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注目記事2024.04.12

公的金融機関の存在意義や役割ってなに?
パート②系統金融機関

公的金融機関の意味や役割について解説するシリーズの2回目。今回は「系統金融機関」についてご紹介します。「系統金融機関」は、「系統中央機関」「中央金融機関」「系統中央金融機関」などと呼ばれ、地域や職域、事業体、団体などで組織された会員・組合員の相互扶助を目的とした協同組織金融機関(農業協同組合、漁業協同組合、全国森林組合連合会、信用金庫、労働金庫、信用組合など)の中央銀行のような役割を果たす金融機関のことです。傘下の金融機関同士の決済や資金需要の調整、経営状況の監督などを行っています。


農林中央金庫(略称:農林中金)

日本最大のヘッジファンドとして海外で知られている

1923年に農林水産業者の組合であるJA(農業協同組合:農協)、JF(漁業協同組合:漁協)、JForest(全国森林組合連合会:森組)などの共同組織により設立された系統金融機関です。第一次産業事業への貸付や、法人向けの大口貸付などを行っています。100兆円に届く規模の貯金事業「JAバンク」と「JFマリンバンク」を運営・運用しており、国内最大規模の機関投資家という一面も。海外では日本最大のヘッジファンドとして有名です。なお、「JAバンク」は、農林中央金庫・JA・信農連で構成される金融グループの名称で、「JFマリンバンク」は農林中央金庫・JF・信漁連とJF全漁連が運営する金融グループのことです。

信用農業協同組合連合会(略称:信農連)

JAの信用事業を担う地域金融機関

「JAバンク」を構成する信用農業協同組合連合会は、JA系統信用事業の都道府県段階の連合会組織です。主にJA組合員に向けた金融サービスを展開しています。なお、市町村段階ではJAが、全国段階では農林中央金庫が信用事業を行っています。

信用漁業協同組合連合会(略称:信漁連)

JFグループ内で都道府県段階の信用事業を行う

「JFマリンバンク」を構成する信用漁業協同組合連合会は、都道府県段階で主にJF組合員に向けた金融サービスを展開しています。なお、市町村段階ではJFが、全国段階では農林中央金庫が信用事業を行っています。

信金中央金庫(略称:信金中金)

街はもちろん、海外6拠点でも展開!

1950年設立。信用金庫の中央金融機関として、全国の信用金庫に対して経営指導や財政支援などを行っており、「信用金庫の守護神」と呼ばれています。国内外のさまざまな案件への投融資や海外進出の支援といった国際業務を行うことも認められており、2024年現在、ニューヨーク、香港、上海、バンコク、シンガポール、ロンドンに拠点を持っています。

労働金庫連合会(略称:労金連)

全国13の「ろうきん」が会員

1955年設立。労働組合、消費生活協同組合、そのほかの労働者団体が協同して組織・運営する、労働者のための金融機関。「中央ろうきん」「近畿ろうきん」など、日本の労働金庫の中央金融機関セントラルバンクにあたります。営利を目的とせず、会員全体に奉仕することを原則としています。

全国信用協同組合連合会(略称:全信組連)

信用組合の資金調整機関。機関投資家としての一面も

全国に145ある信用組合の系統中央金融機関 。預金・貸出金取引を通じて、資金に余裕のある信用組合から預金などを受け入れる一方、資金を必要とする信用組合に融資することで、信用組合業界全体の資金の流れを円滑にしています。また、国内の金融・証券市場で、4兆円を超える資金を運用する機関投資家としても活動しています。