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注目記事2019.5.8

スチュワードシップ・コードが機関投資家を変える

春が過ぎて、季節はそろそろ初夏へ。この時期が近づくと忙しさを増すのが、総務関係の部署の皆さんです。理由は多くの会社で株主総会が近づいているため。日本では6月下旬の特定の日に株主総会が集中する傾向が続いています(その理由はなかなか興味深いのですが、ここではいったん置いておきます)。

ところが最近、その株主総会の様相が少し変わってきました。キーワードが「スチュワードシップ・コード」です。

株主総会の様子が変わってきた

かつて日本の株主総会は、「シャンシャン総会」と揶揄されたものでした。

「シャンシャン」とは、手締めの音のこと。「皆様、お手を拝借」というかけ声のもと、「これでめでたく終わりです」と物事が円満に終わったことを示す象徴が「シャンシャン」という擬音なのです。

つまり「シャンシャン総会」とは、質疑応答や議論などが行われず、短時間であっさりと終了する株主総会を意味します。本当は問題山積みなのに、それを先送りにして見た目だけ円満に終わらせる株主総会を、皮肉を込めてこのように呼ぶのです。

もちろんこれは歓迎すべきことではありません。企業が抱える様々な問題について株主が質問し、企業側がそれに真摯に答えるというのが株主総会の本来のあり方だからです。

こうした「シャンシャン総会」が目についたのがかつての日本企業でしたが、最近少し風向きが変わってきました。株主総会で企業の提案に対して正面切って異議を唱える株主が目立ってきたのです。実際、今年の3月に開催された株主総会では、企業側が行った議案に対して反対を投じる株主が多く、特に機関投資家が反対票を投じる姿が多かったようです。

こうした変化の背景にあるのが「スチュワードシップ・コード」です。

リーマンショックへの反省から

「スチュワードシップ・コード」の「スチュワード」とは、執事や財産管理人という意味の英語です。なんだか厳格な雰囲気の言葉ですね。そして「スチュワードシップ」は受託者責任と訳され、「コード」とは行動規範のこと。つまり「スチュワードシップ・コード」とは、受託者責任を果たすための行動規範を意味します。

「スチュワードシップ・コード」は、あのリーマンショックに対する反省のもと、2010年にイギリスで誕生した概念です。顧客から資産を預かる立場の機関投資家が投資先企業への経営監視を十分に行わなかったため、リーマンショックの金融危機が深刻化したとされており、その事実を教訓に生まれました。

日本の「スチュワードシップ・コード」は、このイギリス版を焼き直して、2014年に金融庁が公表したものです。

こうした誕生の経緯から、「スチュワードシップ・コード」は機関投資家に対して投資先企業の価値向上のために企業経営に適切に関与することを目的としていることが、おわかりいただけるでしょう。

この目的のため、「スチュワードシップ・コード」では、機関投資家は7つの原則を守ることが求められています。自主規制ですから法的な拘束力はありませんが、原則を守らないときはその理由を説明しなくてはならない決まりとなっています。

健全な関係づくりに寄与

機関投資家が投資先企業の経営に目を光らせるのは当たり前のことのように思われます。しかし「シャンシャン総会」でもわかるように、大量の株式を保有しながら株主総会などで経営に口を出さない「物言わぬ株主」が多かったのも事実です。背景には、持ちつ持たれつの関係を大切にし、正面切って耳の痛いことを言う姿勢がはばかられる日本独特の風土もありました。

しかし日本でも2008年のリーマンショックへの反省から、投資先企業への積極的な関与が必要との意識が芽生えてきて、「スチュワードシップ・コード」の制定によってそうした姿勢がより明確になってきたわけです。さらに2017年には「スチュワードシップ・コード」が改訂され、機関投資家はその責任をより明確に果たすことを求められるようになりました。

機関投資家は一般消費者の大切な資産を預かっているのですから、その運用には大きな責任が伴うわけで、投資先企業に積極的に関与するのは当然のことです。そして、それによって企業側はより緊張感をもって経営に当たるようになります。より健全な経営環境に結びつくということで、「スチュワードシップ・コード」は非常に重要な規範といえます。

まとめ

かつては平穏に短時間で終わった「シャンシャン総会」。そんな株主総会の様相も、ずいぶん変わってきました。その理由の一つが「スチュワードシップ・コード」が浸透してきたことです。

金融機関をはじめとする機関投資家が責任を持って資産運用に携わり、企業側はより緊張感を持って経営に取り組むということで、「スチュワードシップ・コード」は歓迎すべき影響をもたらしています。

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