就活ジブン流How to Find Your Own

AIが進化する未来で
問われるのは人間本来の力。
幸せは自分の体に聞いてみる。

株式会社ロフトワーク
「100BANCH」コミュニティ・アドバイザー

加藤 翼 氏

Tsubasa Kato

PROFILE

1990年生まれ、千葉県出身。2015年、早稲田大学社会科学部を卒業後、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社へ入社。学生時代は、世界銀行フォーラムをはじめ、さまざまな国際会議の代表を歴任する。就職後、海外プロジェクトに携わりながら、関心領域であるデザインを学ぶために美大へ入学。2017年、株式会社ロフトワークへ転職し、「未来をつくる実験区」をコンセプトとする施設「100BANCH(ヒャクバンチ)」でコミュニティ・アドバイザーを務める。

国立公園のレンジャーになりたかったザ・理系の加藤 翼氏が、進学したのは私立文系の哲学コース。学究肌で研究職志望だった彼が、多彩な経験を積み重ねて外資系コンサルティング会社へ就職するまでの経緯を伺いました。

数式より難しいものに初めて出会った。
そう感じたのが「哲学」でした。

高校時代の夢は、生態系保全の研究職。大雪山国立公園のレンジャーになりたいと思っていました。東京大学理科二類のA判定が取れていたので、すっかり合格する気でいたのですが、なぜか一浪後も不合格。2歳違いの妹と同学年になるのを避けたかったため、理系の道をあきらめて進んだのが、文学部の哲学コースでした。哲学へ興味を引かれたのは、予備校の授業がきっかけ。英語の担当講師が哲学への造詣が深く、授業はほぼ哲学の雑談(笑)。話を聞く中で、理系の数式より難しいものに初めて出会ったと感じ、追究してみたくなりました。

新しいことに挑戦しないと人生後悔する。
関心の薄かった国際ボランティアの道へ。

大学の勉強はことのほか楽しく、好奇心のおもむくまま登録した単位は1年生の前期だけで約40。サッカーのサークルと生物同好会にも所属し、忙しい毎日を送っていました。国際ボランティアへ参加するようになったのは1年生の後期から。もともと生徒会活動などにまったくコミットしないタイプだったので、ボランティアへの関心も薄かったのですが、哲学の教えに触発を受けて「人生」を深くとらえる視点が生まれたとき、あえて関心領域以外の分野へ分け入ってみたくなりました。手放した東大理系の道に代わる何かを得るためにも、自主的にリスクをとり、新しいことへ挑戦したいと感じるようになったのです。

立ち上げた団体が急成長。
転部で学んだ「経営学」が
進路の決め手に。

国際ボランティアの活動に参加し、まず実感したのは、視野の広がり。学生ながらに世界中を飛び回るような人がいて、無茶とも思えるスケールの大きな理想論が飛び交い、どんな世界観も受容する雰囲気が魅力でした。一方で気になったのは、せっかく世界の問題解決を目指しているのに目先のイベント運営や人集めに労力がかかり、ともすればただの偽善者扱いで終わりかねない現実。先輩が有する豊富な知識や経験が国家レベルへ届くスキームを構築するため、僕が主宰で団体を立ち上げることにしました。発足した矢先に東日本大震災が起き、その支援を皮切りに、たった1年で国の機関から声が掛かるプロジェクトへと成長。最終的には、僕が日本代表で世界銀行の会合へ参加するなど、多くの貴重な経験を得ました。
国際支援のフィールドを本業にしようと決意し、外務省や国際機関の職員を目指すためにマスターへ進める社会科学部へ転部。その後、経営学の授業で、自分の手掛ける団体運営が「経営」に近いことを知り、コンサルティングの分野へと興味が広がったのが、外資系コンサル入社のきっかけです。

正解を求めるマインドセットを壊し、
感覚を研ぎ澄まして心の動きをつかむ。

現在は、若者の開発プロジェクトを支援する仕事をしながら、大学の通信教育でデザインを学んでいます。学生時代から「デザイン思考」や「デザイン×ビジネス」のテーマに関心があり、就職活動ではデザインファームへも目が向きました。僕は、新しいことを創造したい人が周りにいると、好奇心が刺激されて最高に楽しい。開発・創造の場をつくり、後方支援する「最強の黒子」になりたいです(笑)。
就活生の方へ伝えたいのは、正解を求めすぎないこと。人工知能やロボティクスの発展が進むと、正解を出す力より、もっと人間本来の力、エモーショナルでピュアな部分を問われるようになります。たとえば「公認会計士」は、そう遠くない未来にロボットの仕事になるかもしれない。だから、いま公認会計士になりたい人は、その気持ちがどこから来るのか、何が欲しくてそれなのかまで、わかることが大事です。その訓練を早急に始めるべき。人間の脳は自らの感情をメタ認知するのが不得手なため、体をインターフェースとして有効活用するのも手です。「ハラワタ煮えくり返る」「手に汗握る」などは、体のセンサーで感情を検知している状態。頭で考えるより、運動して汗をかいて体の感覚を研ぎ澄ますほうが、心の動きや自分の答えをつかみやすくなるかもしれません。

CAREER

2010
早稲田大学文学部入学
2012
早稲田大学社会科学部転部
2013
Boston University College of Arts & Sciencesへ留学
2015
早稲田大学社会科学部を卒業。EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社へ入社
2016
京都造形芸術大学空間演出デザイン学科へ入学
2017
株式会社ロフトワークへ転職