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注目記事2021.07.07

金融関連資格が変わる?

この「Articles」でもたびたびご紹介しているように、職業人として生きていくうえで資格取得は避けて通れません。

もちろん、業界によって必要な資格の種類や難度も様々。

自動車運転免許のように業界を問わず活かせるものから、弁護士資格のような極めて高い専門性をもつ資格まで多種多様です。

そんな資格の世界も時代の変化を受けています。金融関連の資格についてはどうでしょうか。

必須資格の準備は早めに

「手に職」という言い方がありますが、資格や技能を取得することは確かな職業人生を歩むうえで必須です。スキルや知識の確かさを第三者に誤解なく伝えられる資格は、就職や転職活動において強力な武器となるばかりか、昇進・昇格の決め手にもなるでしょう。

金融業界において、資格は特に重要です。お金という大切なものを扱うだけに高度な技量が求められること、業務が多岐にわたるので幅広い専門知識が必要なことなどから、多くの資格の取得が必要となるのです。皆さんも金融業界に就職したら、1年目から取得を義務づけられている資格の多さにびっくりすることになるでしょう。

金融業界で必要とされる資格は多数あります。一般的なところでは、まず「銀行業務検定」「証券外務員」「FP資格」などがあげられます。

銀行業務検定とは、銀行・保険・証券等での勤務に必要な実務知識および技能応用力についての検定試験です。だいたいどの銀行でも若手のうちに取得するよう定められており、必須の資格となります。

このほかに「証券外務員」「ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)」「日商簿記」といったところも、多くの金融機関で必須資格とされています。入行前から研修として取得のための勉強をすることになるケースも珍しくありません。それぞれの資格には3級2級などのグレードがあり、「入行何年目までに何級取得」と目標が定められているケースがほとんどです。

「日商簿記」などは学生時代のうちから勉強しておくといいかもしれません。準備が早いに越したことがないのは、就職活動と同じです。

いずれは最高難度の資格に挑戦を

今ご紹介した「銀行業務検定」等が金融業界で働くための必須の資格だとすると、トップクラスの人材として活躍するための資格もあります。その代表がCFA(R)です。

CFA(R)とは金融関連の資格の中で、圧倒的なステータスを誇る米国の証券アナリスト資格です。日本でのCFA(R)資格者は約1,300人とされており、いかに取得の難しい資格かおわかりいただけるでしょう。

まさに金融プロの中のトップクラス人材であることを証明する資格といえます。「金融界のグローバル・パスポート」と呼ばれることもあるほどです。

高難度の資格のため中途採用でもCFA(R)必須という求人は多くありませんが、有資格人材への評価は高く、銀行、信託銀行、保険会社、コンサルティングファームなどで活躍するチャンスが開かれています。

CFA(R)資格取得のためには4年以上の実務経験が必要で、英語力も必須となります。試験にはFinTechの問題も出題されるなど、デジタル系の知見も求められます。

「1年間仕事をせずにCFA(R)の勉強にだけ集中すれば合格は可能」といわれますが、現実には仕事をしながら準備をするしかありません。これから金融業界で活躍しようという皆さんなら、数年後を目標にコツコツと計画的に勉強を進めていくことになるでしょう。

金融業界で価値ある人材として活躍することを将来のビジョンとし、その目標に向けて自分を磨くうえでも、CFA(R)取得に挑戦するのは意義深いことです。

デジタル資格もいずれ必須に?

さて本格的なDX時代を迎え、金融における資格の世界もその影響を受けています。最近では三菱UFJ銀行がデジタル関連の資格を取得した行員に対して最大90万円の報酬を支給すると発表し話題になりました。具体的には統計やプログラミング、人工知能などの資格が対象となります。

金融業界に限ったことではありませんが、かつてITは情報システム部門の役割という認識が一般的でした。餅は餅屋、難しいことは専門家に任せておけばいいというわけです。

しかしDX時代となり、実際に業務を担当する人材にもITリテラシーが必須となりました。担当顧客にDXの提案を行ったり、社内のデジタルプロジェクトに携わったりと、ITスキルが価値を発揮する場面は確実に増えているのです。

同行のように行員のデジタル資格の取得をサポートするケースは今後増えてくるのではないでしょうか。

デジタル関連の資格も、これからの金融人材にとって必須となる時代がくるかもしれません。

まとめ

いかがでしょうか。どんな仕事、どんな業界においても、有資格者があらゆる面で有利なのは間違いありません。関連する資格が多いだけに、金融業界は特に資格がもつ力は大きいといえます。常に自分を磨き続ける姿勢が求められるでしょう。