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今こそ期待されるビジネスマッチング

#業界研究

2019/03/27

古くは仲人さんを介したお見合い、最近ではアプリを使った婚活マッチングサービスと、結婚に向けての出会いを演出するサービスはいつの時代も多くのニーズに応えています。

実はこれは企業にとっても同じこと。企業と企業の出会いを演出する、いわば企業同士のお見合いの仲立ちに対するニーズが近年特に高まっているのです。

そんなニーズに応えることができると期待されているのが金融機関。特に地方銀行や信用金庫など、地域に密着したきめ細かなサービスを持ち味とする金融機関は、こうしたビジネスマッチングのキープレイヤーとして脚光を浴びています。

ポイントはWin・Winであること

ビジネスマッチングとは、金融機関がお互いの取引先同士を紹介すること。

◎新しい商材を探している企業(発注側)と、自社商材の販売先を探している企業(受注側)
◎新規の営業エリアを開拓しようとしている同士
◎事業の売却を考えている企業と、新規事業を手に入れたいと考えている企業
◎税理士やコンサルタントなど、互いの外部専門スタッフの紹介


代表的なものとしては、こういったケースが見られます。

お見合いが「結婚したい」と考えている男女の出会いをとりもつ仕組みであるのと同様、ビジネスマッチングにおいても出会う2社がWin・Winになれることがポイントです。

例えば

A社「中小企業向けのIoTシステムの開発を得意としているが、なかなか顧客の開拓が上手くいかず、受注に結びつかない」

B社「新しい工場にIoTのシステムを導入したいのだが、大手ベンダーは大規模なシステムばかり提案してくるので、予算とスペックがオーバーしてしまう」

こんなA社とB社がタイミングよく出会えば、お互いに納得できる取引が成功するでしょう。

取引先への成長支援として

ビジネスマッチングにおいて、仲介役である金融機関のメリットとは何でしょうか。

一つが仲介手数料です。これは不動産会社が、大家さんと入居者を提供するのとまったく同じビジネスモデルで、「契約が決まったら家賃の1ヵ月分を手数料として支払う」のと同様に、ビジネスマッチングが成功したら一定の収入を得るというものです。

長期低金利環境が続く中で収益構造が厳しくなってきた金融機関にとって、こうした手数料収入は決して小さいものではありません。

しかし、実はその手数料収入より大きなメリットがあるのです。それが、ビジネスマッチングによって顧客の成長に貢献できることです。

例えば地方の中小企業の中には今後の生き残りのために海外進出を模索しているケースが少なくありません。しかし、実際に一歩を踏み出そうとしても社内に海外事情に精通した人材もいなければ、取引先にも協力を仰げそうにありません。そうした企業に対し、既に海外で事業を展開していて新たなパートナーを探している国内企業を紹介したり、企業のグローバル展開に詳しいコンサルタントを紹介したりといったビジネスマッチングを行うことで、その企業は海外進出の足がかりをつかむことができるでしょう。

その結果、海外事業を成功させ、その企業が新たな成長段階に進むことができたとすれば、取引銀行にとっても大きなメリットがあります。 さらには地域経済の盛り上がりに結びついていけば、地域金融機関にとってはこれ以上ないメリットとなるはず。

地域や業種の壁を越えてこうしたビジネスマッチングができるのも、あらゆる業界・あらゆる規模の企業と取引を行っている金融機関ならではと言っていいでしょう。

地銀・信金における広域連携

Win・Winのビジネスマッチングを実現するには、それぞれの企業に精通し、きめ細かな目配りのできることが必要です。その意味で特に期待が高まっているのが、地方銀行や信用金庫など、地域密着型のサービスを長年にわたって続けてきた金融機関です。 特に最近ではより広域でのビジネスマッチングを推進しようという動きが目立っています。

例えば西日本の地方銀行では、エリアの違いを超えて複数の銀行がマッチング情報を共有する仕組みを導入。広いエリアをまたいで、発注希望者・受注希望者に向けてマッチングの機会を提供できるようにしました。

また、信用金庫も広いエリアにまたがって複数の信金が連携するケースが出現。互いの取引先の情報を共有し、エリアの違いを超えたマッチングの実現を目指しています。

人口減に悩む地方だからこそ、地銀・信金ならではの地域密着の強みを活かし、広域での連携を実現することに大きな期待が寄せられています。

まとめ

企業と企業のWin・Winを実現するビジネスマッチング。あらゆる業界のあらゆる規模の企業と取引を行っている金融機関にこそ、その仲介役としての期待が寄せられています。特に地方においては、広いエリアにわたって複数の地域金融機関が連携する仕組みも目立っています。

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