エリア限定職(採用)って?
エリア限定職とは、文字通り勤務地を一定のエリアに限定した職種のことです。「地域限定職」「エリア総合職」「特定総合職」「特定職」「準総合職」など企業によって名称はさまざまですが、原則として転居を伴う転勤がなく、自宅から通える範囲で勤務できる雇用形態のことを指します。意欲があっても事情により転勤を望まない人材の活用や、地域に密着した営業力強化を目的として、全国展開している大手企業を中心に導入される例が増えてきました。働く人の意識の多様化やワークライフバランスの充実を後押しする機運が高まっていることもあって、エリア限定職での採用が増えています。また柔軟な働き方を認め、優秀な人材の確保と定着を目指しています。地元就職を希望する学生にとっては、ぜひ押さえておきたい職種といえるでしょう。ただし、事前にエリア限定職で担当する職域の範囲や給与・昇給・賞与などの待遇面で、全国転勤がある場合との違いをしっかり調べておくことが不可欠です。

システムはさまざま
ひとことでエリア限定職といっても、企業によって働き方や勤務地域の範囲などは異なります。事前に確認しておきたいポイントを紹介します。
一般職・総合職のコース別採用の中間に据えるケースが目立ちます。しかし、企業によっては一般職に近い条件に設定するところもあれば、総合職に準じた条件で募集しているところもあり、入社後にする仕事の範囲はまちまちです。呼称に惑わされることなく、どのような働き方が求められているのかを確認しておくことが大切です。
通常の一般職・総合職とは別に設定されているケースがほとんどです。特に総合職でエリア限定採用を行っている場合は、通常の総合職に比べて低く設定していたり、昇進を限定しているケースもあります。条件面でどんな点が総合職と違うのかを把握する必要があるでしょう。
地域で設定されていることもあれば、支社や営業拠点単位の場合もあります。中には「関西」「東海・北陸」など、実際には転居を伴うような広い地域をエリア限定職と呼んでいる企業もあるので注意が必要。

地元就職を希望する学生にとってエリア限定職採用は魅力的な制度ですが、まずはじっくりと中身を検討することが大切です。自分の希望している職種や働き方と一致しているか?待遇面は満足できるか?支障なく通勤が可能か?などのポイントを採用情報や説明会などで事前にチェックしておきましょう。
導入が多い業界は?
エリア限定職自体は決して新しい制度ではありませんが、ここ数年で導入する業界が増えています。特に目立つのは銀行業界を筆頭に、証券会社、保険会社などの金融業界。そのほか、小売・サービス業や建設業、メーカーなどでも採用するケースが増えています。

確認しておきたい転換制度とは
エリア限定職を導入している企業の中には、通常の総合職への転換制度を設けているところがあります。エリア限定職で入社したものの、やはりキャリアアップを目指したいという社員に門戸を開くことで、モチベーションアップや優秀な人材の確保につなげるのが主な狙いです。また逆に、結婚や介護などの理由で転居できないケースのために総合職からエリア限定職への転換が可能な企業もあります。エリア限定職を希望する場合は、待遇などの制度面を考慮した上で、入社後のキャリアプランを計画しましょう。加えて、柔軟な働き方が可能であるのかなど、これらの転換制度の有無や実際の運用状況を確認しておくことも必要です。
