、生産台数の多さという『規模』を追い求めた再編でした。21世紀は『技術』を追い求める再編になっています」


今後の見通しはどうですか。



「トヨタとスズキの提携は今のところ資本提携には至っていませんが、今年は資本提携に発展する可能性が高そうです。とはいえ、合併や経営統合ではなく、資本の結びつきが比較的緩やかな提携になるでしょう。こうした『ソフトアライアンス』が増えているのも近年の特徴です」

「これから20年後には、自動車を取り巻く環境が激変することも予想されます。自動運転車のカーシェアリングやライドシェア(相乗り)が普及し、車の利用効率が画期的に高くなれば、必要な車の数が大幅に減るかもしれません。もしそうなれば、自動車メーカーはこれまでとは異なるビジネスモデルを模索する必要があります。今後も異業種の企業を含めた提携の動きが広がるでしょう」



■ちょっとウンチク

米ITと互角、トヨタ・日産だけ

自動車メーカーは日本に12社あるが、トヨタ自動車と何らかの提携関係を持つ企業の「トヨタ連合」は計7社を数える。残るは三菱自動車を傘下に収めた日産自動車と、ホンダ、独ダイムラー子会社の三菱ふそうトラック・バス、スウェーデン・ボルボ子会社のUDトラックス。トヨタ、日産、ホンダの国内ビッグスリーと外資系2社という構図が明確になった。

再編の背景をさらに言うなら、日本という国の地盤沈下がある。世界の国内総生産(GDP)に占める日本の比率はこの20年間で3分の1に縮んだ。トヨタ、日産、ホンダ以外はグローバル化の波に乗り切れているとはいえず、今後重要になる自動運転やインターネットにつながる技術を単独で開発するのも難しい情勢だ。

自動車事業への参入を虎視眈々(たんたん)と狙うグーグルやアップルなど米IT(情報技術)企業は研究開発に年間1兆円以上の投資をしている。対等に戦えるのがトヨタや日産だけになりつつあるのが今の日本の自動車産業だろう。

(編集委員 中山淳史)

※NIKKEI STYLE「出世ナビ」から転載

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