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注目記事2017.10.25

来春、生保の標準生命表の改訂で何が変わる?

2017年3月、公益社団法人日本アクチュアリー会が2018年度に適用される標準生命表の改訂案を発表しました。これに基づくパブリックコメントを経て、金融庁が8月に告示改正を公布。2007年以来、11年ぶりに標準生命表の改訂が決まりました。背景には、日本人の長寿化という理由があります。

この10年で寿命が1歳以上延びる

標準生命表とは、年齢別、性別に応じて一定期間の死亡率をまとめた一覧表のことです。生命保険各社は、万一の際に保険契約者に対して確実に保険金を支払えるよう、お金を積み立てています。その計算に使用されているのが標準生命表です。

これを作成しているのが日本アクチュアリー会です。アクチュアリーとは、確率論・統計学などの数理的手法を活用して将来のリスクや不確実性の分析、評価などを行う専門職。そうした数学のプロフェッショナルたちが、現時点での私たちの死亡率についてまとめたものが標準生命表です。

今回の改訂では、
●40歳男性の死亡率が「1000人に1.48人(2007年)」から「同1.18人」に
●40歳女性の死亡率が「1000人に0.98人(2007年)」から「同0.88人」に
それぞれ改善されました。

全世代を平均した改善率は、男性で24.4%、女性で15.0%の改善でした。
一言で言えば、この10年で人が死亡するリスクは下がったということです。


背景にあるのは、医療技術の進歩や、景気の回復で自殺者が減ったこととされており、平均寿命は2007年に比べて男女とも1歳以上延びています。特に30~50歳の働き盛りの男性の死亡率は2割以上改善されています。

長寿化がリスクを押し上げる

死亡率が下がり、平均寿命が1歳以上も延びたのですから、これは大変に喜ばしいことです。そして、死亡率が下がるということはそれだけ死亡保険の支払いも減ることになりますから、終身保険や定期保険などの死亡保険の保険料は5%程度の下げとなる見込みです。

保険料改定は新規契約分が対象ですから、これから死亡保険に加入しようという方にはいい報せといえるでしょう。

ただ、話はそう簡単ではありません。というのも、寿命が延びたということは“長生きするリスク”が増えたことに他ならないからです。死亡率が低下したということは長寿化がさらに進み、病気になって入院する人が増えることを意味します。そのため医療保険やがん保険などの保険料は値上げされます。

さらに、年金保険や学資保険といった貯蓄型の保険は、既に保険料が上がっています。これらの保険は、契約者から預かった保険料を保険会社が運用することで利益を出し、将来に支払う保険金を確保しています。つまり保険会社の運用がうまくいけば効率的に元手を増やすことができるのに対し、運用がうまくいかなければ元手を増やすことが難しくなります。貯蓄型保険の保険料が上がったのは、まさに運用がうまくいかなくなったためです。

背景にあるのは日銀のマイナス金利政策。これによって生命保険会社の主な運用先である国債の利回りがマイナスとなり、運用益が減ったからです。

生保各社の体力によって戦略に違いが

このように標準生命表の改訂によって
●死亡保険の保険料は下がる
ものの、長寿化に伴って
●医療保険などの保険料は上がる
ことになり、一方で運用益の低下によって
●貯蓄型保険の保険料は上がる
という状況です。


例えば医療保険は成長分野であるだけに各社の競争が激しく、保険料は簡単には上げづらいでしょう。一方で死亡保険の保険料を下げると利益も下がりますから、保険会社の体力によって下げ幅も異なってくるでしょう。

生命保険会社にとっては舵取りが非常に難しい時代になったといえます。今後の各社の戦略に注目したいところです。

まとめ

2018年春に生命保険の標準生命表が改訂されます。背景には死亡率が低下し、長寿命化が進んでいることがあげられます。

それによって死亡保険の保険料は引き下げられる見通しですが、一方で長寿命化による入院などのリスクが高まったことで医療保険の保険料は上がり、運用環境の悪化から貯蓄型保険の保険料も上がる見通しです。

生命保険各社にとっては、戦略の難しい時代になったといえるでしょう。

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