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対象別特集 キャリタス 薬学生

医薬品メーカーには多種多様な仕事があり、挑戦できるフィールドが広がっている。薬剤師資格にとらわれず、就職を幅広い視野で考えてほしい。

船井 俊秀 氏

  • アステラス製薬株式会社
  • 営業本部 人材開発部
  • 人材企画グループ 採用担当

薬学生の就職の選択肢の中で、医薬品業界は独特のポジションにあるといわれています。
というのも、その専門性を活かせる分野であることは確かですが、薬剤師資格が必須のものではないからです。それゆえに、医薬品業界は、仕事の幅や可能性が大きく広がるといってもいいでしょう。今回は、大手医薬品メーカー、アステラス製薬株式会社の人材開発部で採用を担当する船井俊秀氏に、医薬品業界で薬学生が活躍できるフィールドや働く魅力を、率直に語っていただきました。

—最初に、現在、医薬品業界を取り巻く現状についてお聞かせください。

皆さんもご存じのように、社会保障費が財政を圧迫している現状があり、その中でも約3割を占める医療費は抑制する方向が政策として示されています。具体的な取り組みの一つが、薬価の安いジェネリック医薬品(後発医薬品=特許の切れた医薬品をほかの医薬品メーカーが製造供給する医薬品)使用の推奨です。そうした環境下、私たち新薬メーカーはいかに新薬の価値を最大化できるかが問われています。特に、高品質で革新的な新薬をスピーディーに市場に供給することは重要な責務です。一つの新薬を市場に供給するまで9~17年かかるといわれており、その短縮化は積年の課題としてありました。今後一層、新薬開発のスピード化が求められてくると考えています。

もう一つの大きな変化は、医療環境の変化に伴いMR(Medical Representative=医薬情報担当者)の仕事の質が変わってきていることです。MRは医薬品の適正使用のために医療関係者を訪問し、医薬品の品質・有効性・安全性などに関する情報の提供・収集などをミッションとしています。かつては、自社で蓄積・整理した情報を提供すれば医療関係者のニーズに応えることができました。しかし現在、各種情報はインターネットなどによって、誰でも得られる状況にあります。ただ、誰でも得ることができる一律の情報には、それほど価値がありません。そこで大切になってくるのが、患者さん基点に立つ情報提供活動です。それぞれの患者さんの疾患や症状の情報をキャッチしていくだけでなく、患者さんの気持ちや、そのご家族の気持ちにまで想いを広げて情報を届けることが求められています。かつてMRは医師の専門性に合わせた情報提供活動を行うことに重きが置かれていましたが、時代の変遷とともに患者さんの立場に立って考え、行動していくことが要請されるようになってきました。そういった背景がありますので、顧客ニーズを的確にとらえた情報提供・処方提案を通じて患者さんに貢献できる人材の確保・養成が私たち医薬品メーカーの急務の課題となっています。

—医薬品メーカーには具体的に、薬学生が活躍できるどのようなフィールドがあるのでしょうか。

私たちは「薬」を扱っているわけですから、すべてのフィールドで活躍できるといっても過言ではありません。創薬研究、技術研究、臨床開発、MR、学術などの医薬品と直接かかわる仕事はもちろんのこと、広報、人事などのバックオフィスから製品戦略、経営企画にいたるまで、薬学生の皆さんの知見を活かせる場が数多くあります。決まったキャリアデザインではなく、能力とやる気があれば何にでもなれるのが医薬品メーカーというフィールドです。

私たちが注目していることの一つは、薬学生卒が6年制になったことです。それによって実習期間が長くなりました。これは先に申しました、MRが患者さんの立場に立つ、患者さん基点を実践する上で極めて有効であると考えています。薬学生の皆さんは、実習によって今の医療の現場の考え方の基礎を把握し、肌感覚として理解していると思います。これは、MRとしてキャリアをスタートする上でアドバンテージがあると言えます。MRは、患者さんを支えるさまざまなステークホルダーと接する中で、自ら考え、学び、話し込み、自分にしかできない患者貢献を突き詰められる職業です。多様な価値観、考え方を持つ人と接することを楽しめる方であれば、今の時期だからこそ、じっくり就職について考えてみてはいかがでしょうか。

—採用の現場で、今の薬学生に接して感じる率直な感想をお聞かせください。

皆さん、まじめでコツコツ努力するタイプの人が多く、そのバランスの良さ、安定感は抜群だと思います。しかし裏を返せばまじめであるがゆえに、既存の枠から出たがらない人も多いのではないでしょうか。薬剤師資格を取得したことは高く評価しますし、またその専門性を活かしたいという気持ちも理解できます。しかし、もし皆さんの中で、資格ありきでご自身のキャリアの幅を狭めてしまう方がいらっしゃったら、それはもったいないと思います。

薬剤師資格を取得した人の中には、その資格を活かして病院や調剤薬局、ドラッグストアで働くことを志望する人も多いと思います。その際、自分が「なぜその仕事を選択するのか」を明確に言語化できる信念、ポリシーが必要だと思います。信念のない仕事には誇りを持てませんし、長続きしません。何より、就職に際しては「自分が選んだこの仕事で生きていくんだ!」という覚悟が必要だと思います。

—医薬品メーカーで働く魅力はどこにあると感じますか。

先に申しましたように、医薬品メーカーでの仕事は多種多様であり、挑戦できるフィールドが広いことは大きな魅力の一つだと思います。また、当社を含め、大手医薬品メーカーの活動はグローバルです。文字通り、世界をまたにかける仕事も多々あります。医薬品を通じて「こんなことをやってみたい」という皆さんの想いを、意欲や情熱で実現できる可能性の大きい場が医薬品メーカーです。薬学生の皆さんには、いろいろなことができる、その面白みに気づいてほしいと思っています。

私は現在の仕事の前に、14年間、MRを担当していました。MRは端的に言えば、情報の提供と収集を通じて新しい薬を世の中に広めていく業務です。その社会貢献の大きさを実感すると同時に大きなやりがいも感じられます。また、MRは患者さんの生命や健康にかかわる者として医師の処方に影響を与えることができるのも大きな特徴です。「患者さんとそのご家族の気持ちになること」を決してぶれない軸として適切な情報提供を行うことが、医療の現場を変えていくことにつながっていきます。MRという仕事の醍醐味がそこにあります。

—どのような人材を求めていますか。

画一的ではなく、多様な人材を求めていますから、限定した求める人材像というのがあるわけではありません。さまざまな強みを持っている人の集団が組織の強さだと思いますから。そうした中でも、何かしら光るエッジを持った人に期待したいと思っています。たとえば、日々の情報提供活動では、一人の医師に60人以上のMRが訪問すると言われています。その中で医師にとって「良き薬物治療のパートナー」となれるのは3~4人。信頼され、埋もれない存在になるためには、何かしら光るもの、武器が必要です。単に、薬剤師資格があるというだけでなく、プラスαの武器が求められます。就活に臨むにあたって、たとえば自己分析などでは、ネガティブな要素を潰していくのではなく、自分の武器、強みを見出し、伸ばしていく姿勢で取り組んでほしいと思っています。

—最後に、これから就活に臨む薬学生にメッセージをお願いします。

薬学生の皆さんに限ったことではありませんが、就活には、どこか不安なイメージがつきまとうと思います。なぜ不安なのかといえば、今まで学生の間は無限の可能性を持っていたにもかかわらず、就活では、その可能性の中から一つを選ばなければならないところにあるのではないでしょうか。でもそのことを不安がる必要はまったくありません。一つの企業、仕事を選んだ後、またそこから可能性はどんどん広がります。就活というと「どの会社を選ぶか」「何の仕事を選ぶか」ということに目が向かいがちですが、もう少し視野を広げて就活をとらえると「どのように生きていきたいか」ということを考える機会でもあるのです。就活を楽しく、前向きに、というのは少々骨の折れることかもしれません。しかし、これから皆さんが出ていく「社会」というところは、実は、結構楽しい場である、ということはお伝えしておきたいと思います。大変な場面に出くわすこともありますが、それを乗り越えていくからこそ、世の中は面白いのだと思います。そう思えば、社会に出て、「どのように生きていくか」「自分がどう成長していきたいか」を考えるのはワクワクしませんか?

私たちは、皆さんが勇気を出して社会へ一歩踏み出してこられるのをワクワクしながら待っています。ぜひ、悔いが残らないよう、完全燃焼で就活を終えてください!

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