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注目記事2018.11.28

火災保険料引き上げの背景にあるのは?

今年も1年の出来事を振り返る時期となりました。

印象的な出来事はいくつもありましたが、中でも自然災害は皆さんも強く記憶に残っていることでしょう。新年早々の豪雪に始まり、4月の「島根県西部地震」、6月の「大阪府北部地震」、西日本を中心とした「平成30年7月豪雨」、そして9月の「北海道胆振東部地震」…。台風の当たり年でもあって、夏には毎週のように台風に襲われました。

まさに災害大国・日本を実感させられた1年でした。実はこうした自然災害の多発による影響が懸念される業界があります。損害保険業界です。

損害保険会社の保険金支払額は過去最大

今年の夏、日本損害保険協会は「近年、国内外で自然災害リスクが注目されている。これらの自然災害は、国内損害保険会社の財務内容に大きな影響を与えるおそれがある」とのコメントを発表しました。

地震や台風といった大規模な自然災害が発生すると、損害保険会社は多額の保険金を支払うことになります。

実際、「平成30年7月豪雨」で、大手損害保険3グループによる保険金支払額は約1,500億円にも達しました。これは豪雨を中心とした風水害では過去最大規模の支払額です。台風の被害が広範囲に及んだことで、支払額が巨額になったとみられています。

さらに2018年度を通してみれば、大手3社での保険金支払額は1兆円規模に膨らむともみられています。これまでは3つの大型台風に見舞われた2004年度が約7,500億円で過去最高でしたから、いかに今年の保険金支払額が大きなものであるかがわかります。

増え続ける自然災害が大きな脅威に

自然災害の被害を補償するのは、火災保険です。

火災保険と聞くと住宅などの火事を真っ先にイメージしがちですが、実は台風や水害などで家屋や工場が燃えたり壊れたりした際に修理費を保証してくれるのも火災保険です。工場の設備・機械や家財の被害にも対応してくれます。地震については地震保険が対応しますが、地震保険単独では加入できず、火災保険とセットで加入するという仕組み。

このように、火災をはじめとして他の災害にも幅広く備える「オールリスク型」の保険が現在の主力です。2015年度のデータですが、火災保険での保険金の内訳で最も多いのは火災ではなく、自然災害関連が56%で最多となっています。まさに災害大国・日本に住む私たちにとって、火災保険はなくてはならない存在といえるでしょう。

そして、前述のように大型の自然災害が急激に増えてきたことで2018年度の保険金支払額はついに1兆円の大台を突破しました。

これを受け、大手損害保険グループは2019年秋に火災保険料を引き上げる方針を発表しました。既に19年1月には地震保険料も値上がりすることが決まっています。今後も自然災害が続くようなら、果たして損害保険各社の経営にどんな影響が生じるのでしょうか。気になるところです。

保険金支払いのためさらなる体力確保へ

実は損害保険業界には「異常危険準備金」というものがあります。これは大規模災害に伴う保険金支払いの巨額化に備えて、あらかじめ一定額を積み立てておく準備金のこと。要するに万が一に備えた“保険の保険”のようなものです。そのため2018年度の1兆円規模という保険金支払いが生じても、決算上の支出は少なくなるため、業績にはさほどの影響はないと見られています。

また、再保険も大きな役割を果たしています。再保険とは、保険会社同士でリスクを分散する仕組みのことで、日本の損害保険会社は自然災害リスクを海外の保険会社や再保険会社に移転しています。こうした点も安心材料の一つです。

とはいえ、これから10年20年という単位で見ていけば、地球環境問題の深刻化に伴って大規模自然災害がさらに増えていくのでは、という懸念もあります。そうした長期的な視点で、保険金支払いのための体力を確保しておくことは、損害保険会社に課せられた社会的な使命といえます。

まとめ

増え続ける大規模自然災害。2018年度は、損害保険大手3社の保険金支払額は総額1兆円規模に達するとみられています。これを受けて2019年秋に火災保険料は引き上げられることになりました。

とはいえ、損害保険会社各社の経営が急に大きな影響を受けるというわけではありません。長期的な視点のもと、増え続ける大規模災害に備えて保険金支払いのための体力確保に努めることが期待されます。

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