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注目記事2022.12.07

バンカーズランプをご存じですか

どんな職業にも独特のアイテムやツールがあるものです。例えばお医者さんの聴診器や料理人の包丁、お笑い芸人のハリセン(古いですが)などはその典型。それを使うことで、いかにも“その業界人らしさ”が感じられます。銀行員にもそんな独特のアイテムがあります。

テンションを上げてくれる小道具としても

銀行員や会計士が登場する映画やドラマの中で、緑色のシェードの電気スタンドをご覧になったことがあるでしょう。バンカーズランプと呼ばれる卓上ライトです。

これはその名前の通り、銀行員のためのランプです。現金を数えるときに現代では機械を使いますが、まだそんな便利な道具がなかった時代には銀行員が手でお札を数えていました。そのときに間違いが生じないよう、手元を明るくするために開発されたのがバンカーズランプと言われています。

緑色のシェードが用いられているのは、長時間お札を見続けても目が疲れないようにするためだったのかもしれません。スタンドは真ちゅう製で、スイッチはチェーンを引っ張る方式です。アンティークなフォルムがとてもおしゃれ。小ぶりなサイズということもあって、とても可愛らしい照明器具です。

現在では銀行内で実際にバンカーズランプが使用されることはありませんが、存在感たっぷりの姿を愛する人は多く、自宅の机の上などに置く人も多いとか。ネットのECサイトでも人気商品となっています。せっかくなら古い製品を使いたいということで、アンティークショップを探し回る人もいるそうです。

細かな作業に集中する際にぴったりということで、資格試験の勉強にも向いているのかもしれません。何よりもそのフォルムがヤル気スイッチを押してくれそうです。金融業界を目指す方なら、デスクにおいてテンションを上げてみるのもいいかもしれません。

長く愛され続けているアイテムも

「バンカーズ××」というアイテムでは、バンカーズボックスもよく知られています。これはその名の通り「箱」。書類などを収納しておくボックスです。銀行の業務では大量の書類を扱います。しかもどれもが重要書類ばかり。その保管・管理には神経を使います。米国ではその収納のためにブリキの箱が使われていました。

その代用にと1900年代初頭に発売されたのが、段ボール製のバンカーズボックス。米国の事務用品メーカーが開発したシンプルな箱です。これが軽くて丈夫で使いやすいと米国で大ヒットし、定番の収納ボックスとなりました。

今では銀行にとどまらず、デザイナーなどにも愛用されています。おしゃれでかっこよく書類が収納できる点が、広く愛される理由となっているようです。

また、銀行員のアイテムとしてはカバンも特徴的です。業務用に使用するカバンは銀行から支給されたもので、つまり会社の備品。これがとにかく巨大なのです。営業で一日中取引先を訪ねて回る銀行員は、商品のパンフレットやチラシに始まり、伝票や申込書、朱肉や捺印マット、電卓、タブレット端末など、とにかく多くの道具を持ち歩かなくてはなりません。

何よりも取引先から預かった現金を集金袋に入れて大切に運ばなくてはなりませんし、万一に備えて防犯ブザーも必携です。こうしたことから容量たっぷりで頑丈なカバンを持ち歩くことになります。女性の場合も同様ですが、ややコンパクトなカバンを使用することが多いようです。

この業務用のカバンはあまりに大きくて存在感たっぷりのため、よく目立ちます。カバンを見た人から「銀行の方ですか」と声をかけられた経験のある銀行員も少なくないようです。

スマートウォッチはNG?

銀行員のアイテムは比較的長く使われ続けてきたものが多いようですが、一方で時代の変化を受けて大きく様変わりしつつあるものもあります。代表的なのが腕時計です。あまりに高級なブランド品をつけていると、取引先にあまりいい顔をされないと言われています。「若いのに生意気だ」と思う人だっているでしょうし、場合によっては「そんなに高い時計が買えるなんて、何か不正でも」という目を向けられかねません。

こうした懸念から特に若い銀行員は高級すぎず、かといって安すぎない時計をつけておくのが無難とされています。

その中で気になるのが、スマートウォッチ。結論から言うと、スマートウォッチだからダメということはまったくありません。色が目立ちすぎるかもしれないので、落ち着いた色使いのスマートウォッチであれば、特に問題はないでしょう。むしろ取引先との話のネタとして盛り上がることもあります。

その一方、時代が変わっても不変であるべき「バンカーズ××」もあります。それがバンカーズスピリット(またはバンカースピリット)。つまり潜在的な可能性のある事業の芽を見つけ、融資等で大きく育てていくことこそ銀行員の役割という使命感です。

リスクを取って新しい産業を育てていこうとする気概は、変化の激しい時代だからこそますます重要になっていくことでしょう。

まとめ

どんな職業でも、その仕事を続けていけば自然とふさわしい立ち振る舞いや顔つきになるといわれています。アイテムやツールは、そんな“らしさ”を演出するものです。仕事の本質を理解するための入り口として興味を持ってみるのもいいですね。