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注目記事2016.06.01

メガバンクと地方銀行は何が違うの?

金融業界を志すなら、押さえておきたいこと

家賃や仕送り、バイト代の振り込みなど身近に接している銀行。金融業界を志したとき、まず検討候補に挙がることも多いことでしょう。しかし、銀行業界の全体像を把握できている人は少ないかもしれません。そこで、メガバンクや地方銀行といった銀行の種類やそれぞれの銀行が持つ特徴を紹介します。

実は、明確な定義がないメガバンク

新聞やニュースなどで取り上げられることが多い「メガバンク」。実は、法律などで明確な定義があるわけではありません。一般的に「3メガバンクグループ」といえば、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループを指します。ここにりそなホールディングス、三井住友トラスト・ホールディングスが加わると「大手銀行5グループ」、さらに新生銀行、あおぞら銀行が加わると「大手銀行7グループ」と表現されることがあります。

メガバンク≒都市銀行?

「メガバンク」や「大手5行」などと合わせて、耳にすることが多いのが「都市銀行」という名称です。都市銀行とは、日本全国の主要都市に支店を持つ、大規模な普通銀行のこと。預金量、貸出量が共に大きく、大企業や上場企業を取引先に持ち、国際展開も積極的に行っているのが特徴です。かつては、第一勧業銀行をはじめ13行の都市銀行が存在しましたが、“金融ビッグバン”などにより合従連合が進み、現在では三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行の4行に集約。「メガバンク」≒「都市銀行」と、ほぼ同義になっています。

大手銀行それぞれの特徴

三菱UFJフィナンシャル・グループは国内最大の金融グループで、邦銀初の純利益1兆円を達成。アメリカや東南アジアなどで業務を行うなど、国際展開にも積極的に取り組んでいます。

みずほフィナンシャルグループは、銀行、信託、証券の一体運営を推進中。自治体業務に強いのも特徴です。また、47都道府県すべてに支店を持っており、中小企業や個人取引も多く取り扱っています。

三井住友フィナンシャルグループは、効率性と収益性が高いことが特徴。アジアでの銀行買収や欧州での貸出やM&Aにも力を入れています。

3大メガバンクでは、以下の表のような違いがあります。

出典 会社四季報業界地図2016
三菱UFJフィナンシャル・グループ MUFGの経営戦略 ※2015年2月28日現在
みずほフィナンシャルグループ <みずほ>のネットワーク ※2015年12月31日現在
三井住友フィナンシャルグループの概要と戦略 ※2015年6月30日現在

りそなホールディングスは首都圏と関西圏の両方に地盤を持つといった特徴があり、三井住友トラスト・ホールディングスは国内最大の専業信託銀行グループで、不動産仲介や年金信託に強みを持つといった特徴があります。

再編が進む地方銀行

地方銀行は地銀とも呼ばれ、「全国地方銀行協会」の会員で、各地方や都道府県内を営業基盤としている銀行。法律上は都市銀行と同じ普通銀行となります。本店のある都道府県を中心に支店を置き、個人や地域企業といった地域に密着した取引先の多様な金融ニーズに応えるのが特徴で、地域振興や街づくりなど、地域金融の主導的な役割を果たすのも大きな役割のひとつです。

現在、地方銀行は「再編」という大きな転換点に差しかかっています。短期的には、「ゆうちょ銀行」の預け入れ限度額引き上げやマイナス金利、長期的には人口減少による貸出減少に対する備えなどから、都道府県を超えて地銀同士が合併することでビジネス規模の拡大を加速させようと試みています。

地方銀行それぞれの特徴

資産規模が大きな横浜銀行、千葉銀行、静岡銀行が3大地銀、ここに常陽銀行、京都銀行、福岡銀行を加えて6大地銀と呼ぶこともあります。6大地銀のなかでは、横浜銀行は東日本銀行と経営統合し、コンコルディアフィナンシャルグループを設立し、日本最大の広域地銀グループへと進化。常陽銀行は足利ホールディングスと経営統合し日本3位の広域地銀グループとなります。経営統合ではありませんが、千葉銀行は武蔵野銀行と業務・資本提携を結び、商品・サービス・ITシステムなどの共同開発、人材交流、グループ会社の相互活用などについて検討すると発表しました。

今後は、地銀の再編がより活発化することに伴い、都道府県を中心とした業務からより広域での業務が求められたり、異業種との提携によって業務範囲が広がったりすることも考えられます。

メガバンクと地方銀行の違いとは?

以下の表のように、営業エリアなどが異なります。

まとめ

豊富な資金量を背景に大企業や上場企業と取引を行い、M&Aなどの海外進出も積極的に行うメガバンク。グローバル化する経済環境のなか、海外の大手金融機関と競うため、より規模の大きな戦略を打ち出すことは想像に難くありません。一方、地方銀行は再編が進んでも、基本は各地方や都道府県という地方経済を担い、発展させるといった役割は変わりません。しかしながら、販路の拡大やマッチング、課題解決、事業承継、起業支援といったコンサルティング的なアドバイスもできる地域密着型金融への進化が求められています。