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注目記事2023.2.15

貯蓄から投資へ──。地方銀行のサポートに期待が集まる。

人が生きていく上で切っても切り離せないのが、お金の問題。それなのにいったい誰にアドバイスしてもらったらいいか、相談相手はなかなか見つかりません。そこで期待されているのが、身近な金融機関である地方銀行。「貯蓄から投資へ」という流れの中、地方銀行は頼れるパートナーとしての存在感を一層高めています。

「新しい資本主義」の流れの中で

個人の金融資産は2,000兆円──。よくそんな報道を耳にします。これは日銀が発表する「家計の金融資産残高」のことで、2021年に初めて2,000兆円を突破しました。簡単に言えば、日本では個人の持つお金が合計で2,000兆円もあるということです。

単純にこれを日本の人口で割ると、1人あたり1,600万円近くのお金を持っている計算になります。日本人は大変なお金持ちですね。

でも実際には「そんな実感なんてない」「むしろ生活は苦しくなっている」という人が大半なのではないでしょうか。

背景にあるのは、以前から資産を持っている人がさらにお金を増やし、そうでない人はさらに貧困になっていくという二極化の問題です。

こうした状況を踏まえ、2022年に政府が打ち出したのが「新しい資本主義」です。

これは、一人ひとりの持続的な幸福を目指し、成長と分配の好循環を実現しようとするもの。その上で、個人金融資産を全世代的に貯蓄から投資へとシフトさせていくことが掲げられています。

そして策定されたのが、資産所得倍増プラン。つまり「貯蓄から投資へ」の移行です。

投資への関心が高い若年層

2021年に2,000兆円を突破した日本人の金融資産はさらに伸び続け、2022年には2,005兆円となりました。数字の上ではますますお金持ちになっていったわけです。

ただし、その54%は現預金。欧米に比べると投資の比重は圧倒的に少ないのが現実です。

政府は貯蓄から投資への移行を促すことで、日本人の安定的な資産形成を推し進めようと考え、資産所得倍増プランを策定しました。

特に期待されるのが20代の若い世代による資産運用です。これから社会を支えていき、あわせて家庭を築いていくことになる20代は、長期的な視点での資産運用を行うのに最も適した世代でしょう。

実際、金融広報中央委員会の調査によれば、18歳から29歳で資産運用の経験がある人はまだ少ないものの、関心は大きく高まっていることがはっきりしています。背景の一つが、金融サービスの拡大によって投資へのハードルが低下していること。スマホから簡単に行える「スマホ投資」はその好例でしょう。

デジタルネイティブでもある若年層は、ネットを軸にあらゆる行動を進めています。日々の買い物での支払いにサクッと電子マネーを利用するのはもはや常識。友達との割り勘だって電子マネーです。

投資も「スマホでサクッと」が当たり前です。

こうしたITリテラシーの高さを背景に、若年層が「貯蓄から投資へ」という流れをリードしていくだろうと期待されているわけです。

地方銀行の果たす役割とは

もちろん投資にはリスクが伴います。損失が出ることへの認識は十分に持っておく必要があり、どの程度までのリスクなら許容できるか、それぞれが明確にしておかなくてはなりません。

ただ、日本では欧米に比べて教育機関での金融教育が遅れており、金融リテラシーが十分とは言えません。冒頭で触れた「お金のことを誰に相談したらいいかわからない」というのが現状です。

そこで重要になってくるのが、金融商品の販売や資産管理、運用などを担う金融機関です。

いここ数年の金融業界でホットなワードとなっているのがFD(Fiduciary Duty=フュデューシャリー・デューティー)。「受託者責任」「顧客本位の業務運営」といった言葉です。簡単に言えば金融機関には、顧客の利益を最優先して業務を行うことが義務づけられているという意味です。

金融リテラシーや投資経験が十分でない若年層が投資を始めようとするなら、金融機関に相談するのが最も安心できるということになります。

その中で特に存在感を増しているのが、地方銀行です。

言うまでもなく地方銀行は地域に密着した金融機関であり、地域の人々に寄り添ったきめ細かいサポートが特徴です。同じ地域の一員として世代を超えて取引を続けている利用者も珍しくありません。

若年層の投資活動をサポートすることは地域経済活性化にもつながるため、どの地方銀行も積極的な情報提供や支援を打ち出しています。日本全体が貯蓄から投資へと舵を切っていく中で、地方銀行の果たす役割はさらに大きくなっていきそうです。

まとめ

商品の開発やコンサルティングなどを通じて、若年層の資産形成をサポートする地方銀行。初めての投資向けのサービスも豊富に用意されています。「投資の相談なんてハードが高くて」と感じる方も、ぜひ一度足を運んでみてはどうでしょう。