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注目記事2018.5.16

逆風、強まる? これからの地域金融機関の目指す姿は

4月11日、金融庁が発表したある報告書が波紋を呼びました。
「地域金融の課題と競争のあり方」と題された報告書で、これは「金融仲介の改善に向けた検討会議」という金融庁の有識者会議がまとめたものです。

金融庁が有識者会議を通じて地域金融機関について言及するのは異例のこと。地方新聞が大きく報告書を取り上げるなど、波紋は各地方に広がりました。

その内容を通じて、地域金融機関の抱える課題と今後について考えてみます。

企業の数、生産年齢人口が急激に減少

日本経済はGDPベースで見ると上場企業が占める割合は3割程度で、メインとなって支えているのは地域の中小企業です。そのため経済成長の行方を握るのは、海外与信を伸ばしているメガバンクではなく、地域金融機関とみることができます。

しかし、報告書「地域金融の課題と競争のあり方」の冒頭では、「人口減少による資金需要の継続的な減少など、地域金融機関を取り巻く経営環境が構造的に厳しさを増している」と指摘し、「将来にわたって金融機関の健全性と金融仲介機能の発揮を両立させ、地域経済や地域の企業・住民の立場から最適な競争のあり方について議論を行った」としています。

要するに、地方での人口減少の問題が深刻化する中、今までの枠組みではいずれ立ちゆかなくなる、という危機感のもとで提言が行われたということです。

実際、事業性資金の需要者である企業の数は全国的に減少を続けています。また、生産年齢人口も多くの地域で急速な減少が進むとみられ、将来の資金残高の大幅な減少が予想されます。





こうした環境の中で、地方銀行をはじめとする地域金融機関は貸出残高を増加させようとして従来以上に競争を激化させています。

その結果、近年では県境を越えた貸し出しが増えており、都道府県内だけの競争にとどまらなくなってきています。

パソコンやスマホを通じた取引が急速に拡大したこともこの流れを加速させており、企業や個人が地域金融機関の店舗へ足を運ぶ必要性が減っています。

1行単独でも不採算の都道府県が23も

人口が減少し、貸出残高が減っていけば、地域金融機関の不採算店舗が増えていくのは当然のことです。店舗削減等の合理化が進められてはいますが、それでも人口減少の勢いには追いつけず、“金融機関が多すぎる”地域が目立っています。

こうした状況がさらに進めば「県内に1行でも不採算で存続できない」という地域が発生する、と報告書では警告しています。

そして、報告書によれば
◎1行単独でも不採算な都道府県が23
◎2行での競争は困難だが、1行単独ならば存続可能な都道府県が13
としています。





この報告のインパクトは大きく、「1行でも存続困難」とされた23の地域では衝撃が走りました。

地元の企業が地元の金融機関から借りるという当たり前だった構図は崩れていき、県レベルを超えた広域的な再編が進むのではないか、という見方もされています。

地域企業へのサービスの深化を進める

この報告書の発表より少し前の2018年1月31日、同じく金融庁では「政策評価に関する有識者会議」を行い、その内容を発表しています。そこでは、以下のような「構造的な課題の下での将来の銀行業務等の姿」という提言がなされています。

◎銀行は地域企業をサードパーティーとして活用し、連携していくことで、最適なサービスを提供していく形になるのではないか
◎収益を生み出すのは手数料収入かエクイティ投資といったプロフェッショナルサービスとなる
◎漠然とした統合ではなく、地域銀行が本来専門性を求められるような事業について、リソースを結集するための統合が必要

まとめ

地方の急速な人口減に伴い、1行でも存続困難とされる地域が発表されるなど、地域金融機関には強い逆風が吹いています。

日本の経済成長を支えているのは中小企業ですから、地域金融機関の果たすべき役割は今後も重要です。生き残りのために、県レベルを超えた再編が進んでいくことも考えられます。

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