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注目記事2018.12.19

“人材”で企業を支援する地方銀行の人材紹介ビジネス

待ったなしの人手不足対策

外国人労働者の受け入れをめぐる議論が続いています。すったもんだの末に改正出入国管理法が国会で可決(2018年12月8日)。異論や反論は続出していますが、日本の労働者不足は深刻で、どのような形にせよ外国人労働者の力を借りなくてはこれからの日本の経済・産業が成り立たなくなるというのは衆目の一致するところ。大きなトレンドとして外国人労働者の受け入れは進んでいくでしょう。

意外と知られていないことですが、日本で働く外国人が銀行に口座を持つには、一般的に日本滞在期間が90日以上であることが必要です。その間は銀行口座を持てないとなると、働いた給料はどのようにして受け取るのでしょうか。銀行口座がなくてもセブン-イレブンのATMやレジで現金を受け取れる「現金受取サービス」(セブン・ペイメントサービス)は、そうしたニーズに応える新しいサービスです。

このように外国人労働者の受け入れが拡大するにつれて、今後様々な新しいサービスが誕生してくるでしょう。

今回注目したいのは、人手不足と銀行の関係についてです。特に人手不足が深刻な地方において期待されている地銀の役割について考えてみます。

企業間の人材移動を促進

最近、地方銀行の間で増えているのが、人材紹介業への参入です。

すでに池田泉州銀行、北洋銀行、西日本フィナンシャルホールディングス、横浜銀行などが人材紹介業の許可を取得。青森銀行、秋田銀行、みちのく銀行などは人材紹介会社との提携によって、人材紹介事業に参入しています。

これは2018年に入って金融庁が銀行の業務運営に関する考え方をまとめた監督指針の改正案を発表し、地方銀行が業務として人材紹介業を展開できるよう規制を緩和したことを受けての動きです。

「あれ、銀行は“副業”が認められないのでは?」と疑問に思ったあなたは、なかなか鋭いです。その指摘の通り、銀行には原則として銀行業以外の兼営を認めないという業務範囲規制が課せられており、本業以外の副業に手を出すことは認められていません。それが人材紹介業への参入は認めようという風に一部解除されたということです。

人手不足は地方では特に深刻です。地域の金融機関として多くの企業から頼りにされている地方銀行が人材紹介業の許可を取得したり人材紹介会社と提携したりすることで、人手不足に悩む取引先企業を人材確保の面からも支援できるようになることは大変に有意義なことでしょう。ハブとして多くの地元企業と接点を持っていることから、例えば工場を閉鎖したA社で働いていた人材を、新規事業に参入しようとしている異業種のB社に紹介する、ということも可能です。人材の流動化を通じて地域経済を活性化させることで、地方銀行ならではの価値の提供が可能になるといえます。

金融機関には、単なる融資だけではなく幅広い側面で取引先の経営課題を解決する役割が求められています。地方銀行の人材紹介業への参入は、地域企業への大きなソリューション提供につながるでしょう。

「押し付けないで」という懸念の声も

もちろんこれは地方銀行自身にとってもメリットのある話です。人口減少という構造的な問題に直面する地域において、融資の拡大や金融商品の販売手数料を伸ばすといったビジネスモデルだけでは、経営が行き詰まっていくのは明らかです。人材紹介業のような新しい事業を通じて新たな収益源を開拓していくことは、今後の生き残りに向けた有意義なチャレンジです。

さらに、これまで大都市圏での事業展開が中心だった大手人材会社も、地方銀行との提携を通じて地方での展開に力を入れていくはずです。その動き自体が各地域の経済を刺激することになるでしょう。

ただ、冷ややかな声があることも事実です。代表的なのが「銀行で使えない人材を企業に押し付ける動きが強くなるのでは」という懸念です。いわゆる“天下り”です。

力関係でいえば企業より銀行のほうが圧倒的に上ですから、特に中小企業の側のそうした心配も理解できなくもなく、銀行の手がける人材紹介ビジネスが成功するかどうかは、まず銀行自身がどれだけ優秀な人材を集められるかにかかっているのかもしれません。

まとめ

人材不足に悩む地方で、その解消の切り札になるかもしれないと期待されている地方銀行の人材紹介ビジネス。地域の人材流動化を通じて経済の活性化を図っていくことが求められています。

地方経済に新しい刺激をもたらしてくれることを期待したいところです。

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