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注目記事2018.03.07

そういえば前の名前って?銀行の行名変更について考える

2018年4月1日、日本を代表する金融機関の一つである三菱東京UFJ銀行が「三菱UFJ銀行」と行名変更することになります。“東京”の2文字が抜けるだけですが、やはり大きなインパクトがありますね。

自分の会社の名前が変わるという経験をする人はそれほど多いわけではありませんが、銀行の場合は意外と名前が変わっています。三菱東京UFJ銀行と並ぶメガバンクのみずほ銀行も三井住友銀行も、これまで何度も名前が変わっています。今回の三菱東京UFJ銀行の行名変更を機に、ちょっと振り返ってみましょう。

合併で名前が長くなる

私たち人間の場合、名前が変わることはなかなかありません。例外が結婚。夫婦別姓制度の問題はちょっと横に置いて、一般的には結婚によって女性か男性どちらかの名字が変わります。

銀行も同じこと。行名変更で最も多いのが結婚、つまり合併によるケースです。

今回の三菱東京UFJ銀行も、もとをたどれば三菱銀行と東京銀行の合併によって「東京三菱銀行」となったもの。おじさん世代に、三菱東京UFJ銀行のことをついうっかり「トーミツ」と呼んでしまう人がいるのも、「東京三菱銀行」時代の名残りです。

一方で、三和銀行と東海銀行が合併して誕生したのが「UFJ銀行」。その後「東京三菱銀行」に吸収合併されて、現在の「三菱東京UFJ銀行」となりました。 当時はその行名のあまりの長さに「書類に記入するのが大変だ」「フリガナがはみ出してしまう」といった声もあがったものでした。

このように合併した銀行の名前をそのままつなげるパターンは「三井住友銀行」にもあてはまります。

ただし、少々事情は複雑で、「三井住友銀行」は「さくら銀行」と「住友銀行」の合併で誕生し、そもそも「さくら銀行」とは「三井銀行」と「太陽神戸銀行」の合併によって誕生しました。 つまり「さくら銀行」時代は“三井”の名前が消えており、住友銀行との合併によって「三井住友銀行」という連名ながら“三井”の名前が復活したのです。当時はそのことに歓喜の声を上げる三井グループの人が多数いたものでした。

まったく新しい行名をつけるパターン

一方で意外と多いのが「みずほ銀行」のパターン。つまり、合併を機にまったく新しい名前になって生まれ変わるケースです。

「みずほ銀行」のルーツは、第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行によって設立された「みずほホールディングス」です。また、「りそな銀行」もこのパターンで、そもそもは「協和銀行」と「埼玉銀行」が合併して誕生した「あさひ銀行」がルーツでした。その後「あさひ銀行」が現在の「りそな銀行」に至るには非常にややこしい流れがあるのですが、複雑すぎるのでここでは割愛します。

今後、このパターンとして新しく誕生する予定なのが「きらぼし銀行」。 「東京都民銀行」「八千代銀行」「新銀行東京」が合併し、2018年5月に「きらぼし銀行」となる予定です。

なお、同じくまったく新しい名前に変わった銀行でも、経営破綻という負の歴史を経て再生したというパターンもあります。それが「日本長期信用銀行」が「新生銀行」となり、「日本債券信用銀行」が「あおぞら銀行」と行名変更したケースです。

インパクト十分なネーミングも

こうした行名変更の歴史の中でも、特に大きな話題を集めたのが、1989年に誕生した岡山県の「トマト銀行」でした。

相互銀行から普通銀行に転換するに際して、それまでの「山陽相互銀行」という地味すぎる名前を脱ぎ捨て、大胆に変身。平成元年という時代の大きな転換期ということもあって、このネーミングは大変な話題となり、流行語大賞の候補になったほどです。インパクトは非常に大きく、「トマト銀行」は一躍全国に名前を知られることとなりました。

語感から言えば前述の「きらぼし銀行」も、「トマト銀行」に近いものがありますが、一部では「ついに銀行にもキラキラネームが」とささやかれているようです。

もちろん「トマト銀行」はバブル崩壊の荒波もしっかり乗り越えて今でもちゃんと存在しています。「きらぼし銀行」も、先輩にあやかって頑張って欲しいものです。

まとめ

意外と変わりやすいのが銀行の名前。それだけ金融の世界は変化が激しいともいえます。

これから本格的なフィンテック時代を迎えることで、金融業界の環境はますます変わっていくでしょう。それが行名の変化にどんな影響を与えるのか、今後も注目したいところです。