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業界の最新動向を学ぼう

調剤薬局

医薬分業政策によって増加した調剤薬局

調剤薬局とは、薬剤師が常駐し、医師からの処方せんに基づいて薬を調製し、患者に正しく使用するように注意点を説明する服薬指導を行う薬局のことを言います。厚生労働省の統計によると2012年度末の薬局数は5万5797カ所で、前年度の5万4780カ所から1017カ所増加(1.9%増)し、微増ながらも増加を続けています。

増加を続けている背景には、政府が推し進めてきた医薬分業の動きがあります。従来、わが国では病院や診療所で診療を受けた後、その病院内で薬をもらうという形態が主流でした。しかし、増加し続ける医療機関の薬局調剤医療費を圧縮するため、政府は医薬分業を推進。患者が独立した調剤薬局に医療機関が出した処方せんを持ち込み、そこで薬を受け取るという院外処方に変えたのです。

その結果、1990年代には低かった全国平均の処方せん受取率は、2000年代に入ると上昇して50~60%まで増加しました。日本薬剤師会によると、2013年2月の処方せん受取率は全国平均で67.9%となり、今や医薬分業はしっかりと根付いたと言っていいでしょう。

そのような状況の中、2014年4月に2年に1度の調剤報酬・薬価改定が実施されました。調剤基本料は処方せんの受付1回につき40点から41点と1ポイントのプラス改定となりました。高齢化の進行によって医薬品の需要は拡大を続けると予想されており、今後も調剤薬局は増加していくと思われます。

シェアアップを目指し勢力拡大を図る大手チェーン各社

調剤薬局業界では、大手チェーン店を中心に合併や買収の動きが活発で、グループ化が進んでいます。現在、調剤薬局のチェーン展開を進めている大手企業としては、アインファーマシーズ、日本調剤、総合メディカル、クオールなどがあります。

このうち主要各社の動向を紹介すると、アインファーマシーズは1969年に創業。もともとは受託臨床検査を行っていましたが、その後調剤薬局を開始し、M&Aや都市型ドラッグストアの出店によって成長。2014年4月期の売上は前年同期比10.1%増の1702億2500万円、2014年4月末時点で全国に675店舗(前期比54店舗増)を展開しています。

日本調剤は1980年に設立され、調剤薬局チェーン店の展開を進めてきました。グループ会社には、ジェネリック医薬品の製造販売を行う日本ジェネリック株式会社や、薬剤師や医師、看護師などの医療人に特化した人材サービスを行う株式会社メディカルリソースなどがあります。2014年3月期の売上は前年同期比18.6%増の1653億円、2014年3月末現在で直営・子会社店舗合わせて494店舗(前期比28店舗増)を展開しています。

総合メディカルは1978年に設立され、医業経営コンサルティング、医療機関への医師の紹介、医師の転職・開業支援など、経営のトータルサポートも手がけています。2014年3月期の売上は前年同期比19.2%増の1033億円、2014年3月末時点の店舗数は493(前期比76増)になっています。

クオールは1992年に設立。調剤事業のほかに治験や食品CRO事業、薬剤師派遣事業も手がけています。合併などにより成長を続け、2014年3月期の売上は前年同期比31.5%増の1009億円、3月末現在、グループで520店舗(前期比82店舗増)を展開しています。

このようにシェア拡大を目指してさまざまな動きを見せる各社ですが、調剤薬局業界では、大手企業のシェアが低いため、今後もまだまだ業界再編は進むとみられます。

調剤薬局ならではの専門性を打ち出し利用者に訴求

調剤薬局には大きく分けて、医療機関の門前に展開する門前型と、地域に密着し特定の医療機関に依存しない面対応型(もしくは地域型)、そして医療モール(複数の医療機関が集まる施設)に併設した医療モール型の3つのタイプがあります。最近では、コンビニエンスストアチェーンと提携し、調剤薬局にコンビニエンスストア機能を付加したタイプの店舗も登場してきました。

調剤薬局では、地域の顧客から選ばれる「かかりつけ薬局」となる取り組みに力を入れています。かかりつけ薬局とは、何か健康に不安があったときに気軽に訪れて診療してもらったり、相談したりできる「かかりつけ医」の薬局版。利用者にとっては、かかりつけ薬局を決めておけば、自分がこれまでどんな薬を服用してきたかなどの薬歴の管理をしてもらえるほか、薬の使用方法や飲み合わせに関する疑問があったときには、気軽に訪れて相談に乗ってもらうことができます。一方、調剤薬局側は、地域の顧客を取り込むことができるため、かかりつけ薬局としての機能強化に力を入れています。

また調剤薬局チェーンの中には、ジェネリック医薬品の使用促進に取り組んでいるところもあります。2008年4月から処方せん様式が変更され、処方せんに医師の処方の変更不可指定がなければ、特許切れの先発医薬品名で処方されても、ジェネリック医薬品に変更できることになりました。処方された患者の判断で薬が選択できるようになったのです。しかし、患者は薬に対する十分な知識がないため、選びたくても何を選んでいいのかわかりません。そんなときに、調剤薬局の薬剤師が専門家としてアドバイスをすれば、患者はより安価で適切な薬を選べるようになるというわけです。

さらに在宅医療への取り組みをスタートさせる会社も現れています。厚生労働省では、在宅医療をはじめとする地域医療において薬剤師の活用を促進すべきだという見解を示しており、薬剤師が自宅や介護施設へ処方薬を届けるなどのサービスを開始している会社もあります。

ネット通販、異業種との提携、宅配調剤の拡大などで
売上アップを目指す

そのほか、各社とも独自の戦略でさらなる売上拡大に挑戦しています。

アインファーマシーズでは、既存薬局の業務改善を行う「考える薬局プロジェクト」を推進するとともに、薬剤師の採用、教育研修の充実、設備投資により薬局機能を向上させる方針です。また、ジェネリック医薬品専門卸である子会社のホールセールスターズを中心としたジェネリック医薬品の使用促進を通じて、グループとして収益を確保。その一方で、都市型ドラッグストア「アインズ&トルペ」の継続的出店によって事業拡大を図る計画です。

日本調剤は、2014年2月3日よりインターネット通販サイト「アポセレクト」の運営を開始しました。全国にある同社の薬局で商品の受け取りができるのが特徴で、店舗で薬剤師から使用方法などのアドバイスを受けてから購入することにより、安心して利用できるようにしています。特に市販薬とも呼ばれるOTC医薬品(一般用医薬品)については、薬局での受け取りのみとしています。また、2013年度に9店舗の医療モール型店舗を出店、2014年度も引き続き同様のペースでの出店を継続していきたいとしています。

クオールは、調剤薬局とコンビニエンスストアを一体化したコンビニ併設型を引き続き積極的に出店していく方針です。また宅配調剤の拡大を進め、全店の5割にあたる280店に増やす計画です。

今後も競争が続く調剤薬局業界で成長を継続していくためのカギは、調剤薬局ならではの専門知識を生かしつつ、多様なニーズに応えていくことだと考えられます。

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