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注目記事2017.06.21

株価はなぜ動く? 上がるとなぜ「いい」の?

「株価が上がった」というニュースを聞くと景気が良くなったと感じる人が多いと思います。ニュースや新聞などで目にする「株価」が上がる、下がるの話しですが、なぜ毎日株価が変動するのか。株価が上がると何が良いのか、皆さんはご存知でしょうか? 今回は経済と密接な関係にある「株価」について触れていきましょう。

株価はなぜ上下するのか?

株価は、買い手(需要)と売り手(供給)、それぞれの希望する値段と数(株式数)のバランスにより決まります。買いたい人が増えると株価は上がり、売りたい人が増えると下がります。株価の変動の要因は大きくわけて3つあります。


要因1 企業業績

株価を決める最大の要因になります。その会社が将来利益を上げることができるのか?またその利益はどの程度なのか?ということを先読みして株を売買します。企業業績の情報収集には、新聞、会社四季報のほか、テレビ、インターネット、証券会社などによるレポート、雑誌などを参考にします。

要因2 日本国内の政治・経済の動き(経済環境による要因)

新しい政策や法律の改正により、今までの経済の流れ・投資に関するルール(規制)が変わると影響される企業の株価も変動します。円高になると輸入企業にメリットがあり、円安になると輸出企業にメリットがあるので為替の変動も株価に影響がでてきます。

要因3 世界情勢や天災(海外情勢・その他の要因)

欧米の株式市場が好調なら日本国内への投資資金も増え、株価が上がる傾向がありますが、逆に紛争などが起きると世界経済全体への波及が懸念され、投資意欲が低くなり株価が下がることもあります。また天候や災害の自然環境なども株価に影響することがあります。

株価が上がると何が良いの?

では株価が上がるとどんな影響があるのでしょうか?投資家、企業、従業員のそれぞれの立場ではどんなメリットがあるのでしょうか。

【企業の場合】

(1)企業自体の価値が高くなる

株価の上昇によって、企業の時価総額も上がり企業価値も高まります。企業価値が高くなると、就活・転職活動をしている人たちからも安定した会社だと判断され、有望な人材も集まりやすくなります。優秀な人材が多く集まることにより、より良い企業へと成長できるようになります。


(2)資金を集めやすくなる。

金融機関からの信用度も高くなり、資金調達もしやすくなります。また、株による資金調達も容易になります。例えば、株価が1株で100円の時に100万円集めたい場合には、1万株を発行しなければなりません。ですが、株価が1株で1,000円だと100万円を集める場合には、1,000株の発行で済みます。


(3)経営が安定する

優秀な人材、潤沢な資金による設備投資、事業拡大が進み、経営が安定するというメリットがあります。また、株価が高い=企業価値が高いと、敵対的なM&A(買収・合併)の標的になりにくいこともあります。従業員、役員のストックオプション(自社株を一定の価格で購入する権利)制度を導入している会社では、株高が従業員のモチベーションを高める原動力ともなります。


【投資家(株主)の場合】

(1)資産価値が高まる

例えば、「1株=1,000円」の株を100株買ったとすると、10万円の資産価値になります。その企業の株価が上がり、「1株=2,000円」となれば、資産価値が20万円に上昇します。株価が上がればその分保有している株の資産価値も上がります。


(2)配当金の支払い

また株には「配当金」というものがあります。これは、企業が株主に「投資をしてくれたお礼」として、事業で得た利益の一部を分配するものです。

【従業員の場合】

企業価値が高まり事業が拡大することで、従業員には賃金アップが見込めます。またストックオプションを付与された社員は、会社の株価が上昇した際にストックオプションによって優遇された価額で株式を取得し、売却することができます。市場での株価との差額が株式を取得した社員にとっての利益になります。

株価を動かす「景気」との関係

「株価は景気の鏡」、「株価は景気に先行する」といったことを耳にします。株価を動かしている大きな要素は「景気」です。景気とは「経済動向」のことをいい、経済状態がいいことを「好景気」、悪いことを「不景気」または「不況」といいます。



図のように、株式市場全体が景気と密接に繋がっていることがわかります。


株価の下落は、株式投資には無縁の人たちにも影響を与える

株価の下落は、経済活動に大きな影響を与えます。例えば1000円で株を買った人が500円に値下がりしてしまい、財産が半分になってしまうことです。半分ならまだしも、企業が倒産した場合、保有している株の価値がまったく無くなってしまう場合もあります。

1929年に起きた「世界大恐慌」はニューヨークの株式市場から始まりました。米国の株式市場から始まった大恐慌は、アメリカだけでなくヨーロッパにもすぐに伝播し、世界経済のあらゆる分野に大きな打撃を与えました。物価は下落し、生産活動は急速に減少し、企業や銀行の倒産が続出して街中に失業者があふれました。1929年10月24日は「暗黒の木曜日」と呼ばれており、歴史・経済の教科書には必ず紹介されます。

株価の暴落によっては実際に株式投資をしている投資家や、上場している企業、その従業員以外にも直接的・間接的に関係している企業にも大きな影響を及ぼします。それだけ株価は経済活動全体と密接な関係にあるといえます。

就活生にとっても「株価」の動向をチェックすることによって、志望している企業の経営状況や今後の展望、業界全体の動向などが読み取れますので志望業界関連の株価の状況はチェックすることをおすすめします。