就活ジブン流How to Find Your Own

生き方は定義されていない。
やりたい人生を実現したいなら、
まずは己を知るのが先決。

株式会社 trippiece CEO

石田 言行 氏

Ian Ishida

PROFILE

いしだ・いあん 1989年生まれ、東京都出身。中央大学商学部商業貿易学科卒業。大学1年生のとき、他大学の学生とともに途上国支援の学生団体「うのあんいっち」(NPO法人を経て、現在は任意団体)を立ち上げる。大学3年生の2011年3月、株式会社 trippiece(トリッピース)を設立。ユーザー同士がオリジナルの旅をつくり上げ、催行するためのソーシャル・サービスを提供している。著書に『言行一致』(いろは出版)がある。

「“好き”で隔たりのない世界をつくる」をミッションに、「旅」のプラットフォームを運営する石田 言行氏。「人生を捧げるに値する」そう言い切れる仕事を見出した学生生活の過ごし方を伺いました。

大学入学時の目標は、
大手広告代理店への入社。

大学入学前は、将来の展望として興味の軸が2つありました。1つが、起業家。これは、中学生の頃、ホリエモンブームに刺激されてインターネットビジネスをかじった影響です。携帯サイトをつくってアフィリエイトで稼ぐなど“価値を提供してお金を得る”経験が楽しく、起業に関心を覚えました。一方、両親が出版社勤務だった影響から興味を引かれたのが、コピーライティングの分野。幼い頃から本や文章が好きで、子ども心に、言葉ってすごい、と感じていました。いずれも、仕事内容を具現化できていなかったため、大学入学時は「大手広告代理店への入社」を第一目標としていました。

さまざまな団体の活動へ参加。
早く自分の強みを見つけたかった。

大学入学と同時に5、6個のサークルを掛け持ちし、さまざまな活動に取り組みました。国際協力に関連するものが多かったのですが、活動内容そのものより、いろいろな経験をして自分の強みを見つけることを重視していました。その中から、1つに絞ったのが、途上国支援をする「うのあんいっち」。メンバーが非常に優秀で、この活動に時間を割きたいと感じたからです。僕は、中学から続けていたバドミントンを、「同学年の男子部員がいない」「部内で一番強くなってしまい意欲もわかない」という理由で高校時代に投げ出してしまった経験があります。環境のせいにしてはいけないと思う一方で、「ライバル的な存在がいれば続けられた」と悔やむ気持ちが残ったのも事実。だから、“どんな人と一緒にやるか”に人一倍こだわりがありました。

良い仲間と良い体験ができる場を。
その思いが起業の原点。

大学2、3年生次は「うのあんいっち」の活動に注力し、その一環で、バングラデシュへのスタディツアーを組んだのが起業のきっかけとなりました。初めて訪れたイスラム圏の国で異文化に触れる体験は何もかもが新鮮。同じ旅を志した仲間とは共鳴する部分が多く、貴重な出会いを得ました。「良い仲間ができて、良い体験ができる」。これを求めている人は、きっと多いはず。そうした場を提供する事業なら、人生を捧げても良いと感じたのが起業の理由です。
trippieceを始めた少しあとで、入学当初の目標だった大手広告代理店の採用試験を受けて内定もいただきました。最終的には“自分らしさをよりダイナミックに体現したい”と事業を続けることにしましたが、目指していた企業から内定をいただけたことで大学生活が大きく肯定された気がして、とてもうれしかったのを覚えています。

自分に対して素直に、
目標に対して貪欲であれ。

進路選択の面で、僕は環境に恵まれていたと感じます。大学受験の際に通った塾で、将来の目標が明確に定まっている仲間と出会い、早くから進路を考え始めることができました。今は、インターネットの普及で稼ぐ形が多様化し、終身雇用の概念も崩れつつあるため、生き方を自分で定義づけなければならない時代です。アメリカの非営利組織・Upworkによるフリーランス実態調査では、2016年の米国のフリーランス人口は、米国労働人口の35%になっており、2020年には2人に1人がフリーランスになると予測しているそうです。生き方を自分で決めるためには、何よりも「自分を知ること」が大事。他者との会話、自分との会話、それぞれ得ることがあるので、恥ずかしがらずに両面から向き合う姿勢が大切です。僕の経験則では、理想像から差異を測る目線で自己分析すると現在地をつかみやすくなるような気がします。例えば「論理的思考ができる」など、5つぐらいの要素を挙げて、理想と現実を見つめてみるのです。差異を埋めるのは容易ではありませんが、学生の間は、まず己を知り、自分に素直に、目標に貪欲に臨む姿勢だけで十分。正直言って、学生時代に身に付けられるスキルや能力は、その後の伸びしろに比べたら誤差範囲に過ぎません。そういう意味では、就活で多少失敗しても人生の大勢に影響が及ぶこともないので、失敗してもすぐに立ち上がり、描く理想像を愚直に目指していってほしいですね。

CAREER

2008
中央大学商学部商業貿易学科へ入学。途上国支援の学生団体「うのあんいっち」を立ち上げる(2008年、NPO法人化。現在は任意団体)
2011
大学3年次、株式会社trippiece(トリッピース)設立
2013
中央大学商学部商業貿易学科を卒業。ベンチャーキャピタルファンド・Draper Nexus などから約2億円の資金を調達に成功する
2015
初の単著となる『言行一致』(いろは)を出版