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銀行の“顔”、テラーの魅力とは

銀行へ行って順番待ちの番号カードを引き抜いて(この機械を「順番待ち受付システム」と呼びます)、しばし待機。やがて「××番のお客さま」と呼ばれてカウンターに足を運んだあなたが対面するのが、窓口の行員です。この行員が「テラー」。銀行の“顔”として接客にあたり、お客さまの様々な要望に応えて業務をテキパキとこなしていきます。今回はそんなテラーの仕事について考えてみます。

ハイカウンターとローカウンター、その違いは

テラー(teller)は、日本語では「窓口係・出納係」と訳されます。 tellには、「数える、勘定する」という意味があり、そこからtellerは「勘定する人」というわけです。ちなみにATMはAutomatic Teller Machineの略。つまり“自動で勘定する機械=自動出納機”のことです。

通常、営業には自ら取引先のもとへ足を運んで商談に臨むというイメージがありますが、来店した取引先に対してカウンター越しに商談を行うスタイルもあります。これを内勤営業、またはカウンターセールスと呼びます。その名の通り、カウンター越しに向き合って商談を進める仕事で、テラーもこのカウンターセールスとなります。

このカウンターには、高いカウンター(ハイカウンター)と低いカウンター(ローカウンター)の2種類があることに気づいていましたか。

ハイカウンターでは、預金の入出金や振込、両替、公金納付などの業務を行います。カウンターが高いため、お客さまは立ったまま。基本的に迅速な業務処理が行われます。 一方のローカウンターでは、新規口座開設や各種変更手続き、運用相談などが行われます。必要書類も多く、丁寧な説明が求められるため、通常お客さまはイスに座って話を進めます。

このように同じカウンターセールスでも、高いカウンターと低いカウンターでは業務の質が異なります。ざっくりといえば急ぎの仕事はハイカウンター、時間のかかる仕事はローカウンター。今度銀行に行く機会があったら、それとなく観察してみてください。

どんなお客さまのどんな話題にも

テラーは銀行の“顔”と紹介しましたが、実際テラーはお客さまと直接向き合う仕事なので、銀行のイメージを決定するのは間違いありません。明るい表情で、清潔感があり、気配りもしっかり、といった印象を持たれるようにするのは大切なことです。もちろん現金を直接扱うので信頼感はマストです。

豊富な金融知識も必要です。 ローンや年金、定期預金など、様々な金融商品について、どんな質問をされても的確に答えられなくてはならないですし、お客さまを待たせることがあってもいけません。そのため常に最近の金融情勢についての勉強が必要ですし、銀行員としてのある程度の経験も必要となります。

さらに金融関係以外の知識、情報も求められます。というのも、カウンターセールスの特徴として、“お客さまを選べない”ということが挙げられるからです。 外回りの営業ならば、ある程度は行き先を自分で選ぶことができますが、カウンターセールスは目の前にどんなお客さまが現れるかわからないし、どんなお客さまであってもいったん目の前に現れたら責任を持って対応しなくてはなりません。

そのお客さまが雑談で地元ネタを振ってくるかもしれず、どんな話題であってもある程度は対応できるよう、常にアンテナを張り巡らせておくことが求められるのです。 お客さまと短い時間ながらもコミュニケーションができるようになり、信頼されるようになると、「またあなたにお願いしたい」と言われることも。 そんな一言はテラーにとって大きなやりがいです。

多段階処理から「一線完結」のスタイルへ

テラーがカウンターの前で仕事をしているのに対し、その後ろで机に向かって仕事をしている行員もいます。後方事務です。

後方事務は、テラーの仕事のサポートや庶務、ATMの現金補充、各種書類の処理など、幅広い業務を行っています。

業務内容によっては、テラーがお客さまの用件を伺い、後方事務がその処理を行うというケースもあります。これを「二線処理」と呼びます。場合によってはさらにその後方に控える管理者が決済を行う「三線処理」になることもあります。こうした多段階の処理は、重複したチェックを行うことで間違いを未然に防ぐことができるため、金融機関としての信頼性を担保する上で重要なことです。

その一方で、「二線処理」を行えばそれだけ人手が必要となり、お客さまをお待たせすることにもなります。そこで業務の効率化や人員の削減、システムの高度化などにより、事務処理まで含めたすべてをテラーが一人で行う「一線完結」のスタイルが定着してきました。

そのためテラーに対しては従来以上に深い専門知識とスピーディーな業務処理能力が求められるようになってきています。その上でなお“顔”としての印象も大切にしなければならないわけですから、テラーの責任は重要になる一方です。まさにプロフェッショナルと呼ぶにふさわしい仕事でしょう。

まとめ

銀行の“顔”としてカウンターセールスを担当するテラー。短い時間で完璧な処理を行うことが求められる仕事です。現在ではテラーが事務処理を最後まで担う「一線完結」が広がっており、テラーにはますます高い専門性が求められるようになっています。

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