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業界の最新動向を学ぼう

CRO・SMO

今や医薬品開発に不可欠な存在となったCRO・SMO

新薬の開発はいくつかのステップに分かれますが、その中で製品化を目指す薬物が人に対して有効かつ安全であるか試験をすることを臨床試験(治験)と言います。治験の実施にあたっては、「GCP(Good Clinical Practice)」という国が定めた厳しい基準に沿って、被験者の人権や安全の確保に配慮するよう定められています。

治験は、製薬会社の依頼によって医療機関において行われます。製薬会社に代わって開発業務を担う会社をCRO(Contract Research Organization、医薬品開発業務受託機関)、医療機関と契約してGCPに基づいた適正な治験が行われるように治験業務をサポートする会社をSMO(Site Management Organization、治験施設支援機関)と言います。

わが国でCROやSMOが注目されるようになったのは、1998年4月に施行された法改正で治験の基準が厳しくなったことがきっかけです。書類の整備・管理、手続きが複雑になり、治験を行う製薬会社や医療機関では人的にもコスト的にも負担が大きくなったことから、アウトソーシング化が進み始めました。

その後、需要の拡大に伴ってCRO・SMO市場はともに拡大しています。日本CRO協会によると2013年におけるCRO各社の総売上高は1368億円で、前年比2.9%増となりました。また、総売上高に占める医薬品開発業務(非臨床を除く)の売上高は約36億円(1165億円→1201億円)増加しています。

また、日本SMO協会によると、SMO各社の2012年の総売上高は前年比15.8%増の412億7900万円となっています。治験のみならず、製造販売後調査業務や臨床研究関連業務、それに伴うIT関連業務というように業務の幅も広がっており、今やCRO・SMOともに医薬品開発や育薬のプロセスにとってはなくてはならない存在になっています。

CRO・SMO業界で活躍するスペシャリストたち

CROではCRA(Clinical Research Associate、臨床開発モニター)をはじめ、データマネジメント・統計解析、メディカルライターなどのスペシャリストが活躍しています。CRAとは治験モニタリング担当者のことで、治験が法規や計画書に沿って実施・記録・報告されているか、また被験者の人権や安全、福祉が保護されているかをしっかりと確認します。データマネジメント・統計解析担当者は、治験で集まった症例報告書データの入力・チェック・集計・解析といった症例データの管理業務、統計解析計画の立案や計画書・報告書の作成に携わります。メディカルライターは、薬事法や各種ガイドラインを順守しながら、治験などに必要な各種申請書類や報告書、論文を作成します。

一方、SMOの代表的な職種はCRC(Clinical Research Coordinator、治験コーディネーター)です。CRCは、医療機関において担当医師の指示のもと、治験業務フローの作成から被験者対応、治験担当医師対応、関連部門との連絡・調整など、治験業務全般をサポートします。

これらCRO・SMOで働く社員たちのやりがいは、新薬開発の過程に携わることによって医療の発展に寄与でき、薬の登場を待ち望んでいる多くの人々に貢献できることです。そして多くの関係者たちと協力し合いながら治験を成功に導き、担当する新薬がリリースされたときには、非常に大きな達成感が得られます。

グループ力強化と海外展開を進めるCRO・SMO各社

近年、製薬会社は治験体制が充実した大手企業に治験業務を発注する傾向が強くなっています。そのためCRO・SMO業界では、各社が合併やM&Aを繰り広げ、幅広い業務に対応できる体制の整備を進めてきました。

現在、CRO業界の主な会社には、シミックグループ、イーピーエスグループ、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン、メディサイエンスプラニングなどがあります。一方SMO業界の主な会社には、綜合臨床ホールディングス、アイロムホールディングス、サイトサポート・インスティテュート、イーピーミントなどがあります。

CRO・SMO大手各社では、業務提携などにより、グループ力の強化や海外展開などを進めています。イーピーエスは、2013年12月にグループ会社イートライアルとともに日本ヒューレット・パッカードと製薬会社向けITソリューションの提供について業務提携。今後は3社共同で製造販売後調査業務のソリューション拡販を計画中です。また、同社は2014年2月に国内でCRO事業を展開する日揮ファーマサービスの株式を取得し、グループ会社としました。

一方、シミックホールディングスは、2013年10月に、イギリスに本社を持つグローバル医薬品開発製造受託機関Aesica Pharmaceuticals Limitedと協同事業展開の検討に関する協業覚書を締結しました。これより、CMO(医薬品製造支援)事業のヨーロッパ・日本・アメリカにおける事業拡大を狙っています。また、2014年5月には、米国NASDAQ市場に上場する臨床試験ソリューションのリーディング・プロバイダーであるメディデータとの連携を強化。同社が開発した多言語対応の電子患者日誌システムMedidata Patient Cloudの認定を取得し、サービスラインアップの拡張を行いました。最新IT技術を取り入れることにより、臨床試験をさらに加速するのが目的です。

また、綜合臨床ホールディングスは、SMO事業を中心とした協力により競争力をより強化するため、2013年3月にイーピーエスと資本業務提携。子会社である綜合臨床サイエンスとイーピーエスの子会社であるイーピーミントとの間で業務提携契約を締結し、臨床試験および臨床研究の実施支援業務において補完、協力し合うことで合意しました。

アイロムは、2013年10月に東北・関東・関西で事業を展開するMCフィールズの、また2014年4月には北関東を中心に事業を展開するエクセルの株式を取得するなど、国内でのSMO事業の拡大を図っています。同時に、アジア・オセアニア地域を中心としたグローバル治験ネットワークの強化を推し進めています。

今後も合併やM&A、海外企業との業務提携などにより、CRO・SMO事業を展開していく動きは進んでいくものと思われます。

世界標準準拠の業務受託サービスを提供するCROも登場

2016年度より新医薬品の製造承認申請を行う場合、CDISC標準に準拠した臨床試験データの提出が義務化される予定です。CDISC標準は米国発の標準仕様で、今や新薬開発において事実上の世界標準として、国や地域を超えて臨床データの流通を可能にする共通インフラとなってきています。日本では、臨床データのインフラの整備が海外に比べて遅れていましたが、このCDISC標準データ提出の義務化を機に、一気に世界水準にグレードアップする動きが高まるものと考えられます。

これを受けてCRO各社では、業務プロセスをCDISC標準に則って再構築するなどの動きを見せています。今後各社は、規制適合性と業務効率化の両立が可能なCDISC標準全面準拠による業務の一括受託サービスを提供していくものと思われます。

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