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注目記事2018.10.31

銀行サービスの24時間365日化に見える戦略とは

「コンビニがなかった頃って、夜中にどこで買物をしていたんだろう」
「ケータイがなかった時代は、遅刻の連絡はどうやっていたんだろう」…。

一つの革新的なサービスが世の中を大きく変えてしまって、昔の“当たり前”が何だったか、想像もつかなくなってしまうのはよくあることです。もしかしたら10年後には「昔は人間が自動車を運転していたなんて…」と言われるかもしれません。

そこまでドラスティックな変革とまではいきませんが、この10月、ある画期的なサービスがスタートしました。24時間365日、いつでも他行への振り込みができるサービスです。

新しいサービスの誕生

2018年10月9日、「モアタイム」と呼ばれるシステムが「全銀システム」に導入されました。これにより、銀行への1億円未満の送金が24時間365日、いつでも行えるようになりました(給与や賞与の振り込みを除く)。

これまで銀行間の送金は原則的に平日午前8時から午後3時30分まで、他行への送金は午後3時までしか行えませんでした。それが時間や曜日を気にせず、いつでも行えるようになったのです。

小売業や飲食業界では24時間365日営業はごく普通のことになっています。その中で銀行の対応は大きく遅れています。理由の一つに「銀行法」という法律で営業日が定められていることは以前にもご紹介しました。そして、送金については、今も名前の出た「全銀システム」に理由がありました。

銀行と銀行の間の取引は、銀行間を結ぶネットワークシステムを利用しなくてはならず、このシステムが「全銀システム」です。「全銀システム」は日本のほとんどすべての民間金融機関が参加している大変に重要なネットワークですから、万全のセキュリティが求められ、そのため24時間365日化のニーズがあっても、簡単には踏み切れなかったのです。

しかし以前からニーズへ対応するための準備を進めており、今回それが完了。午後3時以降に対応する「モアタイム」というシステムを追加することで、24時間365日のリアルタイム送金が可能になったのです。

このシステムにはメガバンクをはじめ、504の金融機関がスタート当初から参画。新たなサービスとして始まりました(みずほ銀行は次期システムの移行作業を進めているため当面は参加を見送ります)。

コスト増やリスク大といった側面も

この新しい送金サービスは、当然、ユーザーには大きなメリットがあります。

また、新しいシステムには新しいコストが発生しますから、その負担は銀行側が担うことになります。それでも、クレジットカードや決済代行業者が担っていた取引を銀行が行うようになることで、手数料収入が増加するというメリットが考えられます。

こうしたメリットの一方で、新たなリスクが発生するのではという懸念もあります。その代表的なものが「振り込め詐欺」です。これまでは振り込んだのが夕方以降だったら夜間に家族が気づくなどして水際で被害を食い止めることもできましたが、いつでもリアルタイムでの送金が可能となったことで、そうした対策もとれなくなり、被害が増えるのではと言われているのです。

もちろんその点は金融機関も十分承知しており、これまで以上に注意を呼びかけることになるでしょう。

フィンテック時代の戦い

さて、そうしたメリット・デメリットとは別に、別の視点での疑問もあります。それが「そもそも24時間365日の送金サービスは、そんなに需要があるのか」という点です。

よく例に挙げられるのが「都会の大学に進学している子供に深夜でもお金が送れる」という例や「急な怪我や病気でお金が必要になっても安心」といったケースです。しかし、クレジットカードはいつでも使えますし、急な買物が必要でもネットを利用すれば決済は後です。

この「本当にこのサービスが必要か」という疑問の向こう側に、既存金融機関の本音が透けて見えてくるのです。実は個人で24時間365日の送金が可能なサービスは既に存在し、利用できる銀行も増えているのです。

代表的なのはフィンテック企業が開発した「マネータップ」というサービスです。これはスマホのアプリを使って、登録した銀行間での送金がリアルタイムで行えるもので、ブロックチェーン技術が利用されています。そのほかにもLINEの「LINE Pay」やコンビニで現金を受け取れるセブン銀行のサービスなどもあります。

フィンテック時代のこうした新しいサービスに対抗していくためにも、銀行側も“今さら”と言われながらも24時間365時間の送金サービスの実現に踏み切らざるを得なかったのです。

まとめ

ほとんどの民間金融機関で24時間365日のリアルタイム送金を可能にした「全銀システム」。ユーザーにとっては利便性が大幅に向上しました。

その背景にはフィンテックの技術を応用した新しいサービスの登場に、銀行が従来から手がけてきたサービスが侵略されているという現実があります。フィンテック時代の覇権を巡る新旧の対決という見方ができるかもしれません。

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